熟成肉の格之進

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シャロレー牛にかける北十勝ファームの情熱

北十勝ファームとシャロレー

「第47回肉肉学会」のテーマは、「シャロレーにかける北十勝ファームの情熱」。(株)北十勝ファームは北海道足寄町で上田金穂代表が経営される日本短角種の一貫生産の牧場。200頭の繁殖雌牛と7頭の種雄牛を飼育する、短角種としては日本最大の牧場だと思います。

[caption id="attachment_4600" align="aligncenter" width="640"] 高岡最高顧問の挨拶[/caption] [caption id="attachment_4601" align="aligncenter" width="640"] 北十勝ファーム代表・上田金穂さんの説明[/caption]

そんな上田さんから今日は「シャロレー牛」をお肉の提供をただきました。シャロレーはフランスを代表する肉用牛ですが、日本では曽田玄洋氏がフランスから購入したシャロレーを元に昭和39年に北海道駒ヶ岳山麓で開いた「曽田シャロレー牧場」で飼育された記録が残るくらいです。そのシャロレーを上田さんが飼うことになったのは、北海道別海町の(株)トータルハードマネージメントサービスの黒崎さん輸入したシャロレーの受精卵でシャロレーを生産し、肥育を上田さんに任せた、というリレーがあったためです。

[caption id="attachment_4602" align="aligncenter" width="640"] トータルハードマネージメントサービスの黒崎尚敏さん[/caption]

上田さんは、シャロレーは北十勝牧場の主力である日本短角種と比べ肉質は変わらない(赤身)が、歩留まりが高いので、熟成をかけたり、黒毛和種との交雑種を生産したりすれば期待できると考えているそうです。

たぶん、日本でシャロレーを肉用に肥育している牧場は、北十勝ファームだけだと思いますし、北十勝ファームのシャロレー出荷が始まったばかりなので。本日、提供されたシャロレーの肉は本当に貴重な国産シャロレー肉です。

また、本日は、曽田玄洋氏のお孫さんにあたるAkura Sodaさんもお見えになり、玄洋さんの思い出話を披露してくださいました。なんと!曽田玄洋氏をモデルにした夏木陽介主演のテレビドラマ「太陽野郎」(昭和42年〜43年)は、曽田シャロレー牧場でロケをしているのです。

[caption id="attachment_4603" align="aligncenter" width="561"] 雑誌「中学三年コース」特別付録の小説「太陽野郎」。在りし日の曽田シャロレー牧場が写ってます。[/caption]

本日のシャロレー肉は去勢で28ヶ月齢で、枝肉重量567kg。食肉格付による肉質等級は2、ロース芯面積は65cm2

肉質等級以外は、一般の黒毛和種去勢と同等の成績でした。

脂(あぶら)兄弟こと高橋勇会員が本日のシャロレーの脂肪酸組成を分析してくださいましたが、オレイン酸含量は49.5,融点は33.2℃で、黒毛和種10頭の平均値(オレイン酸52.2,融点28.7)に比較的近い数字でした。

本日のメニュー

〇 牛スジの塩レモン煮込み カナッペスタイル

〇 ウチモモの低温調理 サラダ仕立て

〇 シャルキュトリー盛り合わせ

〇 ウチモモのローストビーフ 赤ワインソース

〇 サーロインステーキ

〇 丑蕎麦 更級堀井謹製 二八平打ち麺 バラ肉の和風クリーム蕎麦

[caption id="attachment_4614" align="aligncenter" width="786"] (特別提供)セブンイレブン 格之進メンチカツバーガー[/caption] [caption id="attachment_4607" align="aligncenter" width="600"] 本日のシャロレーの枝肉(格付)写真[/caption] [caption id="attachment_4608" align="aligncenter" width="786"] 本日のシャロレーのサーロイン[/caption]

参考文献

安曇野放牧豚に込めた想い

藤原畜産の概要

「第46回肉肉学会」のテーマは、「安曇野放牧豚」。読んで字の如く、長野県安曇野市で「放牧養豚」経営をされている(有)藤原畜産(藤原仁代表)の藤原喜代子さんを招いての学びです。喜代子さんの父、仁さんの祖父が家畜商さんであったことから始まった牧場で、現在は仁代表が生産担当、喜代子さんが販売担当の親子二人三脚で、標高800mにある自然に恵まれた中で放牧養豚をされています。美しいけれど厳しい自然条件のため、寒さで豚が死んでしまうなどという経験を経て、発酵床(チップや米ぬかを発酵させた床の上で豚を群飼育)と山野放牧を組み合わせた飼育方法が軌道に乗り、「安曇野放牧豚」のブランド名で、直売やシェフへの提供を柱として経営してこられました。

そうしたなか、2019年から日本で発生し続ける「豚熱(旧名:豚コレラ)の影響で、新潟県の種豚場から子豚の導入ができなくなり、近隣の種豚場からの導入に切り替えましたが、豚の品種が変更(三元豚→合成豚)されたため、飼育管理方法の大幅な変更を迫られました。また、野生のイノシシからの豚熱感染を予防するため、放牧地に外柵を整備する間、放牧ができなくなったりと苦しい状況が続きました。 更に新型コロナの蔓延により取引先のレストラン等が休業に追い込まれるなど、災難続きの近年ですが、安曇野放牧豚に込められた藤原さん母子の想いは途切れることなく、飼育方法の改善、キッチンカーの活用や学校給食・小売りの増加等の対応で乗り切っています

[caption id="attachment_4582" align="aligncenter" width="780"] 高岡最高顧問の挨拶[/caption] [caption id="attachment_4584" align="aligncenter" width="616"] 肉おじさんの挨拶[/caption] [caption id="attachment_4583" align="aligncenter" width="706"] プレゼンする藤原喜代子さん[/caption]

徳子さんと疋田恵子さんのプレゼン

今回は、二人の特別ゲストも迎えました。

[caption id="attachment_4585" align="aligncenter" width="639"] プレゼンする徳子さん[/caption]

