2022年6月14日 第47回肉肉学会の概要
シャロレー牛にかける北十勝ファームの情熱
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北十勝ファームとシャロレー
「第47回肉肉学会」のテーマは、「シャロレーにかける北十勝ファームの情熱」。(株)北十勝ファームは北海道足寄町で上田金穂代表が経営される日本短角種の一貫生産の牧場。200頭の繁殖雌牛と7頭の種雄牛を飼育する、短角種としては日本最大の牧場だと思います。
そんな上田さんから今日は「シャロレー牛」をお肉の提供をただきました。シャロレーはフランスを代表する肉用牛ですが、日本では曽田玄洋氏がフランスから購入したシャロレーを元に昭和39年に北海道駒ヶ岳山麓で開いた「曽田シャロレー牧場」で飼育された記録が残るくらいです。そのシャロレーを上田さんが飼うことになったのは、北海道別海町の(株)トータルハードマネージメントサービスの黒崎さん輸入したシャロレーの受精卵でシャロレーを生産し、肥育を上田さんに任せた、というリレーがあったためです。
上田さんは、シャロレーは北十勝牧場の主力である日本短角種と比べ肉質は変わらない(赤身)が、歩留まりが高いので、熟成をかけたり、黒毛和種との交雑種を生産したりすれば期待できると考えているそうです。
たぶん、日本でシャロレーを肉用に肥育している牧場は、北十勝ファームだけだと思いますし、北十勝ファームのシャロレー出荷が始まったばかりなので。本日、提供されたシャロレーの肉は本当に貴重な国産シャロレー肉です。
また、本日は、曽田玄洋氏のお孫さんにあたるAkura Sodaさんもお見えになり、玄洋さんの思い出話を披露してくださいました。なんと!曽田玄洋氏をモデルにした夏木陽介主演のテレビドラマ「太陽野郎」(昭和42年〜43年)は、曽田シャロレー牧場でロケをしているのです。
本日のシャロレー肉は去勢で28ヶ月齢で、枝肉重量567kg。食肉格付による肉質等級は2、ロース芯面積は65cm2。
肉質等級以外は、一般の黒毛和種去勢と同等の成績でした。
脂(あぶら)兄弟こと高橋勇会員が本日のシャロレーの脂肪酸組成を分析してくださいましたが、オレイン酸含量は49.5,融点は33.2℃で、黒毛和種10頭の平均値(オレイン酸52.2,融点28.7)に比較的近い数字でした。
本日のメニュー
〇 牛スジの塩レモン煮込み カナッペスタイル
〇 ウチモモの低温調理 サラダ仕立て
〇 シャルキュトリー盛り合わせ
〇 ウチモモのローストビーフ 赤ワインソース
〇 サーロインステーキ
〇 丑蕎麦 更級堀井謹製 二八平打ち麺 バラ肉の和風クリーム蕎麦