熟成肉の格之進

2024年4月12日 第70回肉肉学会の概要

「日本最大重量級銘柄鶏『大摩桜』」 〜鶏の究極の美味しさへの挑戦〜

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今回のテーマは『日本最大重量級銘柄鶏「大摩(だいま)桜(おう)」・・・鶏の究極の美味しさへの挑戦!!』です。このブランドの特徴は、一般のブロイラーと同じ品種を、地鶏と同じようにじっくりゆったり飼育して日本最大級とも言える鶏に仕上がっていること。低カロリーの餌を利用して成長速度を敢えて落とし(生産効率を犠牲にして)、地鶏以上にゆったりした環境で、150日齢を基準(通常のブロイラーは45日齢)とし6kg以上なるまでじっくり育て上げるところ。ホワイトコーニッシュ♂×ホワイトプリマスロック♀というブロイラーの品種の「うまさ」のポテンシャルを最大限に引き出したといえるかも知れません。

今回、「大摩桜」を紹介してくださるのは松山欣浩農場長。千葉さんがICCで出会って、大摩桜のとんでもない美味しさと松山さんの素朴な人柄に惚れ込み、肉肉学会での発表をお願いしたとか(このときの千葉さんは、刺身ばかり食べたそうですが)。

松山さんは生まれも育ちも地元の知覧町。

2010年 「永楽荘」というある鶏肉料理の老舗で食べた鶏との衝撃の出会い。鳥刺しでも焼いても美味しい。それが「大摩桜」だったのです。当時、JA子会社の食肉担当だった松山さんは、取り引きしたいと生産農家にお願いしたのですが、小規模なので増産できないと断られてしまいます。それなら自分で作ってみたいと思ったのですが、JAの子会社にいる身では思うママには行かないので、転職しようと奥さんに相談したら背中を押してくれたそうです。ところが、地鶏だと思っていたその鶏はブロイラー品種だった!(まあ、ブラインドで食べたらブロイラーとは思いませんよね)。

そこで、鹿児島のくみあいチキンに生産試験をお願いしたら、当初は育成率50%だったので(半分は死ぬ!)ビジネスにならない。生育の良い鶏なので、ブロイラー用の飼料では心臓が追いつかず心筋梗塞になることがわかった。このため、餌のカロリーを下げたら、育成率80%を超えることができたため実用化に向けて走り出した。この時の試験では、50日齢で3kg、150日齢で8kg程度だったそうです

そして、大摩桜の販売に興味を持った大阪の岡山フードサービスとの二人三脚により2012年テスト生産に着手するため、採卵鶏農場を改築して2013年鶏舎完成。 7/18初ひなをチャンキーから導入し、毎週、体重測定を実施して、11/16に第1弾を出荷。

鹿児島と宮崎は、鶏の食文化として、刺身やたたきで食べる習慣がありますが、肉の生食は、食品衛生法の規制強化により一般的には不可能になってきました。鶏の場合は、牛のO157のような大腸菌の心配はないのですが、カンピロバクターで汚染されるリスクはあります。このため、鹿児島県や宮崎県では、地域の食の伝統を守る意味で、厳しいガイドラインをクリアできれば、鶏肉を刺身やたたきで食べることができるようになっています。

松山さんは大摩桜を刺身で食べることができるよう、鹿児島県が推奨した食鳥処理技術を身につけるため「きくなが養鶏場」で勉強し、中抜きしないで外ハギし、バーナーで焼いて刺身用に処理する方法を学びました。

そして、2015年に 第一農場と食鳥処理場を建設し、鹿児島県の衛生ガイドラインに則して内臓は最後にとって肉と交差させないなどの処理をしています(肉肉学会の会場は東京都なので、今回は鹿児島県のガイドラインに適合した鶏肉であっても生食は避けました)。

2018年 第2農場を完成し、現在16000羽飼育しています。
また、岡山フードサービスでは、大摩桜の鶏糞を発酵させた堆肥で「薩摩知覧碾茶」を生産。農薬を使わない丸ごと食べられるお茶として販売しています。本日のメニューの締めとして味わった「かしわおむすび」は、この碾茶で炊いたご飯を使用しています。

松山さんのプレゼン資料の一部





重さは約7kg

丸鶏のロースト

本日のメニュー

〇 前菜
(大摩桜パテ、砂肝コンフィ、白レバーパテ、むね肉ハム)

〇 焼き物
(尾の身、せせり、ハラミ、ハツ)

〇 ローストチキンサラダ

〇 揚げ串
(ささみ串、鶏皮串)

〇 もも肉とむね肉のすき焼き

〇 照り焼きチキン南蛮

〇 締め
・鶏ラーメン

・碾茶で炊いたかしわおむすび

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