熟成肉の格之進

  1. 熟成肉の格之進
  2. 門崎熟成肉

防災対策&実際に役立ったおすすめ防災グッズ5選

自然災害は人間の手では起こらないようにすることは不可能な出来事です。 もし災害が発生してしまったときは、まずは自分自身で身をを守らなければなりません。 本記事では、災害が起こった際の対策として、あらかじめしておけること5つと、災害時に実際に役立ったおすすめ防災グッズ5つをご紹介します。 あらかじめ対策をしておけば、いざという時に慌てずに行動できたり、危険な場面に遭遇する可能性を少しでも低くすることができます。 ぜひご参考にしていただけると幸いです。

もしものときに備える防災対策5つ

ますはあらかじめしておける防災対策を5つご紹介します。

【1】転倒・落下・移動防止として家具を固定

震災や豪雨などの自然災害では、家具が転倒や落下、移動などをして怪我をする危険があります。 そのため、地震や浸水が起きた際でも家具を固定をして動かないようにしておきましょう。 固定するのに最も有効な方法は、L型金具で壁にネジ止めをすることです。 しっかり壁に固定されるため強い地震や水害での浸水などでも、家具が動きにくくなります。 ネジ止めで固定するのが難しい場合は、突っ張り棒とストッパー式、突っ張り棒と粘着マットを組み合わせると固定度合いが高くなります。 キャスター付きの家具などの可動式の家具に関しては、キャスターのロックをしたり、受け皿で家具を必要な時だけ動かせるようにしたり、家具の角にカバーなどを付けておきましょう。 上記のようにしておくと、万が一の際に怪我をする危険性を少しでも低くすることができます。

【2】人数分の非常用品を準備

災害の規模にもよりますが、一般的にライフラインの復旧や救援物資の到着まで最低3日はかかると言われています。 それは、災害発生から3日を過ぎると生存率が著しく下がってしまうため、災害発生から3日間は人命救助が最優先になると言うのが理由です。 そのため、最低でも3日分は自力で食料やライフラインの確保をしておいた方が良いでしょう。 ちなみに、非常用品としてあると良いのは次のものです。 ・水(人数分 x 3リットル x 3日分 ) ・保存食(お湯がいらないもの&持ち運びしやすい物だと便利) ・電池 ・ラジオ ・ガスコンロ ・ランタン また、災害発生から3日以降は避難所生活などになる可能性が高いため、下着や歯ブラシ、洗い流さないシャンプーといった衛生用品がストレス軽減に役立ちます。 また、避難所として使われる体育館などの、床が硬くて冷たい空間ではスリッパやレジャーシートがあると便利です。 出典:備蓄品はこれが必要(知る防災) - 日本気象協会 tenki.jp より

【3】避難場所、避難経路の確認

もし災害が起きた場合、すぐに避難できるよう避難場所と避難経路の確認をしておきましょう。 万が一の際、避難場所や避難経路を確認しておけば、災害時にバラバラになっていた家族や友人などとも合流しやすくなります。 避難経路の例としては、オフィスやマンションなどの場合、非常階段やベランダに備え付けのはしごを利用します。 その際、経路に物がないように常日頃から注意しておかなければなりません。 また、避難所までの避難経路は国土交通省や各自治体が発行しているハザードマップを確認しましょう。 国土交通省が運営しているハザードマップポータルサイトでは、土砂崩れや浸水、震災といった災害別のハザードマップが確認できます。 または、各自治体から配られる紙媒体のハザードマップでも確認ができます。

【4】災害発生時直後の行動を把握

火災や震災、水害などが発生した直後の行動をあらかじめ把握しておきましょう。 火災の場合、出火直後は「早く知らせる」、「早く消す(初期消火)」、「早く逃げる」。 この3つが重要です。 どんな小さな火事でも119番通報をしたり、大きな声で近隣の住民の方に知らせましょう。 また初期消火も重要です。 初期に消火できると被害を最小限に食い止めることができます。 また初期消火しきれなかった場合は一刻も早く逃げましょう。 逃げる際は煙を吸い込まないよう姿勢を低くして、ハンカチやタオル、服の袖などで口や花を覆ってください。 視界が悪くなってきたら、方向感覚を失わないよう気を付けて、壁伝いに進みましょう。 出典:千葉市防災普及公社 火災が起きた時の行動三原則を守りましょう! より 地震の場合は、発生直後は机の下に潜るなどして倒れてくる家具や落下物に注意しましょう。 また、ドアや窓を開けて避難経路を確保しておくのも大事です。 地震で家屋が歪んだりすると扉が開かなくなります。 その後、火災で二次災害にならないように、ガス栓を閉めてください。 地震が収まったあとは、足を怪我しないためにも靴がはける状態でしたら、すぐに履きましょう。 上記は火災と震災を例にあげましたが、水害や土砂崩れ、津波と言った災害でそれぞれとる行動が少しずつ違います。 そのため、災害発生後に適切な行動を取るには、それぞれの災害の特徴を知っておくと良いでしょう。 そうすることで、起こった災害に合わせて適切な行動をすることができます。 東京都防災ホームページでは災害別に適切な行動を紹介してくれています。 また、随時正確な情報を得るためにラジオを用意しておきましょう。 ラジオは移動しながらでも情報を確認できます。 災害時のアプリとして、特務機関NERV防災や電波の繋がらない場合でも災害の情報を網羅しているみんなの防災アプリといった災害時に役立つスマホアプリを一つダウンロードしておくのも手です。

【5】災害時のコミュニケーション手段の確保

災害時に家族が全員揃っているという状況ではない場合があります。 例えば、平日は両親は仕事に出掛けていたり、子どもは学校にいたり、祖父母は自宅にいたりと災害発生時は家族がバラバラである可能性が高いです。 そんなときは、別々に避難しているためお互いの安否や居場所が分からなくなってしまいます。 さらに災害発生時は通信回線が混雑していたり、災害によりケーブルが破損しているなどの原因でインターネットや電話が繋がらない場合もあります。 そのような状況に備えて、家族間であらかじめ緊急時の合言葉やマークを考えておくと、瓦礫に書いたり、メモに書いたりしておくことで家族に安否を知らせることができます。 災害時に連絡を取り合える手段を、電話以外にも考えておきましょう。

もしものとき役立ったおすすめ防災グッズ5選

DCMホールディングス株式会社が実施した、「2018年自然災害被災者に聞いた、防災についてのアンケート」で災害時に実際に役立ったものがなんだったのか調査した結果、次の5つがあげられました。 ・モバイルバッテリー ・水 ・電池 ・ランタン ・保存食 出典:DCMホールディングス株式会社「2018年自然災害被災者に聞いた、防災についてのアンケート」より ちなみにこのアンケートは次の2つの条件に該当している方100名を対象に行われています。 1.2018年に発生した自然災害で、1日以上電気・ガス・水道が停止した 2.災害発生時に小学校3年生までの児童1人以上と同居していた

【1】モバイルバッテリー

モバイルバッテリーがダントツで、災害時に役立ったものとなっています。 スマートフォンが普及している現代では、情報収集、連絡、避難経路確認など全てがスマートフォンでできるようになりました。 そのため、スマートフォンが利用できないことが致命的になります。 充電ができるだけなくならないようにモバイルバッテリーを用意しておくと万が一の際に安心です。 災害時のモバイルバッテリーとして、おすすめなのが乾電池で充電できるモバイルバッテリーと、ソーラー式のモバイルバッテリーです。 充電式のモバイルバッテリーだと、停電した際にモバイルバッテリー自体を充電できないため、充電器として機能してくれません。 そのため、乾電池で充電できるモバイルバッテリーと、乾電池がなくても太陽が出ていれば充電できるモバイルバッテリーを時と場合に合わせて使い分けるのが理想です。 どちらか一つに絞るのであれば、乾電池式の充電器の方が乾電池さえあれば場所や時間にかかわらず充電ができます。