お一人は肉肉学会でもお馴染みの「徳子tokco」さん。株式会社レーマン(LAIMAN)CEOとして、日本における「メディカルイラストレーション」の普及・発展に努めています。もともと獣医でもある徳子さんは、人間と臓器が類似する豚の研究もされてるので、今日は「豚繋がり」でメディカルイラストレーションの重要性を豚の生体応用の立場からプレゼンしていただきました。

二人目のゲスト・疋田恵子さん(札幌在住・korokoron株式会社代表取締役)は、最近、注目を浴びている「海洋熟成酒」について、肉肉学会としても学びのテーマとしている「熟成」の観点から話題提供していただきました。お話だけでなく「海底熟成余市」を試飲用にご提供いただき、「海底熟成と非熟成」の飲み並べをさせていただきました。

[caption id="attachment_4588" align="aligncenter" width="775"] プレゼンする疋田恵子さん[/caption]

本日のメニュー

〇 パテドカンパーニュ

〇 モルタデッラ(ウチモモ)とプルドポーク(端材)

〇 モモハムのサラダ(ソトモモ)

〇 シュークルート(肩ロースほか)

〇 生姜焼き(リブロース)

〇 骨付きロースロティ(サーロイン)

〇 角煮バーガー(バラ)

参考文献

磯沼牧場ガンジー牛に学ぶ

はじめに

「第45回肉肉学会」のテーマは、「磯沼牧場ガンジー牛に学ぶ」。肉肉学会ではお馴染みの磯沼ファームさん。第12回「ジャージー未経産牛(フリーマーチンの30ヶ月齢)」でプレゼンしていただいだほか、「黄昏BBQ」などの特別企画でもご協力いただいています。

八王子という東京近郊で酪農経営をされている磯沼さんは、7種類の乳牛を飼育する、日本で唯一の酪農家でもあります。「ホルスタイン」「ジャージー」「ブラウンスイス」「ガンジー」「エアシャー」「モンペリアルド」「デイリーショートホーン」。乳牛博物館ですね。普通の酪農家は乳量が多いホルスタインを(日本の乳牛の95%)、チーズを作る場合はタンパク質の多いブラウンスイスを、乳脂肪が欲しい場合はジャージーを飼育したりしますが、その他の品種を飼うことは希です。変態・牛好きの磯沼さんだからできるのかも知れません。

ガンジーは日本で200頭にも満たない飼育頭数で、飼育する農家も4戸程度だと思います。こうした特殊な乳牛は、雄子牛や搾乳を終えた経産牛などを肉として利用する場合、ほとんど価値を認められず二束三文で取引されてしまいます。磯沼さんは、自家牧場産の経産牛などを肥育して「牛肉」としての価値を付与することに努めており、肉肉学会でもそうした取り組みを支援・紹介したく、ガンジーの経産牛を学ぶことにしました。

[caption id="attachment_4541" align="aligncenter" width="774"] 肉おじさんの挨拶[/caption] [caption id="attachment_4542" align="aligncenter" width="786"] 磯沼正徳さんの挨拶[/caption] [caption id="attachment_4543" align="aligncenter" width="786"] 堀井良教さんの挨拶[/caption]

磯沼ミルクファームさんとガンジーの話

磯沼牧場(正式名称は磯沼ミルクファーム)は、牛ふんにコーヒー粕を混ぜて発酵させた「コーヒーの香りのする牧場」であり、様々な体験教室などを通じて、地域住民や消費者の理解を得て都会の町中で牧場を経営されてます。

こうした消費者との交流においても「7種類の乳牛」がいることは、子どもたちの発見に繋がり、家畜を通した多様性を実感する学びの場ともなっています。とはいえ、普通に日本にいない乳牛を導入することは大変で、磯沼さんもガンジー、エアシャー、モンペリアルド、デーリーショートホーンは受精卵を米国等から輸入して、自家牧場の牛に受精卵移植して生産しています(BSE(牛伝染性脳症)の関係で、豪州・NZ以外の国から生きた牛を輸入することができないため)。

今回のガンジーも、米国から輸入した受精卵を、磯沼牧場のジャージー牛に移植して生まれた「みいちゃん」です。みいちゃんは2016年に生まれ、2回お産したあと繁殖が上手くいかなかったため、1年以上飼い直して(肥育用に飼料給与して)2022年2月にと畜されました。68ヶ月齢(5歳8ヶ月)、生体重1トン、枝肉重量569kgでした。

ガンジー牛は、英国のチャンネル諸島で閉鎖的に飼育されてきた乳用種で搾乳量は、ホルスタインには及びませんが、乳脂率が高いため、特に放牧等により青草を食べたガンジーの牛乳は黄色味を帯び、「ゴールデンミルク」と呼ばれます。日本でのガンジー飼育頭数は、どの資料を見ても「200頭」とされてますが、原田理事長が、ガンジーを飼育している牧場(栃木県・南ヶ丘牧場、大分県ガンジー牧場、新潟県・加勢牧場に確認したところ150頭くらいではないか、と思われます。いずれにしろ、大変、希少な牛種です。

磯沼さんからは、牧場の概要とガンジーを飼育するに至った経緯など発表していただき、併せて夏の新規開店に向けて牧場内で準備中の「カフェ」についても話を伺い、新たな「磯沼ミルクファームのビジョン」を共有させていただきました。

今回の「みいちゃん」のお肉は、思ったよりサシが入り(見た目にはB2.5という感じ。一般販売してないので、格付はしていません)、ロース芯もしっかりした仕上がりでした。もちろん、お味もグーッ!

