熟成肉の格之進

スペイン&イタリア肉旅2017夏 世界最高峰のステーキと銘柄牛・銘柄豚を訪ねて〜1

スペインの生ハム加工工場、「インカルロプサ(INCARLOPSA)」視察

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今回、世界一の生ハム生産量がある工場「インカルロプサ(INCARLOPSA)」を見学させていただきました。

年間生産量6,000,000本!!恐ろしい数です。
1本50?(1?=130円)として計算しても 、50?130円6,000,000本=39,000,000,000円=390億円の在庫を抱えていることになります。

なんて恐ろしい…恐ろしい!
ビジネスの大きさに圧倒されました。

スペインの高級生ハムといえば、ハモンセラーノ。
ハモンは、熟成したハムのこと。セラーノは山(冷涼な気候の山岳地帯で作られているので)を意味するとか。

ハモンセラーノに仕上げる為の条件は、皮下脂肪が薄く、筋間脂肪(いわゆるサシ)が多い去勢豚が品質が良いと評価されているそうです。

1日、20,000本の生ハムの仕込みをしている。=20,000本/日24日/月14ヶ月=6,720,000本(理論値)
自社の屠畜場で血抜き(血抜きの最終確認は手作業で確認)の工程を終えてから直接生ハム工場に搬入。

おいしい生ハムを作るには、高品質な豚肉と上質な塩を使い、お肉の芯温が0度になってから、
モモ枝肉(骨盤のウチモモから出ている骨を除去する)1kgに対して海塩を1日着け込む。
冷水で洗って表面の塩を取る。
これが一連の作業です。

ハモンセラーノと言えるのは、1年以上の熟成の生ハム。
90日(3ヶ月)熟成後、150日(5ヶ月)別の部屋で熟成。
その後1回目のラード塗り、300日=10カ月経ったら湿度45%温度28度で熟成。

その後湿度60%、室温14度にて追熟管理し、12カ月後再度ラードを塗る。
皮下脂肪がないところにラードを塗り、熟成して14ヶ月でハモンセラーノの出来上がり。

イベリコの生ハムの場合は、この各工程を2倍の日数をかけるそうで、3〜5年もの熟成が多い。
イベリコ豚は脂が多いのでその分時間がかかる。
12カ月経ったら目視触診して熟成具合を確認しながら進めます。

山の冷涼な四季の気候を再現した3つの部屋で、熟成するのです。

ハモンセラーノとイタリアのパルマプロシュートの生ハムは、香りが違う。
パルマはランプ部分をカットして除去してしまい、また赤みの切り口だけにラードを塗るのに対して、
セラーノは全体に、3度塗ることが要因と考えられます。

熟成の工程の話をしている時、「菌を付けるのか?」と言う議論になりました。

日本には味噌や醤油など発酵の食文化があるので、浮遊菌や土壌菌などが美味しさをつくると理解できますが、
欧米人にとって、菌はバイ菌!というイメージが強く、熟成を促している菌があるとしても、その存在を理解していないようで、話がかみ合いませんでした。
ちょっと残念!

とにかく大きな工場。
生産規模が大きく、とても生産効率が良い工場でした。いや〜勉強になりました。


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