【2】水、保存食

水と保存食は人間が生きていく上で必要なものです。 前章で説明した通り、3日間は人命救助が最優先となり、救援物資は二の次になります。 そのため、自分たちが食べるものや使うものはある程度用意しておきましょう。 水は家族の人数分 x 3L x 3日間は保管しておくのが望ましいです。 また、保存食はなるべく火や水を利用しないものであると、物資の消耗を最小限にとどめて、食事を取ることが可能です。 保存食に関しては、持ち運びのしやすいものだったり、缶で外装がしっかりしているものなどを選ぶと良いでしょう。 そして、保存食としておすすめなのは普段食べ慣れているような食事にすることです。 災害時の食料があまり慣れ親しんでいないものだと、気分も落ち込んでしまいます。 しかし、反対に慣れ親しんだものや美味しいものだとホッとできます。 ちなみに3日間であれば問題ないですが、避難生活が長引くと、栄養のバランスも重要になります。 適度にタンパク質やビタミン、ミネラルを補えるような肉や魚の缶詰、野菜ジュースやビタミンのサプリなども備蓄しておくと良いでしょう。

【3】電池

電池は、モバイルバッテリーの利用やラジオ、懐中電灯などの利用の際に必要になってきます。 停電時には電気が通っていないため、電気代わりとなる電池や、電池式で動く電子機器が役に立ちます。 しかし、乾電池によってパワーが使用期間が違ってくるため、なるべく長持ちしてパワフルな物が望ましいです。 災害用に備蓄しておくのであれば、使用期限が10年のものや液漏れがしないものなども良いでしょう。 乾電池はあればあるだけ困りませんが、他の荷物との兼ね合いで、移動中も持ち運べるだけの量にしておきましょう。

【4】ランタン

ランタンと懐中電灯は若干特性が違います。 もし、屋内であかりが欲しい場合はランタン、移動中に携帯して持ちたい場合は懐中電灯 が向いています。 仮にどちらか一つだけ選ぶとしたら、総合的にランタンの方が便利だと言えます。 ランタンの方が、どんな時でもしっかりと効果を発揮しやすいです。
懐中電灯 特徴 ランタン
光を向けた方向のみ照らされる 照射範囲 全方向に光が届く
基本的には手で持つタイプが多い 持ち運び 置き型やぶら下げて使うタイプがある
移動時に使用する 使用方法 置いて使うことが多いが、移動時にも利用可能
乾電池を使う 電源 電池のほかにガスやオイルを使うものがある

【5】衛生用品

下着やティッシュ、歯ブラシ、生理用品、簡易トイレ、無水シャンプーなども、特に女性やお子さんがいる場合は重要です。 必ず必要というわけではありませんが、避難生活が長引けば長引くほど重要度が高くなってくるものです。 ないと不快感がつのり、衛生面だけでなく精神面でも悪影響が及ぼされる場合があります。 また、季節によっては寒さをしのげるカイロや毛布、保温シートも持っておくと良いでしょう。 災害時に役立ったものを、一つのリュックにまとめた非常時持ち出し袋もあります。 「どれを選んだら良いかわからない」という方はまずは非常用品が一つにまとまっている非常用持ち出し袋などを購入して、自分であったらいいなと思うものを持ち出せる分だけ買い足して備蓄しておきましょう。 非常袋はリュックタイプだと避難中も両手が開くので動きやすいです。

災害時こそ、食で安心と喜びを

災害時こそ、食事が大切です。 人間は水分と食料がないと生きていけません。 災害時はストレスが溜まりやすいです。 食事は栄養やエネルギー補給として欠かせないものです。 加えて、ストレスの軽減にも役立ちます。 災害時にこそ美味しいものを食べて、栄養だけでなくホッとする安心感を得ましょう。

美味しい保存食なら、格之進の「缶詰ハンバーグ」&「門崎熟成肉カレー」

「缶詰ハンバーグ」はプレミアムな保存食としても、変わり種の贈り物としてもおすすめです。 美味しさを追求して3年がかりで作られたハンバーグで、香味油と絶妙な焼き具合が魅力。 常温でもたべられますが、温めるとさらに美味しさを感じることができます。 味付けも岩手で栽培された「メダカ米」を使用した塩麹が使用されていて、ソースなしでも十分に風味を味わえるのも大きな特徴です。 常温保管が可能で、缶詰めタイプなのでコンパクト、さらにしっかり美味しいので非常食に適しています。 また、「門崎熟成肉カレー」は、お肉と野菜、スパイスのバランスがよく、甘みのある深いコクが特徴です。どれもバランスよく、辛さも控えなため、老若男女問わず美味しく食べられる味です。 究極の熟成(発酵)状態と言われる牛醤や、カレー用に厳選した門崎熟成肉(黒毛和牛)の挽肉を、内容量の30%も使用しています。 創業の地、岩手の食材にこだわり、化学調味料や香料などの添加物を使わず、和牛の熟成肉の味を突き詰めた、格之進オリジナルの商品。 スパイスのバランスもいいので、人を選ばず美味しく食べられる。お肉も細かくして入っているので、食べやすいのもポイント。 もちろんプレゼントにもぴったりですが、レトルトなので保存食やローリングストックにも適しています。 門崎では、この「缶詰ハンバーグ」と「門崎熟成肉カレー」どちらにも相性が良い、美味しい「門崎めだか米」も取り扱っております。 「門崎めだか米」は岩手県一関市川崎町門崎地区の、メダカが元気に泳ぐ水田で数量限定で生産された希少価値の高いお米です。 常温除湿乾燥システムによりじっくり時間をかけ、自然に近い形で乾燥させることで米本来のうまみを逃がさない製法を採用しています。 炊き立てはもちろん冷めても口当たりがよく、おにぎりなどにもおすすめです。 ギフトの巾着もシンプルかつかわいいデザインのため、老若男女問わず使うことができます。おにぎりを入れたり、お弁当をいれても良いでしょう。

まとめ: 災害時に備えて、しっかり準備をしておきましょう

自然災害自体は食い止めることはできませんが、起きた際の行動や、非常時に困らないように対策をしておくことは可能です。 家具の固定や非常食、水や電池の準備、連絡手段と避難経路の確認など備えられることはさまざまです。 備えあれば憂いなし。 何か災害が起きたときは、まず自分の身を守らなくてはなりません。 そのためにもしっかりと備えておきましょう。

東広島こい地鶏〜広島大学研究者の挑戦!!

今回のテーマは「東広島こい地鶏〜広島大学研究者の挑戦」。広島大学で鶏の育種を研究し、大学発ベンチャーを立ち上げ、東広島市と協力して新たな地鶏ブランドを育てているGallusJAPAN株式会社の代表・竹之内惇さんにプレゼンしていただきました。社名のGallusは研究者らしくニワトリの学名「Gallus gallus domesticus)が由来です。

[caption id="attachment_4823" align="aligncenter" width="786"] 高岡哲郎さんの挨拶[/caption] [caption id="attachment_4822" align="aligncenter" width="659"] 竹之内惇さんの挨拶[/caption] [caption id="attachment_4824" align="aligncenter" width="786"] 堀井良教さんの挨拶[/caption]

鶏の原種はアジアに生息する4つの野鶏による(多元説)との説が有力で(以前はセキショクヤケイのみを祖先とする「単元説」が有力でした)。日本の品種でも軍鶏はシャム(タイ)から、矮鶏(チャボ)はチャンパ(南ベトナム)が語源と言われているように東南アジアとの縁が深い家禽です。

日本で鶏が食用になったのは明治からで、それまでは、神の使い(刻を告げる)、愛玩(羽の色や形・長さ、鳴き声など)、闘鶏などのために飼育・改良されてきました。食用としては、明治からコーチン系が人気となっています。

竹之内さんが広島大学時代に開発した「広大鶏」は複数の「日本鶏」をベースにしたもので、「日本鶏」とは日本独特の鶏として認識されている品種群です。広島大学では都築教授が中心となって30品種ほどの日本鶏を維持してきました。竹之内さんは、いくつかの日本鶏の品種を組み合わせて、それぞれの品種がもつ特性、例えば食用としての特性(美味しい、硬くない、脂の融点が低い、肉色がいいなど)、家禽としての特性(性質が大人しく飼いやすい、性成熟が遅いので長く飼っても硬くならない・闘争しない)などの長所を引き出す育種をしてきました。これは、都道府県などが作成する地鶏の品種「二元交配、三元交配など)とは少し異なる「合成品種」という育種方法です(豚の「TOKYO X」と同じ手法)。

そうした中で、牛おじさんと肉おじさんが2年半前に広島大学の研究室を訪問した時には、3つの品種「朱:種子島インギーなどを利用」、「黒:インギーや横班プリマスロックなどを利用」、「金:烏骨鶏と土佐九斤などを利用」を作成していました(BBQで試食)。