本日のメニュー

〇 イチボの赤ワイン煮込み

〇 おランプのローストビーフ イチボの冷製 からし黄身酢和え

〇 サーロインタリアータ サラダ仕立て ヨーグルトドレッシング

〇 ランボソとイチボ先三寸の塊焼き

〇 サーロインステーキ

〇 ガンジーミートソースとミルクのホワイトソースのグラタン

参考文献

新春肉祝 世界初純血但馬オリーブ牛

概要

「第44回肉肉学会」は、「新春肉祝 世界初 純血但馬オリーブ牛」と題して「格之進肉学校六本木分校」の2階、3階を利用しZOOMによるオンライン参加を併用するハイブリッド方式で開催されました。 今回のテーマ「純血但馬オリーブ牛」とはなんでしょう?それも世界初?。

今回のプレゼンターは、オリーブ牛でお馴染みの香川県高松市の焼肉店「一(いち)牛(ご)」の森由樹博さんとオリーブ牛生産農家の山種易産業・倉山建造社長(お二人は現地からのZOOM参加)。通常のオリーブ牛は子牛の産地にかかわらず、香川県内で、オリーブ搾油粕を加工した飼料を一定期間与えられ肥育された3等級以上の牛肉です。但馬牛(うし)は他県からの血統を一切いれない兵庫県産の子牛で、肥育すればきめ細かいサシの入った素晴らしい肉になりますが、血統的に枝肉重量が小さいため、但馬牛(ぎゅう)、神戸ビーフ、特産松阪牛など超高級なブランド牛肉の素牛として利用されます。森さんと倉山社長は、あえて淡路家畜市場から素牛(9ヶ月齢)を購入してオリーブ牛として育てることで(33ヶ月齢出荷)、但馬牛(うし)の血統とオリーブ搾油粕飼料給与の融合による美味しい牛肉生産に挑戦されたのです。新春にふさわしい牛肉をいただくことができました。

オリーブ牛の特徴を活かした料理の数々は、岡橋シェフと遠藤シェフの競演によるものです。ごちそうさまでした。

[caption id="attachment_4534" align="aligncenter" width="786"] 一牛の森由樹博さん。(当日はZOOM参加)[/caption] [caption id="attachment_4536" align="aligncenter" width="642"] 山種易産業の倉山建造社長。原田理事長の牧場訪問時。[/caption] [caption id="attachment_4523" align="aligncenter" width="714"] 肉おじさんの挨拶[/caption]

堀井格之進登場!総本家更級堀井の堀井良教さんと格之進の千葉祐士さん

肉おじさんと純血但馬オリーブ牛のリブロース

今回の牛肉の素牛(淡路家畜市場でセリを待つ)

本日のメニュー

〇 肉スープ(スネ骨)

〇 カイノミ仕立て違い3種肉前菜

〇 牛スジ塩煮込み

〇 サラダ

〇 リブロースユッケ

〇 焼肉(ランプ、イチボ、ナカバラ、カイノミ、ブリスケット、リブロース

〇 柚子切りバラ肉蕎麦

〇 ほうじ茶パンナコッタ

参考文献

牛おじさん肉おじさんの牧場訪問記

はじめに

「第43回肉肉学会」は、久しぶりのリアル会合でもあり「忘肉会」として「2021年牛おじさんと肉おじさんの放浪牧場訪問報告会」としました。  コロナ禍の中でオンライン肉肉学会を開催したり、いろいろチャレンジしましたが、やはりリアルに勝る物はない!ということで開催したところ、満席の参加者と楽しむことができました。    今回のプレゼンは、そんな状況でも全国ファームツアーを粛々と実行していた肉おじさんと牛おじさんの牧場訪問記を紹介させていただきました。「シェフと伝える持続性畜産確立事業」での調査の一貫で訪問した牧場が主体です。

食材の方は、肉おじさんと牛おじさんが訪問した素晴らしい牧場の中から、群馬県の鳥山畜産の長期熟成肉(160日熟成のモモニク)、島根県津和野町・京村牧場の17歳の経産牛(ゲップからのメタンガス排出削減効果のある亜麻仁油脂肪酸を給与)をチョイスしました。

また、肉肉学会の常連でもある研究心旺盛な榮野川さくら子さんの「リキフーズ」のプルドポークも紹介させていただきました。

[caption id="attachment_4507" align="aligncenter" width="786"] 高岡顧問と榮野川さくらこさん[/caption] [caption id="attachment_4508" align="aligncenter" width="771"] 「堀井格之進」の牛そば復活も近し[/caption] [caption id="attachment_4509" align="aligncenter" width="711"] 肉おじさんと牛おじさん[/caption] [caption id="attachment_4513" align="aligncenter" width="786"] 鳥山畜産の熟成庫。たくさんのモモ肉が吊されている光景は圧巻。[/caption] [caption id="attachment_4510" align="aligncenter" width="600"] その中でもひときわ真っ白な「種菌」に覆われたモモ肉が、今回のお肉です。[/caption]

京村牧場の京村耕平さんを囲んで、肉おじさんと牛おじさん。京村さんは、自ら人工授精もして、黒毛和牛だけでなく、乳用種との交雑種を生産・肥育したりする変態さん。牧場は豊かな自然に囲まれた山の上にあります。

京村牧場では経産牛を肥育(配合飼料で飼い直し)しています。
牧場訪問時に「ぜひ京村さんの経産牛を食べたい」と肉おじさんがつばを付けておきました。

本日のメニュー

〇 リキフーズ・プルドポークの春巻き

〇 鳥山畜産・長期熟成肉ウチモモのローストビーフ

〇 鳥山畜産長期熟成肉のステックアッシュ

〇 京村牧場・経産牛のイチボのしゃぶしゃぶサラダ

〇 京村牧場・経産牛のランプのカツレツ

〇 京村牧場・経産牛のサーロインのロースト

〇 京村牧場・経産牛のミートソースのペンネ

参考文献

16歳但馬牛すき焼きから学ぶ

はじめに

「第42回肉肉学会」のテーマは、「16歳但馬牛すき焼きから学ぶ」。お招きした生産者は、兵庫県香美町で肉用牛繁殖経営をされている田中一馬さん。田中さんは、兵庫県の但馬牛の母なる産地に新規就農して、現在では繁殖雌牛60頭を飼育する地域を担う中核的な生産者になられました。積極的にSNSで発信されていることでも有名です。

