ハンバーグを焼く前の手ごね=肉のキャッチボールについて
空気を抜く

つまり、加熱した際、中の空気が膨張してハンバーグが破裂するのを防ぐための作業が、この「キャッチボール」なのです。
脂が溶け出す
しかし、空気を抜くということとは別の目的が他にもあるのです。
配合されたばかりの肉を人間の手で触るということは、肉の温度が上がるということです。
すると何が起こるかというと、肉の中の脂が溶け出していきます。
肉自体が変質をするまでには至らないにせよ、何より大切な肉汁の素が溶け出してしまうので、本来は見過ごすわけにはいきません。

肉のキャッチボールの意味
しかし、わたしたち格之進には、この点についての明快な考え方があります。
溶け出した脂はハンバーグの被膜になるというものです。
「キャッチボール」の次には「冷凍」工程が控えています。
家庭とは違い、成形の後、すぐに焼くわけではなく、ハンバーグは一旦、長い冬眠に入るので、毛布の一枚も用意してあげたいところです。
それが溶け出した脂の被膜です。
また驚かれるのは「必要十分な空気抜き=最適な被膜コーティングづくり」である肉のキャッチボール、多すぎても少なすぎてもいけないその工程の見極めは作業者の「感覚」だという点です。
もちろん、標準の「回数」は存在あります。
しかし、最後の最後は職人の感覚で、ハンバーグは仕上がりを迎えます。
標準化できない、こういった部分にこそ格之進の真髄があるのではと思います。

素材から作る
格之進のハンバーグの素材
手元に包装された「格之進『黒格ハンバーグ』があります。以下、そこに貼付されているシールに記載されている原材料名です。
・黒毛和牛・ソテードオニオン・つなぎ(鶏卵、パン粉)・牛乳・米麹・米・食塩・岩塩・胡椒・香辛料
※一部省略
高級な黒毛和牛を使用しているとか、逆に、化学調味料を使っていないとかということをお伝えしたいのではありません。

ハンバーグは素材の集合体
お伝えしたいのは、ハンバーグが多くの原料(素材)から出来上がっているということ。
「パン粉」や「香辛料」と一単語で書かれていても、「小麦(粉)」や「ローズマリー」がその中身なのであり、ここでは、ハンバーグが沢山の(とは言え、必要十分な)素材のひとつひとつが集まって出来あがっているかということを、改めてご認識していただきたいのです。
格之進では、小麦やハーブの栽培や糀菌の生育までは行ってはおりません。
ご承知の通り「肉」が本業ですので、「肉」に対するこだわりは胸を張るところです。
しかし、その他の食材に対する思い入れも同じくらいなければ、素材の集合体であるハンバーグが美味しくなることはないとも考えています。

素材ひとつひとつに向き合って
玉葱にしても卵にしても、胡椒の一粒に至るまで、命を持って生まれた生き物なのです。
たまたまハンバーグになる運命を辿ったととらえるならば、それぞれの素材に真摯に向き合い、良さを見極め、他の素材と共鳴させることで、その使命を全うさせることが何よりの手向けである、とは少し言いすぎでしょうか。
格之進のハンバーグがどこまで、それぞれの素材に向き合えているか、まずは味わっていただければと思います。
格之進のハンバーグのヒミツは「塩麹」
塩麹とは

麹に塩、水を加えた調味料で、東北地方にそのルーツがあるという説があります。
主に野菜の漬床とされていましたが、魚はもとより肉のたんぱく質や糖質をアミノ酸に分解することから、「旨味を引き出す」ということで、2012年以降様々なレシピが登場し、ブームともいえる現象が起こったことを覚えいてる方も多いことでしょう。
もちろん、最高のハンバーグを追い求めるわたしたち格之進も着目しています。
オール岩手の塩麹

さてこの「塩麹」、どれも同じと思われてはいませんか?
スーパーなどの商品棚にならんでいる市販品のほとんどが、ある程度の保存を前提に加熱処理が施されていることは仕方ないこととしても、塩麹は「活きて」いることでその力がフルに活かされるものなのです。
格之進の塩麹が活きていることは当然である以前に、それはある意味「必然」だと考えています。
以下、格之進で使っている塩麹の原料をご紹介します。
- ・岩手県一関門崎地区(絶滅危惧種「黒めだか」が生息している田んぼ)の「めだか米」
- ・南部杜氏の心意気を現在に伝える、岩手初のオリジナル麹菌「黎明平泉」
- ・かつて「塩の道」を通い、「牛」を使って内陸部に届けられた海岸部野田村の「のだ塩」
もう、お気付きでしょうか。そう「オール岩手」の象徴なのです!
活きた塩麹とは、地元の産品を時間を経ずに使う、地産地消のなせる技に他なりません。
美味しいハンバーグのための、肉のコンディション
いい肉=いいハンバーグ?