今回、試食した「広大鶏」は上記の品種とは少し異なる品種構成かも知れませんが(知財登録した品種なので、詳細は控えて)、竹之内さんが好きなコーチン系の品種(土佐九斤やインギーなど)が主体のようです(九斤もコーチンが語源、インギーは難破したイギリス船から貰ったという逸話が語源ですが、この鶏は英国船が中国に立ち寄った際に船に乗せた中国のコーチンなので)。

そうして作成した「広大鶏」は出荷日齢45日程度のブロイラーの5倍もの飼育期間が必要で、美味しく特徴はあるものの、広く農家段階で生産して広めるためには採算性が低すぎる、ということで、新たな地鶏ブランドを作りたい東広島市の関係者と協議した結果(飼いやすく、均一の規格で商品にブレがないように)、「広大鶏」の雄にロードアイランドレッド(元は外国産ですが明治前から日本にいるので「日本在来鶏」とされてます)の雌を交配させた「東広島こい地鶏」を作成し、現在、農家へのひなの供給も進めているところです。地元でも出荷が始まり、地域に馴染む地鶏としての活躍が期待されます(広島は採卵鶏の廃鶏を食べる習慣があり地鶏文化が希薄でした)。

プレゼンの後に早速、試食となりました。最初にメニューにはない広大鶏の精巣とトサカをいただきました。特に精巣は、性成熟した鶏でないと得ることはできない部位で(性成熟には150日齢以上は必要なので、ブロイラーはもちろん、普通の地鶏でも難しい)貴重な体験。ソテーにしましたが、白子のような味わいと甘味でした。

以下、広大鶏と東広島こい地鶏の「食べ並べる」(肉肉学会では「食べ比べ」ではなく「食べ並べ」と表現します)メニューが続きます。品種の違い、飼育期間の違い、飼料の違いなどを思い浮かべながら味わい、参加者それぞれの思いも発表していただき、貴重な一夜を終えました。

竹之内さんの挑戦をうかがって、Galls JAPANの品種群の組み合わせで、飲食店や小売店とタイアップした「オーダーメード地鶏」が提供できる予感がしました。牛や豚と違って、ロットが小さく、飼育期間も(牛豚に比べ)短い地鶏は小回りが効きますからね。ぜひ、新たな地鶏誕生にも期待したいところです。

竹之内惇さんのプレゼン資料の一部

本日のメニュー

[caption id="attachment_4831" align="aligncenter" width="698"] 広大鶏の「精巣」と肉おじさん[/caption]

〇 広大鶏の精巣のソテーととさか

〇 こい地鶏のレバー・低温調理(65℃45分)と、こい地鶏砂肝・ネギ塩

〇 ハツソテー

〇 モモ肉食べ並べ・から揚げ
広大鶏/東広島こい地鶏

〇 ムネ肉食べ並べ・よだれ鶏(蒸し/60℃60分)
広大鶏/東広島こい地鶏

〇 東広島こい地鶏ムネ肉のソテー・スパイスレモンソース

〇 東広島こい地鶏モモ肉のチーズタッカルビ

〇 広大鶏モモ肉のコンフィ(82℃180分)

〇 広大鶏ムネ肉のつくねそば

参考文献

新春肉始め!純近江牛!安田良〜味わいを突き詰めた漢の生き様〜

安田良というブランドで肉の世界を追求

お正月は、和牛の直球勝負で行きましょう!ということで、今回のテーマは「近江牛」のなかでも但馬系にこだわり、自ら繁殖〜肥育の一貫生産を行い、精肉店・レストランも経営(安田良)する安田良治さんをお招きしました。

[caption id="attachment_4815" align="aligncenter" width="724"] 高岡慎一郎さんの挨拶[/caption] [caption id="attachment_4816" align="aligncenter" width="683"] 高岡哲郎さんの挨拶[/caption]

今回は、安田さんのお肉をずっと購買されている「人形町今半」さんから高岡慎一郎社長、高岡哲郎副社長がお揃いで登場!という記念すべき会合となり、高岡社長から、安田さんのお父様時代からのエピソードを伺うこともできました。

安田良さんのお話。「父が馬喰の一代目で、戦後、舞鶴から帰って馬喰の丁稚奉公を毛利(もり)志(し)満(ま)商事で始めた。その後、独立して1頭の牛から始めたのが牛飼いのはじめ。

自分は親父が嫌いでもあったが、尊敬もしていた。高校を出て肉屋で修行し、家に帰って親父の牛を扱ったら旨味が違うことがわかった。親父に弟子入りし、現在に至るが、親父の技術には追いついてないと思う。でも、この思いが自分の原点。

自分にとって和牛は、但馬が源流、この血統を活かすためにどうしたら良いか、いつも考えている。

滋賀の自分の牧場で繁殖〜肥育の一貫経営をしているほか、九州に預託している。もともと但馬が強かった地域に預託したが、生産者は枝肉重量が取れる気高系を生産したがる。

その気持ちも分かるし、自分にも迷いはあるが、但馬にこだわる「ど変態」なので、これでやっていきたい。

最近は、こういう話をすると、若い子がやってみたいというので、仲間作りをしていきたい。

産地は牛を大きくしないと儲からないのが実情。でも自分は、小さい牛は食べてうまいと思っているし、そこを追求したい。

長崎、島根を肥育してみると、但馬との違いは肌触りというか舌触り。但馬牛は絹を触った感じ。キメが細かくて小さいと美味さが後から出てくる。

そういう牛を作るためには、母親作りからしていくことが大事。雌牛の改良は、仲間を作って行う。但馬牛の活かし方は交配で決まる。自分は食べたら余韻が残る牛、腹一杯になっても食べたい、と言われる牛を作っていきたい。もちろん、利益は取りたいが、それだけでは職人になれない。

親父が求めた道が、いつも自分の頭にある。自分もやれるだけやって、「純安田牛」がひとり歩きできるか、今半さんで看板あげてもらえるようになるか、頑張りたい。」 とのことです。

[caption id="attachment_4817" align="aligncenter" width="786"] 「安田流」を語る安田良治さんと肉おじさん[/caption]

安田さんのお話にあったように今回の牛は、安田さんの直営牧場ではなく、宮崎、岐阜、長崎の預託牧場の牛です。このうち、しゃぶしゃぶのサーロインは、岐阜県生まれの子牛で、血統は「但馬系」、すき焼きのサーロインは宮崎県の生まれで、血統は「但馬系」、イチボ(グリル)とランプ(ローストビーフ)は、長崎県の生まれで血統は「気高系」となっています。安田さんとしては、長崎の預託牧場にも「但馬系」の牛を生産して欲しいけど、但馬系は枝肉重量が出ないので、農家の利益を考えると難しい点がある、ということです。

本日のメニュー

[caption id="attachment_4819" align="aligncenter" width="786"] いつもお世話になります、遠藤シェフ[/caption]

〇 ランプのローストビーフ

〇 イチボのグリル/37ヶ月齢

〇 ロースのしゃぶしゃぶ/37ヶ月齢

〇 ロースのすき焼き/38ヶ月齢

今回のお肉は3頭由来

〇 サーロイン=黒毛和牛 37ヶ月齢の雌牛、熟成期間61日間

〇 サーロイン=黒毛和牛 38ヶ月齢の雌牛、熟成期間、46日間

〇 ランイチ=黒毛和牛 37ヶ月齢の雌牛、熟成期間46日間

[caption id="attachment_4809" align="aligncenter" width="786"] ランプのローストビーフ[/caption] [caption id="attachment_4810" align="aligncenter" width="786"] 高岡哲郎・明子夫妻の「夫婦すき焼き」!なんという贅沢![/caption]

参考文献

行く肉来る肉肉肉学会忘肉年会〜あのお肉をもう一度〜

忘肉年会〜あのお肉をもう一度〜

「肉肉学会」は、コロナ禍を乗り越えて再開後、元のペースを戻しつつあり、今年は12回開催できました。これも、ゲストの生産者の皆さん、会員の皆さん、格之進のスタッフの皆さんのおかげです。感謝です!そこで感謝の思いを込めた忘年会として、参加表明の皆さんから「あのお肉をもう一度」とご希望をお寄せいただき、お肉をチョイスするという企画を立てました。

[caption id="attachment_4758" align="aligncenter" width="600"] 高岡さんと戸田シェフ[/caption] [caption id="attachment_4759" align="aligncenter" width="609"] 鳥山畜産の鳥山真さん[/caption] [caption id="attachment_4760" align="aligncenter" width="786"] 堀井さん、今年も牛そばありがとうございました。[/caption] [caption id="attachment_4761" align="aligncenter" width="600"] 脂兄弟![/caption]

開けてびっくり、さすがにお肉のリテラシーの高い会員の皆さんです。見事に黒毛和牛、短角牛、ジャージー牛にアグー豚と、バランスの良い選抜になりました。

また、今回は遠藤シェフに加え、会員でもある戸田シェフが、鏡山牧場の「八崎牛」と高田農場の「今帰仁アグー」を担当してくださいました。八崎牛は、低温調理してからグリルし、パタゴニアの塩とニンニク醤油で。また、今帰仁アグーのモモ肉は粗挽きの焼売と,低温調理したグリルに岩手県産リンゴのコンソメ煮を添えていただきました。

その上、なんとなんと!高岡さんご夫妻が、人形町今半でも見ることができない「夫婦すき焼き」を実演してくださり、人数分のすき焼きをひとつづつ作っていただけるという、超贅沢な体験をさせていただきました!

