熟成肉の格之進

2023年3月16日 第58回肉肉学会の概要

ふくどめ小牧場&ダイワファーム

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今回の肉肉学会は鹿児島県鹿屋市のふくどめ小牧場さんの「サドルバック」と宮崎県小林市のダイワファームさんの「ナチュラルチーズ」の学びです。この南九州コンビをテーマとしたのは、原田理事長が校長を務める「宮崎こばやし熱中小学校」の「肉研究会」で「ホエー豚の生ハム」作りを福留洋一さんに指導していただいたご縁からです。

福留洋一さん(中央)、十勝ロイヤルマンガリッツアの牛膓さん(左)、リキフーズの榮野川さくら子さん


大窪和利さんの挨拶

宮崎こばやし熱中小学校での生ハム作りは「国産生ハムフェスティバル@軽井沢」で生徒有志が生ハムを学んで以来、毎年11月に4回の仕込みを行っています。その度に鹿屋市から福留さんが来てくださり、小林産ホエー豚(ダイワファームのチーズの副産物であるホエーを肥育仕上げに給与した豚)のモモ肉で、生ハムとチロルシンケン、時にはソーセージやサラミ作りに挑戦しています。昨年11月には、宮崎こばやし熱中小学校の講師として来林された上柿元勝シェフ(全日本・食学会理事)にも生ハム作りに挑戦していただきました。

ふくどめ小牧場はその名のとおり、福留洋一さんご家族が経営する小さな養豚場です。普通の養豚農家と違うのは、「サドルバック」という希少品種を日本で唯一飼っていることと、洋一さんが全ての部位をシャルキュトリにして精肉も含めた六次産業化を実現していることです。

肉おじさんとガハハTシャツの藤井さん

ふくどめ小牧場は、もとは一般の白豚を飼育していましたが、洋一さんがドイツでマイスター修行し帰国した際に、ドイツ時代に知った「サドルバック」の美味しさを忘れられず父の公明さんに相談したところ、アメリカのオハイオ大学で飼育していたサドルバックを輸入することができたのです。ブリティッシュサドルバックは英国原産の古い品種で(エセックスサドルバックとウェセックスサドルバックが両種とも激減したため1967年に両種を統一して作った品種で、母豚は世界で900頭弱しか残っていません)、放牧適正が高く、良質な脂が取れるベーコン向きの品種とされていますが、1回あたりのお産で取れる子豚は10頭に満たない生産効率の悪い品種です。ふくどめ小牧場には約30頭の母豚がいますが、外部からの導入ができないので適切な更新が課題となっています。

ふくどめ小牧場では、そんな希少なサドルバックの純粋種のほか、白豚との交雑種を「幸福豚」としてブランド化し、精肉の販売、シャルキュトリを製造するほか、牧場に隣接したレストランで提供しています。

もうお一方は、第2回乳乳学会にも登場していただいた宮崎県小林市で酪農+チーズ工房を営むダイワファームのガハハおじさんこと大窪和利さんです。大窪さんは、九州のみならず日本のチーズ作りの第一人者。イタリアンタイプの様々なチーズをご家族で製造していますが「モッツァレラ作りが一番好き」とおっしゃっています。いつも綺麗な牛舎には20数頭の乳牛がおり、8割ほどがチーズ作りに向いている(タンパク質含量が多い)ブラウンスイス種です。今日もガハハと笑顔を見せて盛り上げてくれました。

サドルバックの歴史(原田理事長提供)


福留公明さん(右)と大窪和利さん(原田理事長提供)



ふくどめ小牧場のサドルバック(原田理事長提供)

本日のメニュー

〇 セルヴェルドカニュ&リエットとロビダイワ(ウオッシュ)

〇 シャルキュトリ各種(ふくどめ小牧場製造)

〇 ヤマンクッバイ(ブルー)フルーとテッドフロマージュのサラダ

〇 サドルバックとトーマダイワ(セミハード)のチーズハンバーグ
〇 ロース肉の低温調理

〇 バラ肉のホエー煮込み
〇 プルドポークのパスタとジンゼ(ハード)

〇 マスカルポーネ キャラメルソース

参考文献


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