自らの目で見て、自分達で手を動かすことで、微妙なブレを調整し、高いクオリティが常に維持できるのを考えています。
いくらいいブランド肉を仕入れていたとしても、いいハンバーグにできるかは別問題ということを肝に銘じながら。
解凍を極める
カットをしてミンチマシンに入れるためには、当然解凍させることになりますが、作業に支障のない柔らかさになればそれでいいという話ではありません。
焼き上がったときに最高の肉汁が溢れ出すということから逆算した最適なタイミングが存在します。
温度で言うと、0℃プラスマイナス1℃。当然、1回の作業において使用する肉全てがその温度帯でなければ意味をなさないため、徹底した管理がなされています。
そもそも、生(未冷凍)の肉をミンチできればそれに越したことはないのですが、食肉流通の現状をふまえた上で、格之進ではできる限りの努力をしています。

コンディションを整える

その第一歩目が、「肉のコンディション」が整ったことを見極めるということ。
他人任せにしてはタイミングを逸してしまいかねない、重要なポイントです。
配合時間のこだわりが美味しいハンバーグを生む
肉の配合とは

確かに言葉の意味としては間違っておらず、秘伝の「黄金比率」みたいなものがそれぞれの生産者に合っても不思議ではありませんし、もちろん、格之進のハンバーグにも存在します。
しかし、この場でお伝えしたいのは「割合」の妙ではなく、「作業」もしくは、「作業時間」についてです。
配合とは作業であった
ミンチされた肉は捏ねることにより、温度が上昇します。
それと同時に脂も溶け出していってしまい、焼き上がった時に、固くなってしまったり、目減りをしてしまうことになります。
最良の状態で食べていただくために、作業によって「ダレ」が生じないように、必要十分な時間を厳格に守っています。
また、温度の上昇は雑菌の繁殖にもつながりかねないため、衛生状態の管理という意味ももちろん含まれてきます。

時間との戦い
格之進において、配合とは、これまで培ってきた経験則が生み出した「時間」との戦いということでもあるのです。
ハンバーグにはストレスフリーな肉のカット
ミンチマシンって?
「適当なサイズに肉塊をカットしてミンチマシンに放り込めばハンバーグのタネになるひき肉のできあがり」なのですが、美味しいハンバーグにこだわると、このミンチマシンが実は曲者です。
ミンチマシンがストレスを与える

ミンチ加工の工程ではミンチマシンを使用しますが、実は摩擦熱などで、マシンの出口では肉の温度が約2℃も上昇します。
またその間、捻られ、千切られ、押し潰され、肉には物理的なストレスが与えられ続けます。
この「ストレス」がハンバーグの大敵なのです。
人間も過度のストレスを感じると思わず額に汗をかくというたとえがあるように、与える必要のない力を加えることで、肉汁という汗が出てしまいます。
ミンチにする以上、確かにある程度は仕方がないのですが、一方で、できるだけストレスを少なくミンチにする方法を格之進は知っています。
肉へのストレスを抑える
実は、ミンチマシンに入れる肉の柵取りに秘密があります。
単に機械に入るサイズにすればいいというのではなく、個々の肉の繊維を見切ってカットすることで、肉汁を残し、耐性を保たせ、最終的にハンバーグとして食べたときの味わいが損なわれないように、ひとつひとつ手作業で切り分けるのです。
もちろん、包丁の手入れを怠らないことは基本中の基本です。

肉と「思い」
また、不要なストレスなら少しでも回避してもらうことで、その思いを全うしたいと考えると思います。
肉のカットというと技術論に聞こえがちですが、わたしたちは、そうではないと考えています。技術は後からついてくる。
先にあるのは「思い」であると。

ハンバーグのための肉選び
ハンバーグとひき肉

今回は、この場で、その誤解を解いていければと思います。
ひき肉へのこだわり
ハンバーグ以外にも良質の食肉製品を数多く手がける格之進ですが、ハンバーグで使われる肉は、「ハンバーグを作るため『だけ』」に仕入れています。
牛肉は旨みの多いメス牛を中心に地元岩手産を優先的に仕入れし、豚肉も地元ブランドの「白金豚」を中心に厳選。
「厳選」と一言で片づけるのは簡単なのですが、「高いクオリティ」を維持し続けるためには、生産者と肉問屋との関係が極めて重要であると考えています。
例えば、白金豚はハンバーグにした場合、「ウデ肉」が美味しいとされていますが、生産者を特定することで、飼料をはじめとする飼育方法が特定され、そこから指定部位の品質が安定し、最終的に商品としてのクオリティが安定されます。
優秀な生産者さんはそこを意識して日々お肉に向き合っているからです。