今日の学びは、原田理事長から選抜された高田農場さん、鏡山牧場さん、柿木畜産さん、磯沼ミルクファームさんの経営の概略をプレゼンし、高橋勇会員(太陽油脂)に、今年の学びの対象となった「見島牛」と「山古志闘牛肉」の脂肪酸組成、お肉の融点などについて説明していただきました。

生産者の中で参加されていた鳥山畜産の鳥山真社長は、(鳥山牧場は、繁殖雌牛に子牛を産ませ、その子牛を肥育する一貫生産体系ですが)外部の繁殖農家の子牛を買い取り鳥山牧場で肥育して(年間80頭ほど)、そのデータを子牛生産者にフィードバックする取り組みについて説明してくださいました。「子牛が高く売れれば良い」ということではなく、どういう肉になっているか生産者に知ってもらうことが目的です。また、逆に鳥山牧場で生産した子牛を他の農家で肥育してもらい、その牛を鳥山畜産が買い戻して輸出する、という取り組みもされてます。「世界のどこかで誰かが自分の肉を食べている」という意識を持ってもらいたいと。今回の「赤城和牛」も同じ群馬県の小堀牧場から購入した子牛を肥育したもので、A5と4の間くらいの程よいサシが入ったお肉に仕上がってます。「血統」ではなく「食の目線」から見ることができる生産者を育てたい、とのことでした。

[caption id="attachment_4765" align="aligncenter" width="786"] 遠藤シェフと戸田シェフ[/caption] [caption id="attachment_4764" align="aligncenter" width="722"] 今帰仁アグーの餃子を仕込む戸田シェフ[/caption]

本日のメニュー

〇 高田農場「今帰仁アグー」

・焼売 ・モモ肉の低温調理

〇 鏡山牧場「八崎牛」 サーロイン、ランプ、イチボ

〇 柿木畜産「短角牛」 肩ロースのミートパイ、ビーフシチュー

〇 磯沼牧場「88ビーフ」レバーステーキとホルモンソテー

〇 鳥山畜産「赤城和牛」

・ロース肉すき焼き ・ロース肉カブリの牛焼き [caption id="attachment_4767" align="aligncenter" width="786"] 赤城和牛のロース肉[/caption] [caption id="attachment_4766" align="aligncenter" width="600"] 高岡さんご夫妻が1人前ずつ丁寧に作られる夫婦すき焼き![/caption]

参考文献

土佐あかうしの歴史と独自規格TRBの目指す未来から学ぶ

独自の伝統と流通規格を持つ「土佐あかうし」

[caption id="attachment_4740" align="aligncenter" width="748"] 高岡さんの挨拶[/caption]

今回のテーマは「土佐あかうし」。あかうし=褐毛和種ですが、褐毛和種には熊本系と高知系の2系統があります。元は「朝鮮牛」の血統が強く、一時は黒毛和種のように外国種(シンメンタールやブラウンスイス)を改良用(体を大きくするため)に交配しましたが、農耕用に利用するための性質のおとなしさ、小回りの良さなどの美点が失われるため、熊本、高知それぞれで「褐毛和種」の改良と固定を進めた結果、高知系は朝鮮牛の血統が濃くなり、全体の毛色や「毛分け」と呼ばれる特徴的な黒毛部分があるなど(皮膚,角,鼻鏡,眼臉,舌,蹄,尾房,陰のう,肛門などが黒色の→なんか可愛い)、熊本系とは異なる系統となっています。なお、「毛分け」は韓国では嫌われたそうで、韓牛にもない、高知系褐毛和種独特のものになっています。

熊本系は、増体の良さなどから、北海道(池田牛、はこだて和牛)、秋田、宮城などでも飼育されてますが、高知系は高知県内のみで飼育され改良された牛です。また、血統証明する「登録」も高知系は、黒毛和種と同じ「全国和牛登録協会」が行い、他の褐毛和種は「日本あか牛登録協会」が行います。今年10月に鹿児島で開催された和牛オリンピック「全国和牛能力共進会」では、NHKニュースにいきなり高知県出品のあか牛が映りテレビジャックしたことがありましたが、黒毛和種の中でひときわ目立った可愛い牛ちゃんだからこその珍事でした。

さて、そんな「土佐あかうし」を紹介してくれるのは、土佐あかうしの「揺り籠から墓場まで」を担当された高知県の変態公務員、いえスーパー公務員の公文善一さんです。

[caption id="attachment_4739" align="aligncenter" width="786"] 土佐あかうしの伝道師・公文喜一さん[/caption]

土佐あかうしの生産振興からブランディングまで担当した公文さんから詳しいお話を巧みにプレゼンしていただきました。特に、公文さんが作られた土佐あかうし独特の「TRB」格付((T=土佐あかうし、R=らしい、B=Beef )は、A2〜3等級クラスが主体のあか牛の赤身肉としての良さを流通サイドに分かりやすい伝える手法として注目されます。個人的に「R」は「Rouge」と思っていたら「らしい」なんですね。公文さん「らしい」ネーミングですw。

また、土佐あかうし専門のお肉屋さん・三谷ミートさんの三谷新吾さんにも補足ししていただきました。

[caption id="attachment_4738" align="aligncenter" width="761"] 三谷新吾さん[/caption] [caption id="attachment_4741" align="aligncenter" width="786"] 牛そば・堀井さん[/caption]

現在、土佐あかうしは、雌牛1000頭、肥育牛1400頭、生産者100人、種雄牛20頭(県の畜産試験場で管理)という生産体制です。全国の和牛の中では、褐毛和種自体が和牛の1.3%、高知系はその1割で0.13%にすぎません。前述したように「閉鎖育種」で、兵庫県と同様、県内だけの遺伝資源で生産していますから「近交係数」の高まりが懸念されます。平成25年には1600頭にまで減ったものが令和3年には2400頭にまで回復したことは素晴らしい成果ですが、担い手農家の高齢化など、克服すべき課題も多いと思います。現在の出荷700頭/年は、土佐あかうしを求めるファンにとって、ぜひ増やしていただき、「希少な品種」でも手の届くお肉にして欲しいところです。

[caption id="attachment_4745" align="aligncenter" width="734"] 品種別の肉用牛頭数    (原田理事長提供)[/caption]

和牛品種の成立と自然条件を考察すると、高知系褐毛和種は四国カルスト、熊本系褐毛和種は阿蘇外輪山、無角和種は秋吉台と、水はけが良く自然草地が成立しやすい自然条件と、共同での草刈りや火入れなどの人間の干渉とのバランスが生んだ歴史ある品種です。こうした歴史から「草で育てる」品種として黒毛和種とは一線を画した改良と生産がされてきました。今後も草資源を利用した生産体制を維持して地球環境に優しい肉牛として振興していきたいものです。

今日のお肉はサーロインと前すねが29か月齢の雌、ランイチが29か月齢の去勢です。

本日のメニュー

〇 シャルキュトリ盛り合わせ

〇 土佐あかうし食べ並べ サーロイン・ランプ・イチボ

〇 葉物サラダ

〇 土佐あかうしハンバーグ(サーロイン・ランプ・イチボ・スネ肉のMIX)、土佐あかうしスジ肉のグラタン(いろいろな部位のスジ肉で)

〇 うしそば(スネ肉の煮込み蕎麦)

