熟成肉の格之進

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カリスマ編集長 島地勝彦氏も試してみたいと語る「牛醤」

格之進とゆかりの深い岩手県一関市出身で元週刊プレーボーイのカリスマ編集長の島地勝彦氏と、Dancyuの発行元であるプレジデント社の経営戦略部部長のミツハシヒデユキ氏との対談の中で格之進の「牛醤」を取り上げて頂きました。

新・乗り移り人生相談 第74回
「独立開業も所詮、冥土までの暇つぶしだよ」

ミツハシ:シマジさんは格之進の「牛醤」をもう試しましたか?

シマジ:ああ、公認執事のマツモトから、肉用の新しい調味料を作ったことは聞いている。ただ、ご存じの通り俺は家ではメシを食わないから、まだ試す機会がないんだよ。

ミツハシ:それはもったいない。私もマツモトさんから1本頂戴しまして、自宅で試したんです。コストコで買った米国産のサーロインとリブアイをステーキにして牛醤をかけてみたんですが、文句なしに旨かったです。

容器がスポイト瓶になっていまして、最初に見たときは大げさだなと思ったんですが、使ってみて納得しました。ナイフでカットした一口大のステーキに1、2滴垂らすだけで十分。市販のステーキソースのような甘ったるさやくどさがなく、肉本来の旨味を引き立てる上出来のソースでした。

シマジ:そんなに旨いのか。それなら、どこか肉を食わせる店に持ち込んで試してみるか。

ミツハシ:じゃあ、「いきなりステーキ」にこっそり持ち込みましょう。

シマジ:いきなりステーキ? 何だそれは?

ミツハシ:立ち食いのステーキ店です。

シマジ:ステーキを立ち食いするのか?

ミツハシ:シマジさんには縁遠いお店かもしれませんが、2000円くらいでアンガス牛のサーロインステーキが食える便利な店なんです。牛醤を垂らしたら、7000〜8000円くらいの本格ステーキ店で食っている気分を味わえるんじゃないでしょうか。

シマジ:しかし、ステーキを立って食うのはどうもなあ……。

ミツハシ:でも、あんまり高級な店で、持参のソースをかけるのもナンですからね。

シマジ:「トゥール・ダルジャン」の鴨に持参の醤油をかけて食べた魯山人の例もある。俺のためにスパイシーハイボールを用意してくれている店なら問題ないだろう。

千葉と島地氏の過去の対談はこちら

格之進の熟成肉をこよなく愛してくださり、千葉とも交流が深い島地勝彦氏。
以前行われた千葉との対談はこちらに掲載しております

プレイボーイの名物カリスマ編集長と熟成肉を語る

黒毛和牛から創り出した調味料・牛醤(GYUSHO)

格之進の渾身の調味料「牛醤」は、
格之進オンラインストアからご購入いただけます!

焼いたお肉に数滴つけることで、さらなるお肉の旨みや、風味、味わい深さといった、 新たな「お肉の表情」を感じることができるでしょう。

格之進の「牛醤」をオンラインで購入する

世界初!熟成肉を使用した格之進の「牛醤」

「牛肉は、熟成が進んでいくと最終的にどうなってしまうのだろう?」「極限まで分解したらどうなるのだろう?」
“牛醤”の開発はこの素朴な疑問から始まりました。

大豆を発酵させると醤油ができ、魚を発酵させると魚醤ができるように、牛肉も発酵が進むと液体になる!と食品の研究者から聞き、ひらめいた!!

「格之進」オリジナルの牛肉の調味料、
“牛醤”を作ろう!!。


牛肉による、牛肉のための調味料、牛醤。 これがあれば、お肉はもっとおいしく食べられる。

そして、今までにない旨味を加えられる調味料になるに違いない!。そう確信し「牛醤」作りはスタートしました。

「牛醤」を作るためには、発酵の知識と設備のそろった協力者が必要と、「格之進」の地元、岩手の老舗醤油メーカー、浅沼醤油店に製造を依頼。

浅沼醤油店は、大正3年創業の老舗で、農林水産大臣賞を受賞したこともある高い醸造技術を持つ名店です。
また醸造のノウハウを活かし、自社だけでなく他社の商品開発も多く手がけており、研究から開発まで可能なスキルと徹底した品質管理に定評のある企業です。