[caption id="attachment_4503" align="aligncenter" width="786"] 人形町今半本店[/caption]

田中さんは「繁殖農家」ですから、通常は、生まれた子牛を10か月齢程度で家畜市場に出荷して子牛の販売収入を得ることがメインのお仕事です(牛の蹄を手入れする「削蹄師」もされてますが)。しかし、年に数頭(不定期)、お産の働きを終えた雌牛(経産牛)を肥育して(しばらく太らせて)牛肉として出荷することがあります。牛のコンディションによって、放牧地で配合飼料を与えずに放牧肥育する場合は「放牧敬産牛」としてオンラインで販売すると、告知直後に売り切れる人気商品です。また、放牧をしないで牛舎の中で配合飼料も給与して仕上げる場合もあります。いずれの場合も、奥様のあつみさんが自らお肉をカットして販売されており、あつみさんは第15回肉肉学会(2018年1月27日「但馬産放牧敬産牛」)にスピーカーとして登壇されたので、ご夫婦での肉肉学会登場!ということになります。

[caption id="attachment_4504" align="aligncenter" width="786"] 牛おじさん、すき焼きおじさん、肉おじさん[/caption]

今回は、田中さんが育てた16歳の雌牛「てるふく」を、人形町今半本店でいただくという、肉肉学会初めての試みをさせていただきました。また、ようやく、オンラインから脱して、リアルで開催された記念すべき回ともなりました。

[caption id="attachment_4490" align="aligncenter" width="786"] プレゼンされる田中一馬さん。[/caption]

「てるふく」のはなし

和牛は、血統登録がされているのですが、通常、雄は漢字名、雌はひらがなで記述されます。今回の牛は雌なので、名前は「てるふく」。照や福は和牛の名前としてはよく出てきますが、「てるふく」は2005年02月16日生まれの16歳(数えで17歳)。父は照波土井、祖父は谷福土井、曽祖父は照長土井という但馬牛の家系です。和牛の血統は、このように父、母の父(祖父)、母の祖父(曾祖父)を重視する(三代祖)傾向にあります。てるふくは、雌牛として優秀で13回もの出産をした、田中家でも稼ぎ頭の牛でした(通常、2歳過ぎが初産ですから、ほぼ毎年1頭子牛を産んだことになります)

そんな「てるふく」に肉おじさんと牛おじさんが出会ったのは、前年10月に田中牧場に伺った時です。田中さんは、前述のように、経産牛の肥育については「放牧ありき」ではなく、その牛の個性に合わせた養い方で牛の能力を引き出したいと思ってます。「てるふく」は高齢のため歯が抜けて放牧で牧草を食べることができないため、配合飼料や乾草で1年半ほど「飼い直した」牛です。普通の飼い直しは半年ほどなので、じっくり丁寧に育てられた「熟成うし」と言えます

牛舎でゆったり反芻するその姿に一目惚れした肉おじさんが田中さんに頼み込んで「売約」。そして、そのお肉を、すき焼きの頂点「人形町今半本店」で食べたいと、高岡副社長にお願いして実現した「頂上ランデブー」なのです。

てるふくのお肉は、赤身の色合い、きめ細かいサシ、16歳とは思えない柔らかさ、それでいて脂はあっさりという素晴らしいものでした。そのサーロイン、リブロースを、今半本店さんの極上の手腕で味わいました。

幸せな牛飼いさんが飼った幸せな牛を幸せな気持ちで食べた極上のひとときでした。

満席の会場の皆さんからもため息が聞こえてきました。

[caption id="attachment_4491" align="aligncenter" width="786"] 田中さんのプレゼン資料における自己紹介。[/caption] [caption id="attachment_4493" align="aligncenter" width="589"] てるふくのリブロース。[/caption] [caption id="attachment_4492" align="aligncenter" width="786"] てるふくのリブロース・すき焼き用カット[/caption]

本日のメニュー

〇 前菜

〇 お椀

〇 中皿

〇 温物

〇 進め肴

[caption id="attachment_4499" align="aligncenter" width="781"] すき焼き[/caption] [caption id="attachment_4498" align="aligncenter" width="786"] すき焼きの卵[/caption] [caption id="attachment_4502" align="aligncenter" width="786"] すき焼きの野菜[/caption] [caption id="attachment_4501" align="aligncenter" width="786"] すき焼きの完成[/caption]

〇 食事

〇 デザート

参考文献

日本型グラスフェッドビーフへの挑戦

はじめに

「第40回肉肉学会」のテーマは、「幸せな牛肉 日本型グラスフェットビーフへの挑戦」と題して、元青森県営農大学校教師臼田裕(ウスタヤスヒロ)氏によるカスピ海ヨーグルトを活用したインプリンティング哺育による酪農家が育てる美味しい牛肉づくりへの実験的挑戦を学びました。

「農大校」というのは、各都道府県にある2年制の農業教育短大という性格の教育機関で、かなり実践的な農業技術を学びます。以前は、農家の子弟が多く卒業後も実家に戻り就農するという性格のものでしたが、近年はサラリーマン家庭など農家以外の子弟がほとんどで、かつ女性が多いという特徴を持っています。そんな農大校での臼田さんの実証的な研究成果を学びました。

前回に続き、今回もZOOMによるオンライン開催となりました。

[caption id="attachment_4467" align="aligncenter" width="786"] 高岡さんもオンラインで挨拶。素敵な空間ですね[/caption]

オンライン肉肉学会の具体的方法

新型コロナ禍を受け、肉肉学会のリアル開催を模索しつつもデッドロックに乗りあげていた肉おじさん&牛おじさん。世の中にZOOMを利用したオンライン会議が普及していることに注目して、今回は発想の転換。肉肉学会もオンライン開催することで、遠方のゲスト生産者さんに現地からリポートしていただけること、参加者も自宅からアクセス可能なこと、家族も一緒に参加できることなどのメリットも見いだして「オンライン開催」に。