参考文献

全共新潟県代表・関さんの黒毛和牛と山古志闘牛100日熟成闘牛肉を食する

山古志村の関さんは全共新潟代表であり闘牛文化を支える一貫経営農家

[caption id="attachment_4714" align="aligncenter" width="786"] 高岡さんの挨拶[/caption]

第12回 全国和牛能力共進会鹿児島大会に新潟県を代表して出品された黒毛和牛一貫生産者の関克史さんは、山古志の伝統文化である「闘牛」の牛持ちであり「勢子」もされています。山古志の闘牛は我が国の闘牛で唯一「国指定重要無形民俗文化財」なのですが、肉牛農家を中心に自腹で維持している状況。闘牛は10〜15歳で更新されますが、去勢しない玉ちゃん付きだし硬いし、お肉としては二足三文。伝統維持のために少しでも利益を生みさせれば、と地元新潟の飲食業・イデアルの和田さんが100日間熟成で商品化、都内でも一軒のレストランで食べることができます(見島牛並みに不定期)。

今回の肉肉学会では、滅多に食べられない闘牛の熟成肉を食し、フードチェーンから排除されがちな闘牛肉を救う道を探るとともに、牛が生活と文化に根付いている山古志の生産者の営みを学びます。こうしたアプローチは「見島牛の学び」に近いのですが、いかんせん私も食べたことがない闘牛肉。なので、同じ山古志(というか新潟県でも)のNo.1生産者である関さんの黒毛和牛肉も味わうことで、バランスを取りたいw、と思います。この黒毛和牛が関さんが全共に出品された「怪物君」なのです。5年に一度の牛のオリンピック「第12回全国和牛能力共進会」の第8区(肉牛部門)」出品の「怪物君」と、年に数頭しか出荷されない山古志の「闘牛」のお肉を食べ並べた貴重な機会となりました。

[caption id="attachment_4713" align="aligncenter" width="786"] 関さんを囲んで(後ろは山古志闘牛の面綱[/caption] [caption id="attachment_4715" align="aligncenter" width="443"] 和田亮さん[/caption]

最初に関克史さんのプレゼン。父の後を継いで一本立ちするまでの経緯と2004年に被災した中越地震の影響、完全一貫経営の良さと難しさ、伝統文化である闘牛を守る意気込みなど真摯に語ってくださいました。 そうした中越地震をめぐる貴重なエピソードをビデオとともに披露してくださったのが、テレビ東京時代に「田舎に泊まろう」をプロデュースされた大島信彦さん。2005年1月16日に放映された田中健二郎さんの山古志訪問レポートで、なんと!若き頃の関さんが奥さんと生まれたばかりの長女と登場!番組公式HPでは「続いて訪問したのは、前回の旅で闘牛を見せてくれた牛舎の親子だった。あいにくお父さんは仕事のため不在だったが、息子さんに会う事が出来た。地震で牛舎は倒壊し、飼っていた闘牛も死んでしまったという。それでも、再び山古志村で闘牛が見られるようにお父さんと共に頑張っていくという息子さん。決意を聞いて、田中は勇気を感じた」と紹介されてます。

[caption id="attachment_4716" align="aligncenter" width="786"] 関さんとの思い出を語る大島さん[/caption]

大島信彦さん、心温まるお話、ありがとうございました。

[caption id="attachment_4717" align="aligncenter" width="786"] ご家族が笑顔で写る、関さんのプレゼンの表紙。[/caption]

続いて、今回の闘牛肉を熟成していただいた和田亮氏(イデアル代表)のお話し。

和田さんは、新潟市を中心に新潟の食文化の活性に事業に向き合っているイデアルの社長として、新潟県長岡市にある山古志闘牛文化を知ってもらうきっかけに何なるように現役を終えた闘牛の牛肉が生かされていないことに着目し、闘牛の牛肉を独自の熟成技術で可食可能な状態に整え商品化に挑戦をしています。精肉のほか、パストラミ、水餃子などの加工品も手がけています

この日のお肉は本当に特別です。まず10月初旬に鹿児島県で開催された、和牛のオリンピック「第12回全国和牛能力共進会」に新潟県代表で出品された「怪物君」。全共に出品されたお肉は競り落としたお肉屋さんの「看板商品」となりますが、肉おじさんがその一部を購入(清水の無事から飛び降りて捻挫したとの噂ですw)、参加者に供されました。私も全共出品牛を食べるなんて、滅多にない機会です。

[caption id="attachment_4719" align="aligncenter" width="786"] 関牧場を訪問したときの肉おじさんと「怪物君」[/caption]

怪物君は、23か月齢(普通の去勢は平均28か月齢)という若齢ながら、生体重786kg、枝肉542.6、ロース芯97、バラ厚8.8、皮下脂肪1.9、歩留79.4、BMS12、A5、MUFA51.8、枝肉単価4160円/kg(神戸ビーフより高い!)という素晴らしい成績です。

並べた「闘牛肉」は2頭。「南部牛王」(16歳 黒毛×褐毛の交雑種)と「魚沼号」(12歳 和牛間交雑種)です。闘う姿も頼もしいですね。どちらも岩手県生まれ。岩手県は「塩の道」で運搬に利用した日本短角種の産地で、塩の道を通って山古志にたどり着いた牛をそのまま売って帰る(帰りは空荷になる)ことがあり、山古志の闘牛(岩手県の旧山形村も闘牛の里)の種まきをしてくれたのですね。「個体識別データ」のルール上、「黒毛×褐毛」交雑種はそのまま表記し、褐毛以外の牛との交雑(黒毛×短角種)などは「和牛間交雑種」と表記されます(どちらも食品表示のルールでは「和牛」と表示されます)。

なお、後日、あぶら兄弟(高橋勇会員)が当牛肉の脂肪酸組成を分析してくれたところ、オレイン酸が45、54という高い数値が出て驚きました。融点も低いですね。個体差が大きいのでこのデータのみではなんとも言えませんが、興味深い数値です。

今回の肉肉学会は帰米直前の外村仁さんが参戦されたので、フードテック関連の参加者も多数、ご紹介くださりました。そしてなんと!スペシャルなお土産として

・鈴廣かまぼこの「フィッシュプロテインバー」を全員お土産にいただきました。
・あの木村屋さんと日清食品がコラボした「完全めしあんぱん」をじゃんけんぽんで。

ステキなお土産ありがとうございました♪

[caption id="attachment_4721" align="aligncenter" width="701"] 外村仁さんと肉おじさん[/caption] [caption id="attachment_4722" align="aligncenter" width="565"] 鈴廣かまぼこさんが提供してくれたフィッシュプロテインバー[/caption]

本日のメニュー

〇 サーロインの低温調理(南部牛王&魚沼号)

〇 黒毛和牛ランプとイチボの塊焼き

〇 サーロインステーキ(南部牛王&魚沼号)、ハンバーグ(南部牛王&魚沼号MIX)

〇 黒毛和牛サーロインステーキ

〇 うしそば(南部牛王&魚沼号MIX)

[caption id="attachment_4723" align="aligncenter" width="786"] 本日の闘牛肉のデータ。魚沼号は黒毛と短角の交雑だが「和牛間交雑と標記される[/caption] [caption id="attachment_4725" align="aligncenter" width="786"] 本日のサーロイン並べ[/caption] [caption id="attachment_4726" align="aligncenter" width="786"] 「怪物君」の格付成績。23ヶ月齢でここまで仕上げる技術に驚きます。[/caption]

参考文献

獣医師であり種豚メーカー桑原さんの豚愛

世界の豚を知り日本の豚を創る男

[caption id="attachment_4695" align="aligncenter" width="786"] 高岡さんの挨拶[/caption]

今回のテーマは、豚というより人=桑原康さん。永らく、我が国有数の民間種豚場「富士農場サービス」を経営し、品種の維持・改良、養豚場への種豚、豚の人工授精用精液を供給されてきました。獣医師でもあり、豚に関する該博な知識から「豚博士」と呼ばれてます。

[caption id="attachment_4697" align="aligncenter" width="758"] 富士農場サービス・桑原社長[/caption] [caption id="attachment_4696" align="aligncenter" width="786"] 堀井さん[/caption]