開発中での新たな「発見」

頼もしいパートナーを得ることもでき、早速、牛肉の熟成を極める作業を行ってみることに。
ここで驚いたのがアミノ酸の量。もともと熟成肉は、お肉のたんぱく質が酵素によってアミノ酸に変化し、旨味がグンっとアップしているのですが、それがより進み液体になると、なんと熟成前のお肉の30倍ものアミノ酸が増幅していることが分かったのです。
まさに旨味の塊のような液体ができたのです。

アミノ酸が30倍にもになった熟成肉の発酵液と3種類の麹、塩(三陸、野田の塩)、アルコール(サトウキビ由来)、米でんぷんを加え醸造したのが牛醤です。
トロリとした状態なのは最初、醤油のように下に溜まったもろみは使わず、上澄みだけを濾した液体を何度か試食したのですが今ひとつピンとこない。

そこで、もろみも混ぜ合わせたてみたところ、味がまろやかでおいしいことを発見!
そんな試行錯誤を経て二つを混ぜ合わせた牛醤が開発されたのです。

牛醤は、旨味が濃縮したような調味料です。
だから、時間がたったり、水分が減ってくると表面に白いプツプツしたものが発生します。
えっ!カビ!?いえいえこれは、アミノ酸の一種、チロシンです。水分が減り旨味が凝縮してアミノ酸が溶けきれず結晶化したものです。

濃厚な旨味がギュッと凝縮した液体の証拠です。
味が濃厚なので、スポイトで数滴たらしながら至福の味をお楽しみください。

黒毛和牛から創り出した調味料・牛醤(GYUSHO)

格之進の渾身の調味料「牛醤」は、格之進オンラインストアからご購入いただけます!
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熟成肉の美味しい香り成分「ピラジン」と「ラクトン」

熟成肉は、なぜおいしい?
どうやって熟成したらもっと芳醇な味わいになるのか?この課題は、肉おじさんの私にとって永遠の課題です。

熟成のテクニックは、食肉業者の方、生産者の方など、直接肉に関わる方々と情報交換をし、日々試行錯誤を重ね、よりよいお肉をみなさんに提供すべく常に連絡を取り合っています。

それと同時に味や香り、旨味など、科学的な見地から研究している大学の先生や農業の研究者などのお話も積極的にうかがうようにしています。

それはもう目からウロコの事実ばかりで、驚きの連続です。
でも、おいしさの理由、仕組みがわかり、日本の食の奥深さを再認識させられます。

今回は、美味しい香りの元となる2つの化合物のお話しをいたします。

香ばしい香りの正体は
加熱調理により生成される「ピラジン」

まずは、アミノ酸の話からはじめましょう。
熟成肉は、熟成の工程で旨味成分であるアミノ酸がたくさん生成しているからおいしい、という表現をよく目にします。しかし、科学的に見ると実は、熟成肉のアミノ酸量はそれほど多くはないそうです。
ではアミノ酸は熟成肉のおいしさに寄与していないのでしょうか?

国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構の渡邊彰先生の論文によれば、熟成した牛肉は、加熱調理した際に「ピラジン」という成分の生成量が増加すると記載されています。

ピラジン類は揚げ物などに含まれている香ばしさに寄与する香り成分で、アミノ酸と糖質が加熱された際に発生します。 熟成肉がおいしいと言われるのは、含まれているアミノ酸自体がおいしいというよりは、ピラジンのようにアミノ酸を原料として生成した香り成分の影響もあるのかもしれませんね。

和牛香の正体は「ラクトン」
和牛の熟成肉だけの美味しい香り

牛肉は熟成することで旨味成分であるアミノ酸であるグルタミン酸、アスパラギン酸が通常のお肉の数倍にもなると言われています。
さらに熟成肉を焼くことで生じる香ばしい香りピラジン類が発生します。

牛肉を熟成させることで、ラクトンという和牛特有の甘い香りが増加することが報告されています。
また、ラクトン類は輸入牛肉に少なく国産の和牛に多いことも知られています。