ハンバーグのためだけのひき肉
そもそも、ハンバーグのために生産された肉というものは存在しません。
しかし、ハンバーグになったときに最高のハンバーグとなる肉を常に追い求めるというのが格之進の「常識」なのです。
「ハンバーグにしかならない肉」というと少々言い過ぎかもしれませんが、「高級肉の切落としで作ったワケありハンバーグ」とは、少し考え方自体が違うことを理解していただければと思います。

格之進ハンバーグの肉汁は極上のソースです!
肉汁がソースだ

「格之進のハンバーグにあえてソースをかけることは野暮ってもんですよ。」とおっしゃるお客様がいます。
そう聞くと驚く方も多いかもしれませんが、そこには、「なるほど」とうなずいていただける理由があります。
ハンバーグの醍醐味のひとつは、ナイフを入れたときに溢れ出る肉汁(にくじゅう)ではないでしょうか?
肉汁とは肉に含まれる脂質が旨みとともに溶け出したものであり、良質な肉であれば肉汁もまた良質であることは確かです。
ただしそれだけではありません。実は、格之進ではこの「肉汁」をコントロールしているのです。
つまり、肉汁そのものが絶妙に配合された「ソース」になるように…。
肉汁を知り尽くす
家庭でハンバーグを作ることを思い出すと、ひき肉の値段の違いは分かっても、どの部位をどれくらい使用しているのか、脂がどれくらい含まれているかなどは、なかなか分からないと思います。
ですが、格之進ではハンバーグのためだけに仕入れた5種類の部位(サーロイン(!)、ロース、肩、バラ、モモ)を使用しており、「早く溶け出す脂」、「食べる時まで肉に残る脂」など部位ごとの特長を考慮して、焼き上がりの状態から逆算した理想のバランスで肉を配合しているのです。
この肉汁は、厳選したメス牛をベースに使用しているため個体差によるバラつきは少ないのですが、とは言え、生き物である以上全く違いが無いわけではありません。
また、気温やその他の要因によっても僅かにブレは生じるため、その都度微調整してそのバランスを保っています。
良い素材の味わいを残しつつ、素材の価値を最大化するために配合が工夫された格之進のハンバーグは、大量生産された商品には決してマネのできないものだと自負しています。

ご家庭で肉汁を楽しんでほしい
先ほどの「焼き上がり」というのは、フツーのキッチンでフツーに焼くことを前提にしているからです。格之進のハンバーグ、その絶妙な肉汁の味を、心置きなく楽しんでいただければと思います。

三越伊勢丹浦和店 催事出店 門崎熟成肉 格之進 〜イベントレポート〜
三越伊勢丹浦和「初」出店!!
2015年11月18日(金)〜11月24日(木)の一週間、格之進「初」となる三越伊勢丹浦和店に出店いたしました。
浦和の方々に、格之進のお肉を召し上がっていただける機会とあって気合が入ります!

浦和でのお客様の層としては、お子様連れのご家族が多くみられ、お子様に人気のある商品が続々と売れていくのを目の当たりにしました。
格之進のお隣は、パン屋さんと、肉フェスを一緒に盛り上げているキムラテツさん。一緒に浦和を盛り上げます。

格之進のブースでは、「門崎熟成肉ローストビーフ弁当」と「格之進ハンバーグ弁当」を販売いたしました。
家族連れが多いとあって、お子様が大好きなハンバーグがあっという間に無くなってしまい、私たちの予想をはるかに上回る人気ぶりに驚きました。
お客様の中には、岩手県一関市にある総本店「丑舎 格之進」に来てくださったお客様もいらっしゃいました。
浦和にも、格之進をご利用いただいたり、知っていらっしゃるお客様が多く、改めて格之進は多くのお客様に支えられているお店なのだということを感じた催事でした。
2015年11月「さいたま国際マラソン」に出店
ここから、世界へ。
さいたま国際マラソンは「ここから、世界へ。」を大会キャッチフレーズに、
「未来をつくる子どもたちに夢と希望を贈る大会となす」
「スポーツのまちに集うすべての人に健康と喜びをもたらす大会となす」
などをコンセプトとする大会で、国内外から多くのランナーが集います。
全国から集うランナー、観客をおもてなし「埼玉うまいもん市場」
2015年11月15日に開催した「第1回 さいたま国際マラソン」の関連イベントとして、全国から集まるランナーや観客を「おもてなし」しようと、11月13日から15日にかけて、さいたま新都心けやきひろば「埼玉うまいもん市場」が開催されました。イベントには格之進を含め、55団体59ブースという大変多くのお店が集まりました。

格之進では定番の「門崎熟成肉 塊焼き」と、「煮込みハンバーグ」をご提供いたしました。
肉フェスに出店していることで格之進を知っているお客様が多く、他店様と比べると価格帯が高めではありましたが「美味しい!」という嬉しいお声を頂くことができました。
マラソンを応援にいらっしゃった観客の皆さまが沢山集まり、とても賑やかで華やかなイベントとなりました。