桑原さんが生まれ育った静岡県富士宮市は、日本でも有数の養豚地帯だった歴史があり、桑原さんも幼少の頃から「豚と一緒に」育った、というほどの豚好き少年でした。今まで百数十カ国を豚の旅で廻ったというなかで、たどり着いたのは「日本人の味覚にあった豚肉創り」。加工品指向の高い世界の養豚・豚の改良の潮流は、加工適性の高い赤身肉(脂肪の少ないリーンミート)。品種的には、LWDの三元豚(L=ランドレース、W=大ヨークシャー、D=デュロック)が我が国を含めて世界の主流の組み合わせですが、桑原さんは、日本人が好む柔らかさ、甘み、弾力性、濃厚な旨味などを引き出すための品種の組み合わせ(雑種強勢)を目指しています。我が国で最多の品種を飼育し、自ら豚肉生産を行うとともに、他の養豚農家に優秀な種豚(肥育して肉豚となる子豚を産ませる雄豚と雌豚)、人工授精用精液(牛と異なり凍結できないのでチルドで宅配する)を提供しているのです。

そうした桑原さんの種豚事業を襲ったのが2019年に発生した「豚熱」です。桑原さんの飼育豚に感染した訳ではありません。東海地方から全国に拡大する過程で、豚熱感染地域の種豚を非感染地域へ流通させることができなくなったため、感染地域である富士宮市に種豚生産の拠点を有する桑原さんは、大きな影響を受けました。このため、非感染地域での種豚生産をめざし、岩手県→北海道へと第二種豚場を開設します。桑原さんは、本場を「男子校」、恵庭農場を「女子校」として使い分けながら種豚の選抜・改良を進める体制を築きました。

桑原さん曰く、「豚の味は遺伝で50%、飼料と環境が25%ずつで決まる」と言います。しかし、日本人が求める味は、海外の豚肉ニーズとは異なるため、海外の種豚メーカーが保有する遺伝資源では見つけることができなくなっています。

[caption id="attachment_4698" align="aligncenter" width="786"] 桑原さんのプレゼン表紙は、日本列島が豚ちゃんになっている![/caption]

今日、提供される桑原さんの豚肉は、桃豚(中ヨークシャーの純粋種)とセレ豚(せれぶー)/民豚(満州豚)とデュロックの交雑種)です。中ヨークシャー(y)は戦後まもなくまで日本の豚のほとんどを占めていましたが、体格が小さく肥育効率が悪いため、三元豚に置き換わって激減し、現在では一部の地域の銘柄豚としてブランド化されていますが、「種豚」を供給できる種豚業者は限られています。またセレ豚の元になる「民豚」は中国東北部が原産地の在来豚で、肉質が良いことで知られていますが、生産性は劣る豚です。桑原さんは民豚を他の品種と掛け合わせ二元豚を創り、味の良さと生産性のバランスを図っています。今日のセレ豚は民豚とデュロックの交雑種です。

朴訥としたなかでユーモアのある桑原さんのお話に魅了されたプレゼンでした。

[caption id="attachment_4699" align="aligncenter" width="786"] 富士農場サービスで生産している豚[/caption]

本日のメニュー
(満州豚の交雑種(セレブー)と中ヨークシャーの食べ並べ)

[caption id="attachment_4704" align="aligncenter" width="786"] セレブー ロース[/caption] [caption id="attachment_4703" align="aligncenter" width="786"] 中ヨークシャー ロース[/caption]

〇 パテドカンパーニュ(ウデ)

〇 ボイルハム(モモ)

〇 ソーセージ(ウデ&ウチモモ)

〇 ロースト(肩ロース)

〇 角煮(バラ)

〇 カツレツとグリル(ロース)

参考文献

天然記念物 見島牛、見蘭牛、黒毛和牛の食べ並べ

見島牛と見蘭牛

今回のテーマは「見島牛」です。「第31回肉肉学会(2019年6月26日)でも取り上げたことがありますが、今回は、見島牛、見蘭牛(ホルスタイン×見島牛)、黒毛和牛(岩手県産)を食べ並べました。

[caption id="attachment_4677" align="aligncenter" width="740"] 高岡さんの挨拶[/caption] [caption id="attachment_4676" align="aligncenter" width="746"] みどりや・藤井治雄専務[/caption]

見島牛は、朝鮮半島渡来の牛で、他の地域の牛たちが外国種との交配により「改良」されていく中で、トカラ列島の「口之島牛」と見島牛だけが、外国種の血が(遺伝子が)入っていない「在来種」という、我が国の古来の牛の姿を残す貴重な品種です。このため、見島牛は、昭和3年に天然記念物に指定され、食用に供さない役牛としてのみ使われてきました(口之島牛は、「野良牛」として野生化おり、人間の暮らしとの接点がありません)。ただ、天然記念物の指定は「見島ウシ産地」として土地とバインドしているため、見島から出る牛(種牛用に見島に残す以外の雄=去勢牛、廃用牛)は食べることができます。萩市内の食肉店「みどりや」さんは、永く、この島外に出た見島牛を肥育・販売することで、見島牛の維持を経済的に支えてきました。

見島牛は「肉牛」としては、大変非効率で、経済的にペイするものではありませんし、去勢で年間10頭程度の出荷に過ぎない、超希少種です。このため、みどりやさんは、近隣の酪農家と連携して、乳牛のホルスタインに見島牛を交配した「見蘭牛」を肥育することで見島牛のサシ&肉質を生かした牛肉を生産しています。

見島牛は、和牛の原点なのに、「和牛」と定義される4品種(黒毛和種、褐毛和種、日本短角種、無角和種)ではないため、販売時に「和牛」と表示することができません。このため、外国種と同様「肉専用種」と表示するしかないのです。このような矛盾を抱えながらも、この素晴らしい血統を維持し、更に活用するにはどうしたら良いか、参加者と議論し、3種の牛肉の特徴を味わい、とても素晴らしい肉肉学会でした。

[caption id="attachment_4678" align="aligncenter" width="786"] 脂のことなら「あぶら兄弟」[/caption]

また、この日は、「あぶら兄弟」こと高橋勇さんが、見島牛と他の品種との脂肪酸組成を比較したデータを説明してくださいました。見島牛のオレイン酸含有量の高さ、融点の低さが際立っていることが分かります。

[caption id="attachment_4679" align="aligncenter" width="786"] 見島牛と他の品種との脂肪酸組成比較(高橋勇会員提供)[/caption]

原田理事長のプレゼンの一部

本日のメニュー

[caption id="attachment_4685" align="aligncenter" width="786"] 見島牛(上)見蘭牛のサーロイン[/caption] [caption id="attachment_4686" align="aligncenter" width="786"] 岩手産黒毛和牛、見島牛、見蘭牛のサーロイン[/caption]

〇 カイノミステーキ(見島牛)

〇 シャルキュトリ盛り合わせ

〇 サラダ

〇 ランプのローストビーフ(見島牛)

〇 サーロインステーキ食べ並べ(見島牛、見蘭牛、黒毛和牛)

〇 堀井格之進 丑蕎麦

参考文献

「牛肉好き」トリオとみなさんで回顧録

肉肉学会第50回SPイベント

今回は50回記念スペシャルということで、今までに取り上げたお肉の中から、思い出深いものを牛、豚、鶏でチョイスしました。

[caption id="attachment_4659" align="aligncenter" width="589"] 堀井さんの挨拶[/caption] [caption id="attachment_4660" align="aligncenter" width="726"] 本日の生産者代表は鳥山さん[/caption]

第1回肉肉学会が開催されたのは2015年6月29日。ちゃんと、肉の日(29日)だったのですね。以来、7年にわたって積み重ねてきました。美味しさだけを求めるのではなく、生産者さんの思いを感じつつ、持続可能な生産方法や、貴重な品種、資源の活用などにも心を配り、毎回、テーマを掲げてきました。

毎回、生産者さんたちに来ていただいて、学んだあとに実食するというスタイルを貫いてきましたが、生産者さんたちに旅費や謝金はお支払いしていないので、皆さん、肉肉学会の趣旨を理解していただき協力してくださっています。改めて、感謝申し上げます。

また、お忙しいなか、毎回、楽しみに参加してくださるお客様にも感謝です。肉肉学会の参加者の皆さんほど、肉リテラシーの高い方はいない、と思うほど、皆さんの「肉感覚」と「肉知識は」高まっていますよね。

そんな生産者の皆さんと、参加者の皆さんに肉肉学会50回を一緒にお祝いしていただきたいということで、今回はメニューに示すようなスペシャルなお肉を用意しました。
(肉肉学会50回の歴史は巻末にまとめてあります)