ラクトン類は脂質の酸化によって生成されるため、サシを重視する国産の和牛に多く、ほとんどが赤身肉の海外の牛肉では、甘い香りはあまり感じられないのかもしれません。
まさしく、サシのある和牛ならではのおいしい香りなのです。

味は、舌が感じるものだけでなく、嗅覚で感じる香りも、おいしいという感覚に大きな影響があることがよくわかりました。味覚の科学に、肉おじさん納得です。

塊焼きの肉汁をキープ!熟成肉の焼肉の新スタイル

六本木「格之進R」「格之進R+」の人気メニューは、100g超の熟成肉の塊焼きです。

「格之進R」「格之進R+」は、無煙ロースターのテーブルを備えたいわゆる焼肉店ですが、通常の焼肉店のようにスライスしたお肉を自分で焼くのではなく、(塊肉やコース、特別な肉の場合)原則的にスタッフが焼きます。
それは、最高に良い状態の焼き加減で食べていただきたいのと、大きな塊肉を焼くので、少しだけテクニックが必要だからです。

お肉のおいしさは何と言っても肉汁
お肉には、筋のように走る繊維があります。

この繊維は一定方向に走っていて、肉汁が走るストローのようなものです。
このストローの肉汁をいかに流れ出さないように焼くかが、おいしく仕上げるコツです。

また、ストローが長いほうが肉汁の流出を回避できるので、肉は薄切りより塊のほうがいいのです。
だから塊焼きなのです。

そして、そこで発見したのが、塊肉の水風船理論です。
では簡単に焼き方の解説をしていきましょう。

肉おじさんによる熟成肉の旨みを引き出す焼き方のコツ

1.まずは表面を焼いてフタをする

お肉の繊維が走るストローの断面を遮断するように(繊維が縦になるように)、両面をカリッと焼きます
そうすることでストローにフタをします。

さらに肉の残りの4面を焼き、その後、様子を見ながらゆっくり火を入れていきます。
すると肉がパンパンに膨らんできます


肉は加熱すると収縮するのですが、塊焼きなのでそれは表面だけ。
お肉の内部の温度は50〜60度くらいなのでさほど収縮しません。


2.加熱されて肉汁が膨張!

一方肉汁は、加熱されることで膨張し、お肉の内部で肉汁が動きまわりパンパンに膨らむのです。
ここで加熱しすぎてしまうと、ストローが壊れ肉汁が外に出てしまい、お肉も縮んで硬くなっておいしくなくなってしまいます。

このギリギリの肉汁パンパンの状態がベストなのです。
とはいえ、焼けたからと、膨れ上がったお肉にすぐ包丁を入れてはいけません。

3.しっかり休ませて肉汁を落ち着かせる

お肉の中で熱せられた肉汁がまだ暴れているので、水風船が破裂するようにお肉も爆発!
せっかくの肉汁があふれ出てしまうのです。

ですから、焼き上がったらしばらくそのまま休ませます
火からおろしたお肉はアルミホイルに包むと熱が早く通りやすくなります。

そして、3〜5分すると、お肉の表面に汗をかいたように水分が出てくるので、そうしたら食べ頃です。

文字だけでは説明しにくいですが、膨らんだ水風船が割れないように(つまり肉を焼きすぎないように)、そして、中の水分(肉汁)がまんべんなく対流するようにすべての面をじっくり焼く、これが格之進の水風船理論です。

この理論は、ローストビーフの作り方のセオリーでもあり、肉を休ませながらじっくり焼くテクニックは、鉄板焼きにも通ずるものがあるかと思います。

けれど、日本の焼肉というとスライスしたお肉を炙り焼くのが普通で、塊焼きという発想はなかったと思います

スライスされたお肉は、焼いているうちに肉汁がボタボタと落ちてしまいますが、塊肉で焼いてカットしたお肉は、肉汁がキープされているので口の中でじゅるじゅると旨味が広がり、至福の味を体験できるのです。
ぜひ一度体験あれ!