以下は、イベントページに掲載された肉おじさんからのメッセージです。

『「このご時世のなかで、、、考えさせられました。。。 時代はどのように変容していくのか・・・ 私はめっちゃラッキーなことに日本を代表する脳科学者藤井 直敬 (Fujii Naotaka)さんと親友になれたので「REALとVRと脳の相関関係」が私のようなお肉以外のことはトンと分からず屋にも理解できるように教えて頂きこの先の未来の消費者の変容の方向性が見えてきたと心のなかで確信しております。

そのアウトプットの一つが肉肉学会オンライン研究会です。 オンライン会議システム(Zoom又はRemo)を使用して参加者に同一の料理又は料理素材を宅配便で提供してライヴで牛肉の生産者の思想や哲学そしてそれを受け継ぐ肉屋さんの思想と哲学に耳を傾けながらその手掛けた思想が物質化した牛肉を食して頂き、リモートでありながら共感や共有そして共鳴を引き起こすサービスにチャレンジします。

肉肉学会オンライン研究会は初めてのチャレンジですので様々不具合あるかともいますが是非肉肉学会を育ててあげよう又は一緒に未来の食を拡張しよう!!!って想って頂ける方々と一緒にチャレンジできることにとてもワクワクしており人生を一緒に味わい尽くせることをご一緒出来ることに心から感謝します。 是非、一緒に食の未来を切り開きましょう!』

というわけで、参加者の自宅にお肉を事前配送し、参加者それぞれが調理道具を用意して、パソコンやタブレットの前で待ち構える、という「肉肉学会」が開催されました。

★お届商品
・ サーロイン
・ ランプ
・ イチボ
・ 門崎熟成肉 コーンドビーフ約100g×1P
・ 金格ハンバーグ150g
★【重要】肉肉学会オンライン研究会で必要なものは!?
・ PC(ない場合はスマートフォン)
・ 塩(純粋な食塩でOK:アミノ酸が入っている味塩はNG)
・ 黒胡椒(粗挽きされたものがベター)
・ わさび(なくても大丈夫)
・ お箸
・ 取皿
・ まな板(塊焼きを載せてまな板の上でカットします)
・ 包丁(塊焼きをカットする際に使います)
・ ご自身の飲みたいドリンクを準備
・ ホットプレート(カセットコンロとフライパンでも可)です。

お肉の紹介

今回のお肉は、青森県営農大学校育ちの交雑種(ホルスタイン♀×黒毛和種♂)のメス27ヶ月齢です。この牛は、青森県営農大学校で調査研究の一環として育てられたもので、母牛の初乳をカスピ海ヨーグルトとして発酵(初乳にカスピ海ヨーグルトの乳酸菌を投与)させて作った「発酵初乳」を通常の2倍の期間、1日あたり3倍の量を飲ませ、肥育期は6割が牧草で育てた27ヶ月齢で出荷。見事に真っ赤なお肉です。

[caption id="attachment_4471" align="aligncenter" width="786"] オンライン肉肉学会の様子[/caption]

本日のメニュー

〇 青森県営農大校産交雑種(27ヶ月齢)サーロインステーキ

[caption id="attachment_4474" align="aligncenter" width="786"] ひたすら肉を焼きます
(原田家の場合。以下同じ)[/caption] [caption id="attachment_4475" align="aligncenter" width="786"] 焼けました[/caption] [caption id="attachment_4476" align="aligncenter" width="662"] 原田家オリジナル。ブルーチーズ・ポテトサラダ [/caption]

〇 金格ハンバーグ

〇 門崎熟成肉コンビーフ

参考文献

さの萬×前田牧場=ドライエージングの取組み

はじめに

「第40回肉肉学会」のテーマは、「さの萬×前田牧場=ドライエージングの取組み」。今回の肉肉学会は、折からの新型コロナ感染の蔓延によりリアルなかたちでの開催が困難になったため、苦渋の選択として、ZOOMによるオンライン開催となりました。


オンライン肉おじさんの挨拶。

今回のゲストは富士宮市で熟成肉の「さの萬」を経営する佐野佳治さんと、佐野さんからドライエージング技術を習得された栃木県太田市・前田牧場の前田美智子専務です。


オンライン取り寄せお肉セット

オンライン肉肉学会の具体的方法

新型コロナ禍を受け、肉肉学会のリアル開催を模索しつつもデッドロックに乗りあげていた肉おじさん&牛おじさん。世の中にZOOMを利用したオンライン会議が普及していることに注目して、今回は発想の転換。肉肉学会もオンライン開催することで、遠方のゲスト生産者さんに現地からリポートしていただけること、参加者も自宅からアクセス可能なこと、家族も一緒に参加できることなどのメリットも見いだして「オンライン開催」に踏み切りました。

以下は、イベントページに掲載された肉おじさんからのメッセージです。
『「このご時世のなかで、、、考えさせられました。。。 時代はどのように変容していくのか・・・
私はめっちゃラッキーなことに日本を代表する脳科学者藤井 直敬 (Fujii Naotaka)さんと親友になれたので「REALとVRと脳の相関関係」が私のようなお肉以外のことはトンと分からず屋にも理解できるように教えて頂きこの先の未来の消費者の変容の方向性が見えてきたと心のなかで確信しております。

そのアウトプットの一つが肉肉学会オンライン研究会です。

オンライン会議システム(Zoom又はRemo)を使用して参加者に同一の料理又は料理素材を宅配便で提供してライヴで牛肉の生産者の思想や哲学そしてそれを受け継ぐ肉屋さんの思想と哲学に耳を傾けながらその手掛けた思想が物質化した牛肉を食して頂き、リモートでありながら共感や共有そして共鳴を引き起こすサービスにチャレンジします。

肉肉学会オンライン研究会は初めてのチャレンジですので様々不具合あるかともいますが是非肉肉学会を育ててあげよう又は一緒に未来の食を拡張しよう!!!って想って頂ける方々と一緒にチャレンジできることにとてもワクワクしており人生を一緒に味わい尽くせることをご一緒出来ることに心から感謝します。