[caption id="attachment_4661" align="aligncenter" width="717"] 毎回、感謝!遠藤シェフ[/caption] [caption id="attachment_4663" align="aligncenter" width="786"] 牛おじさん、肉おじさん、すき焼きおじさん    榮野川さくら子さんからいただいた記念Tシャツで[/caption] [caption id="attachment_4662" align="aligncenter" width="786"] 常連さんの一人、榮野川さくら子さん。 記念Tシャツ、ありがとうございました。[/caption] [caption id="attachment_4666" align="aligncenter" width="786"] 柿木畜産短角サーロイン[/caption] [caption id="attachment_4665" align="aligncenter" width="786"] アビタニア ジャージー サーロイン[/caption] [caption id="attachment_4664" align="aligncenter" width="786"] 前田牧場 ホル去勢 サーロイン[/caption]

本日のメニュー

〇 生ハム:ハモンイベリコベジョータ(4年熟成)

〇 ローストビーフ

・ランプ 赤城和牛(黒毛去勢29ヶ月齢) 鳥山畜産

・イチボ アン黒(去勢27ヶ月齢) 山之口畜産

〇 シャルキュトリー

・パテドカンパーニュ 今帰仁アグー 高田農場
・モモボイルハム 梅山豚 塚原牧場
・パロティーヌ 秋田高原比内地鶏 秋田高原フード

〇 ローストポークステーキ 三角バラ 白金豚 高橋精麦

〇 サーロインしゃぶ焼き オリーブ牛(但馬牛雌35ヶ月齢) 一(いち)牛(ご)

〇 サーロインステーキ 短角牛(雌 24ヶ月齢) 柿木畜産

〇 サーロインステーキ ジャージー牛アビタニアジャージー牧場

〇 サーロインステーキ ホル(去勢19ヶ月齢) 前田牧場

〇 シャモ出汁冷蕎麦 東京しゃも(東京しゃも生産組合)、更級堀井

参考文献

肉肉学会の軌跡

20150629 第1回肉肉学会ホルスタイン熟成肉と日本短角種熟成肉 20150712 第2回肉肉学会Q Beefと近畿中国四国農業研究センターの黒毛和牛の熟成肉 20150801 第3回肉肉学会『Qbeefの熟成肉』『熟成肉A短角牛(骨無し枯らし熟成)』『熟成肉B短角牛(Wet Aging)』『門崎熟成肉(黒毛和牛枯らし熟成)』 『ホルスタインの長期熟成』国産牛(骨付きロース熟成)をローストビーフで食べ比べ https://fb.me/e/1Ita0z7l3 20150927 第4回肉肉学会『牛肉を定量的に(数種類の味覚分析)評価されたものと味覚感応試験の検証について』 https://fb.me/e/2PxO5nax7 20160118 第5回肉肉学会『白金豚の高橋誠さん』と『梅山豚の塚原昇さん』の二大巨匠の次元的に思想の違う取り組みをしている生産者を招いて養豚の歴史と生産者体制の変革に伴う肉質の変革 https://fb.me/e/e5gzx8Nl3 20160326 第6回肉肉学会『フランスのバザス牛とボースラメールに学ぶ会』 https://fb.me/e/50PrOGzmY 20160529 第7回肉肉学会『シャルキュトリーについて』 https://fb.me/e/2JYggxXPY 20161127 第8回肉肉学会【しまね和草牛旨赤ビーフ】 https://fb.me/e/3lCVrHfsS 20170201 第9回肉肉学会【今帰仁アグー】 https://fb.me/e/4QVE47VOG 20170308 第10回肉肉学会『熟成肉とチーズとワインの相関関係の探求』 https://fb.me/e/2FyuRkO8s 20170420 第11回肉肉学会『放牧黒毛和牛の食味の探求…佐賀県鹿島市の挑戦』 https://fb.me/e/py7b00LuS 20170531 第12回肉肉学会『ジャージー牛未経産牛肉の食味の意見交換』磯沼牧場 https://fb.me/e/27MRL4gvp 20171021 【昼部】第13回肉肉学会研究会 山羊肉とジャージー子牛を食べ学ぶ会 https://fb.me/e/1L3MUaLCJ 20171021 【夜部】第13回肉肉学会研究会 山羊肉とジャージー子牛を食べ学ぶ会 https://fb.me/e/1GicHTUdt 20171123 第14回肉肉学会研究会 ジャージー牛去勢を和牛の飼料で育てた28ヶ月齢とジャージー牛去勢を牧草肥育で育てた64ヶ月齢の食べ比べ。 ジャージー牛生みの親(繁殖者)=新利根川共同農学塾農場代表理事上野裕さま ジャージー牛育ての親(肥育者)=小林牧場 代表小林将男さま https://fb.me/e/1BClfz8zK 20180127 第15回肉肉学会研究会『但馬牛繁殖家田中畜産の取組に学ぶ会and復習 和牛の飼料で育てた28ヶ月齢ジャージー牛去勢を118日熟成を味わう会』 https://fb.me/e/2I8xj1MAY 20180224 第16回肉肉学会研究会「沖縄県石垣島やえやまファーム『南ぬ豚(ぱいぬぶた)』【続編】うしそば研究 堀井格之進 and(仮)和牛飼料飼養28ヶ月齢ジャージー牛去勢145日熟成を味わう会 https://fb.me/e/1EcdYWIJy 20180321 第17回肉肉学会研究会『アビタニア牧場ジャージー子牛有難豚USHISOBA研究会』 https://fb.me/e/3wHvWasf1 20180528 第18回肉肉学会研究会 参加者全員ホストイット官能評価アンケート方式に参加・熟成肉食べ並べ「黒毛和牛&交雑種&ホルスタイン」USHISOBA研究会 https://fb.me/e/1wUgs2IXE 20180612 第19回肉肉学会研究会『秋田高原比内地鶏』秋田高原フード大塚さん『黒毛和牛×ジャージー』ルミノ中山さん『USHISOBA』堀井格之進 https://fb.me/e/2FMuP4kxg 20180723 第20回肉肉学会研究会『純和鶏』『亜麻仁脂肪酸カルシュウム(オメガ3)を食べて育った牛』に学び『USHISOBA研究会』を追求する https://fb.me/e/2MAtvITU0 20180831 第21回肉肉学会研究会 『ブラウンスイス 牛蕎麦』『コスモスファーム』14ヶ月齢に学ぶ『大笹牧場』24ヶ月齢に学ぶ『USHISOBA研究会』 https://fb.me/e/3nBBa5Jze 20180922 第22回肉肉学会研究会 『山之口畜産アン黒』『ダイワファーム ブランスイスチーズ 』『堀井格之進牛蕎麦』 https://fb.me/e/ftoQ23MjP 20181031 第23回肉肉学会研究会 『TOKYO X & 北海道タンポポ牧場の放牧ジャージー牛』 https://fb.me/e/1YFf08rdN 20181128 第24回肉肉学会研究会 『十勝若牛 ホルスタイン&ブラウンスイス 牛蕎麦』 https://fb.me/e/2Keu32itM 20181226 第25回肉肉学会研究会 『忘肉会SP=酒池肉林〜肉越蕎麦もあるよ〜』 https://fb.me/e/3vP2aElU8 20190126 【昼部】第26回肉肉学会研究会『尾崎牛…生産者ブランドとして世界ブランディグを確立した哲学者尾崎宗春氏に学ぶ』 https://fb.me/e/25H5zXmTA 20190126 【夜部】第26回肉肉学会研究会『尾崎牛…生産者ブランドとして世界ブランディグを確立した哲学者尾崎宗春氏に学ぶ』 https://fb.me/e/5v5skjtMG 20190209 第27回肉肉学会研究会 『福島牛の現在と未来』 https://fb.me/e/1KKwQw7Kw 20190321 第28回肉肉学会研究会 『赤城牛鳥山畜産の哲学に学ぶ』 https://fb.me/e/2lnMqAYgV 20190423 第29回肉肉学会研究会『お肉のイノベーション冷凍燻製技術の秘密を公開』 https://fb.me/e/1UazUCC80 20190530 第30回肉肉学会研究会 『オリーブ牛誕生秘話生産・流通・消費を支える人々〜脂肪の質から見える新たな旨味〜』 https://fb.me/e/2JEhMHARu 20190626 第31回肉肉学会研究会『天然記念物見島牛を食す〜生産流通を支えている見蘭牧場の志に学ぶ〜』 https://fb.me/e/2ScQiieM7 20190724 第32回肉肉学会研究会『山形村短角牛を支える柿木畜産の志に学ぶ〜闘牛文化の取り組みを交えて〜』 https://fb.me/e/3AOC08YHn 20190827 第33回肉肉学会研究会『東京しゃも&Omeチーズ アーティストとサイエンティストの饗宴』 https://fb.me/e/2HKW1Objq 20190928 第34回肉肉学会研究会『北海道十勝しんむら牧場の放牧豚「山森野豚」』 https://fb.me/e/26EJIkHH5 20191031 第35回肉肉学会研究会『土佐・本川「献上 手箱きじ」』 https://fb.me/e/2doj9uRCn 20191129 第36回肉肉学会研究会『新しい生産方式への挑戦!!黒毛和牛経産放牧「鏡山牧場」〜土作りのノウハウを応用した牧草作りで美味しい赤身肉〜』 https://fb.me/e/obYlmawr0 20191227 第37回肉肉学会忘肉年会『肉肉学会SP肉料理!!!』 https://fb.me/e/YFeU6tRT 20191227 第3回肉肉学会カンファレンス「お肉の未来」 https://fb.me/e/3q1OZzPDw 20200130 第38回肉肉学会研究会『全日本・食学会Beans47生産者大賞受賞 今帰仁アグーに学ぶ』 https://fb.me/e/1Rp2RDB19 20200327 第39回肉肉学会研究会「すき焼き鍋から肉食文化の未来を探る」 https://fb.me/e/1AIzgZQuj 20200426 第40回肉肉学会オンライン研究会「さの萬?前田牧場=ドライエージングの取り組み」 https://fb.me/e/faCJCRxJb 20200530 第41回肉肉学会オンライン研究会『幸せな牛肉 日本型グラスフェットビーフへの挑戦』 https://fb.me/e/4OOgrWuxR 20210211 第42回肉肉学会『田中一馬氏16歳但馬牛すき焼きから学ぶ』 https://fb.me/e/ZyqUXHxG 20211221 第43回肉肉学会忘肉年会『肉肉学会SP肉料理』 https://fb.me/e/1qrmhcvRW 20220128 第44回肉肉学会『新春肉祝 世界初!純血但馬オリーブ牛』山種畜産と一牛神の愛の結晶 https://fb.me/e/1znWeCajn 20220329 第45回肉肉学会『春の肉祭り 磯沼牧場ガンジー牛に学ぶ会』〜ガンジーに込めた想い〜 https://fb.me/e/1AorhGOhx 20220513 第46回肉肉学会『安曇野放牧豚に込めた想い』 https://fb.me/e/2qQNc4nS5 20220614 第47回肉肉学会『シャロレー牛にかける北十勝ファームの情熱』 https://fb.me/e/1pmcMpvDP 20220704 第48回肉肉学会研究会『スペインの2大変態イベリコ豚生ハム生産者奇跡のコラボ〜人生を賭けた日西オーガニック生ハム友情物語〜』 https://fb.me/e/1UqDIvRF0 20220721 第49回肉肉学会研究会『明治29年創業近江牛の老舗大吉商店の研究〜40ヶ月齢と29ヶ月齢の食べ並べ〜』 https://fb.me/e/2GZjRWu96 20220809 第50回肉肉学会研究会『「牛肉好き」トリオとみなさんで回顧録』〜『牛』おじさんと『肉』おじさんと『好き』焼おじさんとのテーマ食材大集合〜 https://fb.me/e/1ZmO2h9al