オンラインストアのおすすめの「塊肉」

門崎熟成肉 塊焼き・塊肉(赤身:120g×2個)
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あわせて知っておきたい

スライス肉でも旨みを逃さず閉じ込める「焼肉のプール焼き理論」

スライス肉なら簡単に焼ける、と思っているあなた!本当においしく焼けていますか焼きすぎてしまったら、せっかくのお肉も台無し。そこで「肉おじさん」こと千葉祐士の肉焼き理論「プール焼き」の出番です。

「プール焼き理論」についてはこちら

【第11回肉肉学会】全日本食学会 〜「完全放牧黒毛和牛」について学ぶ

2017年4月21日(水)

 

 

お肉について学んでもらい、より多くの人にお肉を知ってもらうことも格之進の使命です。

 

お肉に真剣に向き合う格之進が大切にしていることの一つが、お肉の価値をみなさんに広く知ってもらうこと。
その試みの一つが肉好きの常連客さまにお声がけをして行っている【肉肉学会】。

 

毎回、東大の教授や産総研の研究者など特別なゲストをお呼びして、牛、豚など我々に身近なお肉の歴史や最新の
動向などを真面目に学ぶ勉強会なのです。

もちろん、しっかりと学んだ後にはたっぷりと学んだお肉を味わってもらう実食も。

 

 

毎回盛況を極める【肉肉学会】は2017年4月21日の開催でなんと11回を数えることになりました。
第11回のテーマは「完全放牧黒毛和牛」について。

 

草を食み育った牧草飼育の牛肉についての味や考え方、飼育の課題などについても学習。
さらに完全放牧黒毛和牛の飼育に積極的に取り組む佐賀県鹿島市の樋口久俊市長までがスペシャルゲストとして登壇。

その可能性について熱く語っていただきました!

 

この日の登壇者のお二人について

樋口久俊さん

佐賀県鹿島市長。鹿島市音成出身。
県立鹿島高校卒業後、東京大学法学部学士取得。
農林水産省に入省し、広く食糧や農業などについて尽力。

平成22 年に鹿島市長選挙当選、第5代鹿島市長就任。
現在、2期目で活躍中。
 
後藤貴文さん
鹿児島大学農学部教授、九州大学客員教授。

草原や耕作放棄地などの放牧活用技術、ICT(情報通信技術)を活用した放牧管理技術の開発に携わる。

現在は、グラスフェッド型良質赤身肉生産技術の構築などを主に研究。
 

お待ちかねの本日の熟成肉

ネックの煮込みやLボーン、ローストビーフで完全放牧和牛を堪能。

この回では原種豚・今帰仁アグーについても学び、実食しました。

 

レストランへのアクセス

店名 格之進 Neuf (カクノシン ヌッフ)
電話・ご予約 03-6459-2235
営業時間 18:00〜23:00(ラストオーダー 21:00)
定休日 日曜日
所在地 東京都港区六本木7-17-19 FLEG六本木 Second 2F
アクセス 地下鉄 日比谷線 六本木駅2出口から、徒歩で3分。

格之進 Neufについての詳細はこちら

フードライターと熟成肉のプロがサーフ&ターフ(山海の幸)を語る

千葉祐士が思い描く牛肉の未知なる可能性

小石原:今日は“サーフ&ターフ”をテーマにしたここ『KABCO』が舞台ということで、千葉さんの考える牛肉の可能性について伺っていければと思います。よろしくお願いします。

千葉:よろしくお願いします。早速ですが、海産物との融合における肉のイノベーション、その起源はどこにあると思いますか?

小石原:肉と牡蠣の組み合わせで言うと、最初に聞いたのは3年くらい前。NYのステーキ屋さんでそういうメニューがある、と。アペタイザーに牡蠣を食べてメインに肉ではなくて、一緒にしてしまうという事が印象的で覚えています。

千葉:さすがによくご存知ですね。たしかにNY発信でそういうメニューがありますね。しかし日本ではそれを受け入れる土壌がもっと古くからできあがっていて、その起源はラーメンにあると思うんです。魚介と豚骨や牛骨を合わせた、いわゆるダブルスープですね。

小石原:グルタミン酸とイノシン酸の組み合わせということですね。

千葉:そうです。そのラーメンが、おそらく『麺屋 武蔵』が最初だろうと思うんですが、今から20年くらい前になりますね。その段階から、すでに兆候が来ていたというわけです。いわばジャパニーズ“サーフ&ターフ”の原点ですね。

豊富な山海の幸がイノベーションの礎に

小石原:そこからインスピレーションが生まれたわけですか?

