2018年9月22日 第22回肉肉学会の概要
「宮崎県小林市産のアン黒とチーズのマリアージュ」と「USHISOBA」
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第22回肉肉学会の概要
「宮崎県小林市産のアン黒とチーズのマリアージュ」と「USHISOBA」
2018年9月22日
肉肉学会理事会
全日本・食学会肉料理部会分科会
総本家更科堀井
格之進Neuf
要約
「第22回肉肉学会」のテーマは「ブラウンスイスチーズ」と「やまくちアン黒」。
どちらも宮崎県小林市の産品です。
「ブラウンスイスチーズ」は小林市のチーズ工房「ダイワファーム」が生乳生産からチーズ製造まで一貫して製造するチーズですが、工房に併設する牧場ではブラウンスイスだけでなくホルスタインも一緒に飼っているので、正確には「ブラウンスイスチーズ」ではありません。
ダイワファームさんも自ら「ブラウンスイスチーズ」と称しているのではなく、肉肉学会での略称です。
「アン黒」1は豪州産の肉用牛子牛を小林市「山之口畜産」で肥育した牛肉ですが、豪州でアンガス種の雌に「和牛」の雄を交配した交雑種を素牛にして日本(小林市)で肥育した牛です。
シリーズ研究の「USHISOBA研究会(堀井格之進)」は、「牛肉のじぶ煮そば」。
ニューヨーク出店を控え本気度100%の声も聞こえます。
今回も、「肉肉学会」として一層の科学的な味の知見を集積するという観点から「ポストディッシュ」方式による「官能評価」を実施しました。
キーワード: ブラウンスイス、ダイワファーム、ナチュラルチーズ、アン黒、山之口畜産、小林市、総本家更科堀井、格之進
学びの概要
本日の食材は「宮崎県小林市」の食材ですが、なんで、小林市になったかというと、原田理事長のもうひとつの顔「宮崎こばやし熱中小学校」校長の縁で、肉肉学会の理事さんたちに「宮崎こばやし熱中小学校」の8月のオープンスクールで授業をしていただいたことがありました。
その際、理事の皆さんをダイワファームにご案内したり、オープンスクール後の懇親会を「鋼の焼酎一貫校」と称して、鉄工所でBBQをしたり(その時に焼いた牛肉が「やまくちアン黒」だったのです)、小林市とのふと〜いパイプができたのです。
熱中小学校の風景。江渡さん、藤井さん、稲見さん、肉おじさん。 |
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鉄工所での焼酎一貫校BBQ。肉おじさんとアン黒サーロイン |
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肉肉学会幹部が自ら焼く「肉タワー」 |
1、「ダイワファーム」のチーズ
ダイワファームは搾乳牛頭数30頭程度で、大きな牧場ではないですが、生乳のほとんどは自家工房で販売するソフトクリーム、ヨーグルト、チーズに利用され、付加価値の高い経営を実現しています。
九州のみならず日本でもトップクラスのチーズ工房で、大窪代表は「がははおじさん」として知られています。
ダイワファームの牛舎。ブラウンスイスがいっぱいね。
ダイワファームのチーズはイタリアンタイプで、モッツァレラ、リコッタ、トーマダイワ(セミハード)、ロビオーラダイワ(ウォッシュ)、カチョカバロ、ヤマンクッバイ・チャンガサコ(ブルーチーズ)など多彩なチーズを製造しています。
ダイワファームはソフトクリームも絶品です!
2、 山之口畜産のアン黒
牛肉では、小林市も「宮崎牛」の産地ですが、山之口畜産の山之口利光さんは、以前から豪州産の子牛を輸入2して肥育していました。
アンガスと黒毛の交雑種を選ぶに当たって、もっと和牛の血統が濃いF2(和牛75%)、F3(和牛87.5%)を対象にすることも考えたが、F1(和牛50%)が、アンガス、黒毛和牛それぞれに長所が最も良く現れると思う、とのこと。
飼料は自家配合で、焼酎廃液、オリーブ粕、ワイン粕、酒粕、米ぬかなどを加えている。そのような試行錯誤の経て、「アン黒」は2年前に商標登録したとのこと。
3、「USHISOBA研究会」by「堀井格之進」
「USHISOBA」(総本家更科堀井×格之進のコラボ企画)は、「牛のじぶ煮そば」。
汁にはみりんを多めに、肉は肩ロース、すき焼きをイメージにしいたけ加え、クレソンを添えた。
4、アビタニアジャージーファーム
本日は、肉肉学会ではおなじみの「アビタニアジャージーファーム」の安原さんから「8才のジャージー雌牛」(42日熟成)を提供していただいた。これもレアな牛肉。
本日の食材
本日の「アン黒」はロースが22か月齢、らんいちが23か月齢で、どちらも8か月齢で同じ日に日本に輸入された子牛を肥育した牛。
アン黒・ランプのブロック
「ダイワファームのチーズ」
ダイワファームのブルーチーズは2種類あるが、本日は「チャンガサコ」。
青カビが少ないドルチェタイプ。
ブルー、リコッタ、ウォッシュ(手前)
本日のメニュー
- 〇 USHISOBA「牛のじぶ煮そば」(写真1)
- 〇 リコッタチーズのカナッペ(写真2)
- 〇 モッツァレラチーズとフルーツトマトのカプレーゼ(写真3)
- 〇 イチボのグリル ウォッシュチーズのグラタン(写真4)
- 〇 ランプのローストビーフ (写真5)
- 〇 サーロインステーキ(写真6)
- 〇 アビタニア牧場ジャージー牛「骨付きサーロイン」(写真7)
- 〇 アン黒のひき肉入りブルーチーズリゾット(写真8)
参考文献
・山之口畜産 HP
・ダイワファーム HP
・アビタニアジャージーファーム HP
・総本家更科堀井 HP
・格之進 HP
脚注
1 アン黒
2 豪州からの生体輸入
写真
1 堀井格之進「USHISOBA牛の |
2 リコッタチーズの |
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3 モッツァレラとフルーツトマトの |
4 イチボのグリル、 |
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5 ランプの |
6 サーロインステーキ |
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7 アビタニア牧場ジャージー牛 |
8 アン黒のひき肉入り |