是非、一緒に食の未来を切り開きましょう!』

というわけで、参加者の自宅にお肉を事前配送し、参加者それぞれが調理道具を用意して、パソコンやタブレットの前で待ち構える、という「肉肉学会」が開催されました。

★お届商品
・前田牧場産ホルスタインロース ステーキ
・門崎熟成肉 コーンドビーフ約100g×2P
・白金豚&純和鶏レバーのパテドカンパーニュ約100g
・金格ハンバーグ150g
・黒格ハンバーグ150g
★【重要】肉肉学会オンライン研究会で必要なものは!?
・PC(ない場合はスマートフォン)
・塩(純粋な食塩でOK:アミノ酸が入っている味塩はNG)
・黒胡椒(粗挽きされたものがベター)
・わさび(なくても大丈夫)
・お箸
・取皿
・まな板(塊焼きを載せてまな板の上でカットします)
・包丁(塊焼きをカットする際に使います)
・ご自身の飲みたいドリンクを準備
・ホットプレート(カセットコンロとフライパンでも可)です。

リビングやダイニングで換気扇がない状況でお肉を焼いたために奥様に叱られたという方もいらっしゃいましたよ。

前田牧場の紹介

株式会社前田牧場(前田昭代表)は肉用牛(ホルスタイン去勢、交雑種)2500頭を飼育する大規模牧場であり、農業部門としても米麦、ほうれん草、人参、じゃがいも、さつまいも、イチゴを栽培し,飼料作物も15ヘクタール作付けする複合農場です。規模が大きいだけでなく、バーク堆肥の製造販売、稲わら購入など耕畜連携も進め。地域の中核農場になっています。バーク堆肥は、自社の専用バーク製造器で粉砕したバークを敷料に利用し縦型スクリュー式の堆肥舎で堆肥化したものです。

更に牧場から10分ほどの直営店「ファーマーズカフェ」で自社産の精肉、熟成肉、加工肉、レトルトカレーなどを販売するほか、レストランでの牛肉料理の提供を行うなど,スーパーマルチな牧場です。

前田牧場は智恵子専務と妹の斎藤順子常務とが切り回しており、前田姉妹の父上・昭(あきら)氏は、牛肉自由化の際にホルスタインの規模拡大を進めるなど、数々の逆境を乗り越えて来た方で、北海道からホルスタイン育成牛を,地元の市場から交雑種を導入し、ホル去勢の場合は12か月間肥育して20か月齢で出荷するというスタイルを現在でも貫いています。この肉を「前田牧場の赤身肉」として営業活動に邁進しているのが前田専務。牧場からのビデオ配信など工夫を凝らして多くのファンを獲得してます。


オンライン肉肉学会の準備(原田家の場合)


肉おじさんが指導するオンライン肉肉学会の様子(原田家の場合)

本日のメニュー

前田牧場産ホルスタイン熟成肉(46日)サーロインステーキ


前田牧場産ホルスタイン熟成肉サーロインのステーキ (原田家の場合。以下、同じ)


金格ハンバーグ

白金豚と純和鶏のパテ・ド・カンパーニュ

門崎熟成肉コンビーフ

原田家オリジナル チーズのサラダ


オンラインだとこんな楽しみも


参考文献

幸せな山地酪農チーズを求めて

要約

「第3回乳乳学会」のテーマは「三良坂フロマージュ」。広島県三次市三良坂町から松原正典さんに来ていただきました。

[caption id="attachment_4021" align="aligncenter" width="640"]高橋雄幸副理事長 高橋雄幸副理事長[/caption] [caption id="attachment_4022" align="aligncenter" width="640"]人形町今半の高岡さんのあいさつ 人形町今半の高岡さんのあいさつ[/caption] 松原さんは、アメリカで酪農研修を受け、オーストラリア最大の酪農場でも働いた経験をもつ「酪農家」。でも、そうした大規模酪農場での飼育方法に疑問を抱き、自らは「山地酪農」という自然の草木を活かし、牛や山羊の蹄で草を根付かせる(蹄耕法)により放牧酪農を行う道を選び、林業実習等を経て、故郷の三良坂町にチーズ工房を開設。里山を利用したヤギとブラウンスイスの放牧を始めた。チーズの製造技術は、フランスで学び、今では、「日本一、多く種類のチーズを作っているチーズ職人」とのこと。 [caption id="attachment_4023" align="aligncenter" width="640"]松原正典さんのプレゼン 松原正典さんのプレゼン[/caption] [caption id="attachment_4024" align="aligncenter" width="640"]遠藤シェフと肉おじさん 遠藤シェフと肉おじさん[/caption] 山地酪農での牛や山羊の放牧酪農は、里山を切り開き、放牧のための牧柵や電気柵を設置し、冬期の貯蔵飼料にする牧草やわらを収穫し、牛・ヤギ舎と搾乳施設(パーラー)を作り(できるだけ安く)、そしてチーズをつくるといった作業の連続で、10年間は休みもなかった、でも毎日、牛や山羊の世話をし、チーズを作ることが嬉しくてしかたない、という松原さんなのだ。「幸せな牛・ヤギからいただいたミルクを無駄にしないでチーズを作りたい」というのが、松原さんの想いなのだ。 この日は、牛・山羊・羊のミルクを飲み比べたり、登場間もない「リコッタ3兄弟」が紹介された。松原さんが手塩にかけたホエーイノブタや山羊肉を素材にした料理も登場。「草の幸・山の幸」すべてが集結したような実りの多い学会となった。