千葉:もうひとつ段階があって、7年ほど前に『すし処さいしょ』の税所伸彦さんとイベントをやったときに、ウニの軍艦作りを手伝ったことがありました。そこで海苔を巻きながら「これ肉でもいけるんじゃないか?」と思って。
そこで作ったのが肉巻きウニ軍艦、税所さんのところでは「うにく」という名前でやっています。『かねます』さんのように、それ以前からやられているお店もありますが。
小石原:「うにく」って最近よく聞きますよね。異なる要素を掛け合わせて新しいものを生み出すというのが、日本らしい気もします。

千葉:海の幸と山の幸。両方に恵まれている日本だからこそ、そういう挑戦が生まれるのだと思います。この『KABCO』誕生のきっかけも、素晴らしい牡蠣との出会いからでした。

小石原:先程の牛肉と牡蠣の組み合わせの誕生ですね。

千葉:そうです。あれを最高の和牛サーロインと最高の牡蠣でやってみる。これが旨いんです。

小石原:牡蠣の旨みを、逃さずに牛肉が吸ってくれるわけですから。新しいおいしさですね。

千葉:そして肉は今、さらなるイノベーションの時代に入ってきています。

小石原:さまざまな調理法やアレンジだけでなく、肉自体の品質もどんどん向上していますからね。

千葉:昔は和牛かそれ以外かだけでした。次は雌牛かどうか、それが一頭買いになり、希少部位という呼び方が定着し、ハラミとサガリの違いがわかるお客さんが増えてきたり。20年前に比べたら、とんでもないイノベーションです。もちろん小石原さんのような方が新しいものを発信してくれるという理由もありますよね。

小石原:いろいろなキーワードも出てきますからね。希少部位、塊肉、熟成肉。そういう意味では消費者側にも大きなイノベーションは起きている気がします。

千葉:そうですね。消費者側に細やかな進化を受け入れる繊細さがあるから、提供側もさまざまな挑戦ができるということでしょうね。

小石原:なるほど、挑戦ですか。

千葉:そうです。日本で牛肉が一般的な食材となって、せいぜい100年くらい。まだまだ開発されていないわけです。だからいろいろなお店を出すのも、挑戦です。そういう挑戦を通して、牛肉の新しい価値をお伝えしていきたいと思っています。

対談中のお料理について

お肉の火入れは、ピザ窯を改良して作られた日本初の肉窯で。

通常の調理では下からの上昇気流で熱が入るのに対し、ドーム状のこの窯は上からの輻射熱で内部に旨みを閉じ込める。

店の主役となる牡蠣肉もこの窯で調理することで、
驚くほど濃厚な旨みを湛える。
『KABCO』の厨房に立つのは『ベージュ アラン・デュカス』など数々の名店で腕を磨いた俊英・加田俊介シェフ。

千葉が惚れ込んだ牡蠣をはじめとした上質な海産物との組み合わせにより『格之進』がこだわり続ける門崎熟成肉の新たな魅力を引き出している。

重要なお知らせ

格之進KABCOは2019年9月30日をもちまして閉店いたしました。
オープンより多くのお客様にご愛顧いただきましたことを心より御礼申しあげます。

尚、格之進KABCOの代表的Surf & Turfメニュー「牡蠣肉」や「うにく(肉巻きウニ軍艦)」は、下記の店舗でもお召し上がりいただけます。

熟成肉割烹 格之進82(カクノシン エイティツー)
東京都港区六本木7-14-16 六本木リバースビル1F

詳細はこちら

熟成焼肉 格之進 R+ (カクノシン アールプラス)
東京都港区六本木7-14-16 六本木リバースビル2F

詳細はこちら

ジャズ喫茶『ベイシー」のマスターと熟成肉のプロが一関の未来を語る

国内外から多くの人が訪れる伝説のジャズ喫茶「ベイシー」そのマスター・菅原正二氏は、生粋の一関人であり、千葉の憧れの人物でもある。 気心知れた二人が語り合う仕事への思い、そして一関の未来とは。