明治29年創業近江牛の老舗大吉商店の研究

近江牛・大吉商店について

今回のゲストは滋賀県高島市・大吉商店代表の永谷武久さんです。

[caption id="attachment_4636" align="aligncenter" width="786"] 高岡さんの挨拶[/caption] [caption id="attachment_4638" align="aligncenter" width="786"] プレゼンする永谷さん[/caption]

大吉商店は永谷武久さんの曾祖父の永谷大吉さんが明治29年創業した精肉店です。なんと126年も続く老舗です。3代目であった武久さんの父上が早世したことから、23歳の若さで4代目となり、以来、近江牛の老舗として近江牛ブランドを背負って来られました。

1代目・2代目は近江牛の生産も行ってきましたが、3代目で一度は生産部門から撤退されたとのこと。しかし4代続いた事業を軌道に乗せるためには6次産業化が欠かせないと考え、また「但馬牛への憧れ」を捨てがたく、武久さんは平成15年に近江牛の生産(肥育)部門を復活させ「大吉牧場」を創設しました。

[caption id="attachment_4637" align="aligncenter" width="600"] 全日本・食学会の村田理事長の挨拶[/caption]

現在800頭の近江牛を肥育し精肉として販売するほか、多くの加工品を製造しています。また、7カ国に輸出もしています。

大吉牧場では、主に宮崎県産の雌子牛を導入し30ヶ月齢程度で出荷してきましたが、後述するように兵庫県但馬産子牛の長期肥育と宮崎県産子牛の普通肥育という肥育スタイルになりつつあります。

今日は40ヵ月齢の兵庫県養父産の但馬牛の雌牛と27か月齢の宮崎県小林市産の雌牛の食べ並べです。なお、開催タイトルでは「29か月齢としましたが、永谷さんの厳しい眼力で選ばれたのは27か月齢の牛となりました。

今回の牛肉は血統の違い(但馬牛は純粋但馬系(父は丸谷土井、小林産は、気高系も入った牛で、父は耕富士)、月齢の違い(40か月齢、27か月齢)を味わっていただきます。なお、大吉商店さんは、但馬牛の40か月齢出荷牛、宮崎産子牛の33か月齢以上出荷牛、その他の30か月齢出荷牛と3グループのブランディングをしています。

[caption id="attachment_4640" align="aligncenter" width="786"] 上図:一般的な黒毛和牛の系統交配の組み合わせ[/caption]

全国的には雌牛の40か月齢でのと畜は、雌牛全体の0.2%程度に過ぎません。但馬牛は「少ない飼料を永く食べる」と言われ、長期肥育に適した系統といえます。また、永谷さんの飼い方の特徴として、昔ながらの「炊き餌(米や麦などを炊いた飼料で、手間はかかるが消化によく肉質も向上する)を乳酸菌発酵させた飼料を給与していることです。

但馬牛は兵庫県独自の閉鎖育種により、全国の生産者に但馬牛を、また種雄牛作りの素材として田尻系雄牛を提供していますが、閉鎖育種に伴う血縁係数の高まりという問題も抱えています。また、枝肉の売上価格を確保するため、気高系など肉量重視の牛づくりが進む中で、肉質・脂の質の良さがピカイチな但馬系は、和牛の中の和牛ともいえます。

一般の生産者は、田尻系、藤吉系、気高系を組み合わせた交配により肉量が多く肉質の良い講師生産を目標としています。こうした中で40ヵ月齢の但馬牛も雌牛生産を目指す永谷さんのチャレンジ精神に学びたいと思います。

また、肥育用の雌牛は、去勢と比べると発育速度が遅く、枝肉重量が小さい傾向にあります。と畜月齢のピークは29ヶ月齢ですが、去勢と異なり40ヶ月齢くらいまで漸減していく傾向にあります。とはいえ、40ヶ月齢まで引っ張るのは「特産松阪牛」など限定されたブランドに限られてます。

また、永谷さんは大吉牛の脂肪融点を計測していますが、驚くような低い値が出ています。

本日のメニュー

[caption id="attachment_4642" align="aligncenter" width="710"] 40ヶ月齢ランプ[/caption] [caption id="attachment_4643" align="aligncenter" width="786"] サーロイン[/caption]

〇 牛スジ煮

〇 サラダ

〇 シャルキュトリ盛り合わせ

〇 40ヶ月齢と27ヶ月齢食べ並べ ランプ塊焼き

[caption id="attachment_4651" align="aligncenter" width="786"] 27ヶ月齢[/caption] [caption id="attachment_4649" align="aligncenter" width="786"] 40ヶ月齢[/caption]

〇 40ヶ月齢と27ヶ月齢食べ並べ イチボ ローストビーフ

〇 40ヶ月齢と27ヶ月齢食べ並べ サーロインステーキ

[caption id="attachment_4648" align="aligncenter" width="786"] 27ヶ月齢[/caption] [caption id="attachment_4647" align="aligncenter" width="786"] 40ヶ月齢[/caption]

〇 ガーリックライス

参考文献

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