学びの概要

1. 新規就農への道  松原正典さんは昭和49年生まれ。大阪育ち。広島県農業技術大学校で酪農を学び、卒業後は国際農業交流協会の海外研修としてアメリカで酪農を学び、一端、帰国後、オーストラリアの大規模酪農場で働くことになった。3000頭もの規模を誇る豪州でも最大級の牧場であったが、そこでの作業を通じて、「牛を幸せにする酪農をしたい」と強く思い、帰国後は自然な状態で牛を飼う「山地酪農」という経営スタイルを目指して、高知の「斎藤牧場」を訪問。そこで、「まずは林業から学べ」とアドバイスを受け、2年間山師として林業に従事した! その後、チーズを学びたいと、結婚したばかりの奥様の了解をいただいてフランスに渡りチーズ工房を視察、帰国後2004年に母の里、広島県三次市三良坂町でチーズ工房「三良坂フロマージュ」をオープンした。牧場がなかなか見つからず農業としての新規参入が難しかったので、チーズ工場からスタートしたが、牛も山羊もいないので、最初は原乳を仕入れてチーズを製造していた。 2006年山林を取得し最初はヤギのアルパイン種を(牛は価格が高かった)、次にブラウンスイスの子牛を購入して、牛や山羊が木や草を食べ、蹄で歩き回ることで山を切り開く「山地酪農」を開始することができたそうです。 2014年の工房開設10年目に、牧場そばに現在の工房兼ショップを移転し、現在に至っている。現在はブラウンスイス1を約10頭、アルパイン種のヤギ2を約30頭飼育して、濃厚飼料は与えずに放牧と自給飼料(貯蔵飼料)で飼育している。 2. チーズの特徴  松原さんのチーズは、牛のブラウンスイスとヤギのアルパインの2種から得るミルクを使用していること、フレッシュからパスタフィラータタイプ、酸凝固タイプ、ソフト熟成タイプ、セミハードタイプ、シェーブルと様々なスタイルのチーズを作っていること、これに季節の果物を組み合わせた「季節限定チーズ」もあるのでご本人も曰く「日本で最も多種類のチーズを作っている工房」ということになるし、納得するところである。 こうしたチーズは、国内外の様々な賞を受賞しており、日本を代表するチーズ工房となっている。 ソフト・酸凝固タイプの「カレ・ド・ラヴァンド・シェーブル」でオールジャパンナチュラルチーズコンテスト金賞&外国人審査員賞、モンディアル・デュ・フロマージュでは銅賞を獲得。 「リコッタ・サラータ・インフォルナータ・フレスカ」(銀賞)、ウォッシュタイプの「じゅくし柿(大)」(銅賞)、「フロマージュ・ド・みらさか?シェーブル」(モンディアル金賞)、「フロマージュ・ド・みらさか(牛乳製)」(モンディアル銅賞)など。  また、松原さんは受賞した定番チーズだけでなく、たえず新たなチーズに挑戦しており、日本トウガラシを使った「赤鬼」や「富士山、地元の鵜飼いの名を冠したシェーブル「三次の鵜飼い」、牛、ヤギ、ヒツジのミルクを使った「リコッタ3兄弟」などチェレンジ精神が魅力だ。 今回も、それらの新進のチーズのほか、フランスの一部地域にしかないヤギのフレッシュチーズ「ブルッス」(山羊乳をホワイトビネガーの酸で凝固させたチーズ)が飛び出るなど、三良坂フロマージュはあ、まさに「チーズのワンダーランド」と言える。  なお、松原さんも、前回の大窪さんと同様、チーズを作る際に副産物となる「ホエー(乳清)3」の有効活用として、自ら飼育した「イノブタ」にホエーを飼料として給与している。今回は800日間飼育した(普通の豚は半年で出荷される)イノブタも、山羊肉と合わせてお披露目された。

脚注

1 ブラウンスイス 2 ヤギの種類 [caption id="attachment_4027" align="aligncenter" width="170"]アルパイン アルパイン[/caption] アルプス原産の乳用種で茶色や黒・白など様々な色があり、背中にたてがみのような毛がついていまる。大きさはザーネンに近く、同様に季節繁殖で有角・無角どちらもいる・乳量はザーネンの2/3程度。 [caption id="attachment_4026" align="aligncenter" width="320"]日本ザーネン 日本ザーネン[/caption] スイス原産のザーネンを日本で改良したもので、このヤギの血をひいた雑種も多く見られる。メスは60キロくらいに、オスは90キロにもなるものがある。ザーネンより乳量はやや少ないが、日本の風土に適している。 3 ホエー (参考)チーズについての基本