自分を貫くことが、未来に繋がる。

千葉:常々思っているのですが、私の仕事の思想的な部分というのは、マスターと近いのではないかな、と。

菅原:肉と音楽っていう違いはあっても、ひたすらに、まっすぐに向き合うというスタンスは同じだね。

千葉:ありがとうございます。もちろん、まだまだマスターの領域には届かないですけど。私は東京にお店を出しましたが、マスターはこの街にいながら、音楽で人を呼び寄せている。

菅原:俺は野望ってものがあんまりないからね(笑)。小さくても、できる ことだけをやっているだけで。

千葉:そこなんです。純度が高い、だから深い。皆そこに惹かれるんです。

菅原:社長の純粋な「肉命」の姿勢も同じ。肉の“変態”だからね(笑)。

千葉に贈られた「肉・命」の文字

大切なことは純粋な気持ち

千葉:地方創生についても、時々お話をしますよね。
足並みを揃えた仲良しこよしの町おこしではいけないと。

菅原:表面だけ整えて、人を呼ぶことが目的になってしまったらダメですよ。自分のことを、真面目に一生懸命やる。それが結果に繋がればいい。

千葉:それぞれが自分を貫いて、個性が輝けば、自ずと人が集まるんですね。

菅原:きっとそういう事でしょうね。

格之進を語るうえで欠かせない一関の逸品

一関と東京を結ぶ。それが格之進の使命のひとつであるのなら、一関の知られざる銘品を皆様へ発信することも
私達の務め。日本酒とお米。格之進のおいしさを支える一関の逸品を紹介します。

「納得するまで分析、研究。
 南部杜氏は粘り強ぇからね」


磐乃井酒造とは
創業は大正6年。当時、濁り酒の密造が盛んに行われていた背景から、地元有志が米と酒の交換によって密造を防止するべく、酒造会社を設立したのがその始まり。
県南を代表する酒蔵として知られています。

米、麹、水、そして伝統ある技術。
オール岩手で作られる磐乃井酒造の酒は、一関の冠婚葬祭の必需品。とくにこの「玄会(くろえ)」は、爽やかな香りが余韻を残してふわっと消える自信作だ。

「ひたすら研究ですよ。おいしいものって、みんなそうでしょう」
そう語るのは、磐乃井酒造の13代目社長・阿部徳彦氏。そして氏はこう付け加えた。

「飲んだ人を喜ばせたいからね」

旨い酒の本質は、この穏やかにして頑固な、南部杜氏の心意気だ。

磐乃井酒造がつくる玄会

一関市川崎町の「門崎ファーム」が育てる酒造好適米「吟ぎんが」、岩手県が開発した清酒酵母「ゆうこの想い」、麹菌「黎明平泉」、そして仕込水は地元の伏流水。さらに南部杜氏の熟練の技を駆使し、オール岩手の布陣で仕込んだ日本酒です。精米歩合80%の低精白の純米酒は、米のどっしりとした旨みが広がるキレの良い辛口。
50%まで精米した純米大吟醸は、米の旨みや香り、酸味のバランスが秀逸。しっかり冷やせば個性が際立ちます。

「メダカが安心するなら、
  人間だって安心でしょ」


農事組合法人 門崎ファームとは

農業経営の基盤・安定を計るべく、門崎地区農地管理組合が前身となり法人化。持続可能な農業を意味する、
“Sustainable Farming”を理念に掲げ、自然環境や農村環境の保全、保持を念頭において活動。

「いわば生産者は、思想家であり、哲学者です」
千葉祐士は門崎ファームの千葉榮恒氏をそう讃えた。
地域と環境をどう守っていくのか。そんな大きなテーマには、確固たる思想がベースになければ挑めないというわけだ。

そしてその思想の結晶こそが、絶滅危惧種であるメダカが泳ぐ水田だ。もちろん、そんな自然豊かな環境で育った米のこと、安全性と食味の良さは申し分なし。この小さなメダカの存在は、地域に大きな希望を与えている。

「門崎 めだか米」と「門崎 ホタル米」

山々に囲まれた、北上川沿いに広がる一関市川崎町門崎地区。
水田にはメダカが生息し、夏の夜空にはゲンジボタルが飛び交うような豊かな自然の中で育てられたのが
「門崎 めだか米」。
格之進各店の“ごはん”としても提供され、格之進のハンバーグなどにも配合する塩麹の原料としても使われて
います。一方、「門崎 ホタル米」は、品種は「門崎 めだか米」と同じひとめぼれ。

格之進のおいしさは、東京ではなく岩手の一関の品々が支えています。
一関は故郷だけでなく、格之進のおいしさの源であるのです。

格之進の新しいハンバーグ工場への想い

門崎熟成肉と並ぶ『格之進』の看板が、熟成肉の旨みを地元産塩麹が引き立てるこだわりのハンバーグ。
このハンバーグを新たな武器にして、さらなる拡大を目指すのが千葉祐士の次なる挑戦。

そしてその拠点となるハンバーグ工場を、現在整備中だ。しかし本当に驚くべきは、そんな新工場の舞台。
千葉はなんと、廃校となった小学校の体育館を、丸ごと工場にするプランを立ち上げたのだ。

母校の再利用は、郷愁ではなく未来への架け橋。

2013 年、統合を受けて約140年の歴史に幕を下ろした門崎小学校。
門崎地区の象徴的存在であり、千葉自身の母校でもあるこの小学校が、新たな役割を持ち、再び蘇る。

しかしそんなノスタルジックな感傷だけではない。千葉はここを”肉の聖地“とすることで、さらに多くの人を呼び寄せることを目論んでいる。

もちろん、いわて南牛をはじめとした生産者と地域の活性化を目指してのことだ。奇をてらうのではない。
前例のない挑戦、革新的なプランであっても、根底に流れるのは常に地域活性化への思い。その目は常に、一歩先の未来を見据えている。

工場の完成に合わせて、本社機能も校舎内に移す予定。前代未聞の挑戦は、すでに各所で話題を集めている
門崎熟成肉と、幻のブランド豚と呼ばれる白金豚、そしてこだわりの塩麹で作るハンバーグは東京でも人気の味である。

銘品『眞ガキ』の生産者の想いに触れる

震災から復活した最高の牡蠣を、熟成肉と掛け合わせる。

千葉祐士のまわりには、熱い思いを持つ生産者が集まる。あえて足並みを揃えているわけではない。
それぞれが全速力で走り続けているからこそ、互いの目線が交錯するのだ。

広田湾で牡蠣の養殖をする佐々木眞さんもその一人。
広田湾の牡蠣を最高峰ブランドにまで押し上げた立役者の一角だ。

東日本大震災で未曾有の被害を受けた陸前高田。牡蠣の生産者も、30人から10人にまで激減した。

しかし、もともと広田湾は、穏やかな海と気仙川が運ぶ豊富な栄養という牡蠣養殖に恵まれた場所。 出荷前にはひとつひとつばらしてネットに入れて海中に。ストレスのない環境で、牡蠣はさらに大きく育つ。

そこに3年間の長期育成や不純物を落とす温湯処理と呼ばれる全国でも行われるのは珍しい工程を加えることで、築地市場でも最高値で取引されるほどの銘品が生まれる。

無論、佐々木さんの牡蠣も「眞ガキ」として高評価を得ている。
ただ同じ岩手だからではない。
同郷でかつ同じ思いで生産するからこそ、
千葉はこの牡蠣に惚れ込んだ。

六本木にある格之進の『KABCO』で生まれる
門崎熟成肉と眞ガキのコラボ。

佐々木さんの思いを消費者に伝えることもまた、
千葉の大切な使命なのだ。

レストランへのアクセス

店名 KABCO (カブコ)
電話・ご予約 03-6277-8229
営業時間 18:00〜23:00(ラストオーダー 21:00)
定休日 日曜日
所在地 東京都港区六本木3-1-25 六本木グランドプラザ3F
アクセス 六本木一丁目駅1出口から、徒歩で約3分。
六本木駅5出口から、徒歩で約6分。

KABCOについての詳細はこちら

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