本日のメニュー

本日のチーズ。左から、フロマージュブラン。三次の鵜飼、フロマージュドみらさか、モッチーズ、スカモルツァ・アッフミカータ

1. 三種のミルク
牛乳、羊乳、山羊乳

2. ブルッス

3. グラスフェッドバター、バゲット、パテ

4. パテ・ド・カンパーニュ

5. 三次の鵜飼のフリットと花かごのリーフサラダ

6. イノブタばら肉のプティサレ スカモルツァ

7. プルドイノブタとフロマージュみらさかのオープン

8. 山羊肉のラグーのラザニア モッチーズ

9. リコッタ3兄弟とフロマージュブラン


参考文献

ダイワファーム 宮崎から愛と情熱を込めて

要約

「第2回乳乳学会」のテーマは「ダイワファーム 宮崎から愛と情熱を込めて」。宮崎県小林市ダイワファームの大窪和利社長が主役です。

[caption id="attachment_4002" align="aligncenter" width="640"]高橋雄幸副理事長 高橋雄幸副理事長[/caption] [caption id="attachment_4003" align="aligncenter" width="640"]人形町今半の高岡さんのあいさつ 人形町今半の高岡さんのあいさつ[/caption] 「ダイワファーム」でのチーズ作りは大窪さんが50歳を過ぎてから始めたものです。それ以前からアイスクリームやソフトクリームは製造販売していたので、六次化への取組は早かったというものの、チーズは別物。大窪さん曰く「自宅で鍋を使って、見よう見まねでモッツアレラチーズを作って店舗に並べて販売したけど、今から思えば恥ずかしくなるような出来だった」とのこと。しかし、その後、大分の先輩「うらけん」にチーズ作りを学び、北海道のチーズ工房やイタリアでの修業を経て、今では日本を代表するイタリアンチーズの作り手になりました。 宮崎県小林市で約20頭の乳牛(ホルスタインがほとんどだが、チーズに向くブラウンスイスも数頭)を飼育し、牛舎の隣のチーズ工房へ搾りたての生乳を搬入して製造できる強みを活かし、また奥様や息子さんもチーズ製造に参加して家族ぐるみの工房として様々な種類のチーズを製造されています。  また、ダイワファームは「肉肉学会」の「熟成肉とチーズのマリアージュ」などでも格之進の熟成肉とコラボした、格之進お馴染みのパートナーでもあります。今回は、ダイワファームと同じテロワールをもつ、小林市のOGAWAFARMのミニトマト、山之口畜産の牛肉「アン黒」との小林コラボも企画されました。 [caption id="attachment_4004" align="aligncenter" width="640"]大窪和利社長のプレゼン 大窪和利社長のプレゼン[/caption] [caption id="attachment_4005" align="aligncenter" width="640"]遠藤シェフと肉おじさん 遠藤シェフと肉おじさん[/caption]

学びの概要

1. チーズ製造への道  宮崎県小林市のダイワファームの代表・大窪和利(だからダイワなんですね)は2代目の酪農家で、規模拡大した矢先の平成5年に「生乳の生産調整」にぶつかった。「生産調整」とは、生乳の生産が国産需要を上回ったうえ、過去の増産基調などからバターや脱脂粉乳の国内在庫がたまっていたことから、乳業工場が酪農家からの生乳の受け入れを大幅に減らすか、一時的に受け入れ中止する事態に至ること。都府県の酪農家から出荷される生乳は、ほとんど飲用牛乳になるが、飲用牛乳で余る分はバターや脱脂粉乳などに加工して貯蔵しやすくし、それでもなお加工品も余るときには生乳に食紅を入れて廃棄するということになる。  大窪さんは、そうした事態にぶつかり「ならば自分で加工して販売しよう」ということで平成8年にアイスクリーム工房を作り、製造販売を始めた。それだけでも成功する酪農家は一握りだが、アイスクリームを作り始めて10年した頃、ふとしたキッカケで読んだ雑誌にチーズづくりのことが書いてあり、自分にもできるのではないかと、家にあった鍋などの器具を用いてチーズを作り始めたのが、現在に至ることになる。本格的にチーズの製造販売を始めたのが平成18年なので、チーズを作って11年目。かつての大規模指向は転換され、20頭程度の乳牛を飼育して、乳製品加工が本業となった大窪さんだが、まだまだ「チーズ道」を極めている最中なのである。   2. ダイワファームのチーズ  ダイワファームはホルスタインとブラウンスイス2の混乳を使用し、搾りたての生乳を牛舎から隣のチーズ工房へ運び、日を決めて様々なチーズを作っている。  チーズの作り手は大窪さん、奥様、息子さんの3人。奥様はリコッタ、息子さんがブルーチーズなどそれぞれ分担して様々なチーズを作っているが、大窪さんが絶対に自分で作り続けているチーズがモッツアレラ。いくら作ってもまだまだ、奥が深いと仰る。  チーズの種類としてはモッツアレラのほか、リコッタ、ハロウミ(焼いて食べるチーズ)、カチョカバロ、トーマダイワ(セミハード)、ロビダイワ(ウオッシュ)、ジンゼ(ハード)、ヤマンクッバイ、チャンガサコ(ブルー)などバラエティ豊かな品揃え。ジンゼ、ヤマンクッバイ、チャンガサコなど一風、変わったネーミングだが、このあたりにも大窪さんの戦略が伺える2  なお、チーズを作る際に副産物となる「ホエー(乳清)3」を飼料として給与した豚(ホエー豚)を地元の養豚農家と協力して生産することになり、今回は、その肉を使用した「パテ・ド・カンパーニュ」もお披露目となった。

脚注

1 ブラウンスイス 2 チーズのネーミング戦略  日EU・EPAにより、地理的表示について相互に保護することになった。このため、カマンベール、モッツアレラのような「一般名称」は別として、「コンテ」「アジアーゴ」など、EUで保護の対象となるチーズの名称を国産チーズにつけることは許されなくなった。ダイワファームでは、EPA合意に先立って「ロビオーラダイワ」を「ロビダイワ」「アジアーゴ」を「ジンゼ」と変更し、国際対応を図っている。ちなみに「ジンゼ」は祖父の名。「ヤマンクッバイ」は「山の口原」、「チャンガサコ」は「茶が迫」で近所の地名を西諸弁で表記したもの。 3 ホエー 4 チーズについての基本

本日のメニュー

[caption id="attachment_4009" align="aligncenter" width="640"]本日のチーズ。下から、ヤマンクッバイ、ロビダイワ、ジンセ、モッツアレラ 本日のチーズ。下から、ヤマンクッバイ、ロビダイワ、ジンセ、モッツアレラ[/caption] [caption id="attachment_4010" align="aligncenter" width="640"]ダイワファーム応援トリオ ダイワファーム応援トリオ[/caption]

1. チーズプレート
ヤマンクッバイ(ブルー)、ロビダイワ(ウオッシュ)、ジンセ(ハード)

2. ホエー豚のパテ・ド・カンパーニュ

3. OGAWAFARMの香りトマトのフレッシュソースとモッツアレラチーズ

4. ほうれん草とヤマンクッバイ(ブルー)のサラダ

5. メガネ肉の赤ワイン煮 山盛りジンセとともに

6. 小林トリオ
山之口畜産アン黒のハンバーグ ダイワファームのロビダイワ乗せ OGAWAFARMアイコの焼きトマト

7. チーズリゾット
焼きおにぎりスタイル

8. リコッタチーズのカッサータ


参考文献

YouTube 格之進公式チャンネル YouTube 格之進公式チャンネル

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