熟成肉の格之進

2020年1月30日 第38回肉肉学会の概要

全日本・食学会 bean47生産者大賞受賞 今帰仁アグーに学ぶ

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要約

「第38回肉肉学会」のテーマは、「今帰仁アグー」。

江渡副理事長の開会の挨拶。
江渡副理事長の開会の挨拶。

高岡顧問からbean47の紹介
高岡顧問からbean47の紹介

第9回肉肉学会で高田勝さんをお招きして「今帰仁アグー」を取り上げました。 今回は、昨年11月に「全日本・食学会」が選定した「第一回bean47生産者大賞」を高田勝さんが受賞されたことを記念して、「今帰仁アグーアゲイン」を企画しました。

今帰仁アグーの高田勝さんのプレゼン
今帰仁アグーの高田勝さんのプレゼン

高田さんのプレゼンでは、「前回と重複する部分は簡略に」とのことで、「在来種と固有種」の違い、「在来豚からブランド豚」への変遷の経緯、沖縄の伝統と豚をはじめとした家畜の位置づけ、食べることにより在来種を保全する「アグーガーディアンズ」の結成譚、沖縄における道の豚や家きんの可能性など、多様な話題を提供していただきました。 自ら「商才がない」と仰る高田さんですが、在来家畜を保存するためには、飼育者が経済的に経営を維持することが必要、と「在来家畜の保存と経営維持」の両立を目指す高田さん。「bean47生産者大賞」に相応しいお話しを伺えました。 また、原田理事長が「豚コレラ(CSF=豚熱と名称変更されました)の最新の発生状況や「ワクチン接種状況」についてプレゼンしました。昨年9月の「十勝しんむら牧場の山森野豚」以降の情報提供ですが、野生イノシシだけでなく飼育豚でのワクチン接種が始まったことで、局面が大きく変わってます。高田さんも沖縄での豚熱発生状況(家畜豚で発生しイノシシでは感染はない)に大きな関心を示してました。

USHISOBAの堀井さんの挨拶
USHISOBAの堀井さんの挨拶

「総本家更科堀井」と「格之進」のコラボ企画「USHISOBA」は「トマト麺の角煮蕎麦」というスペシャルメニューです。

学びの概要

令和2年1回目の肉肉学会「第38回肉肉学会」のテーマは沖縄県の高田勝さんが生産する「今帰仁アグー」。「第9回肉肉学会」のテーマとしても「今帰仁アグー」と取り上げたが、今回は、高田さんが昨年11月に「全日本・食学会 47bean生産者大賞」を受賞したことを記念しての再登板となった。「47bean生産者賞」には、同じく「肉肉学会」のテーマとさせていただいた「見島牛」の藤井照雄さん、鳥山畜産の鳥山真さんが受賞されており、肉肉学会をきっかけに「全日本・食学会」での認知度が上がるという成果が得られている。
今回、高田さんは、前回のプレゼントとあまり重ならないようにと、資料をリニューアルして臨まれたが、「高田節」は健在だった。
「今帰仁アグー」をはじめとする沖縄県の在来家畜を、種の保存のために飼育する)ことを目標としている高田さんは、自らを「商才がないので「在来家畜の保存」というミッションと、そのために経済的な自立を図るというビジョンを両立させることが大変だった」と、振り返る。 また、沖縄アグー豚は、グローバル化した改良品種との交配によって作られた交配種であり、よく言われるように「在来種」ではないが、「在来種を起源とした豚で沖縄でのみ飼育されていることから「沖縄の固有種」とは言えるのでないか、と考察された。沖縄アグー豚については、一時期登録上でも「琉球在来豚」といった仮称が用いられたりして混乱していたが、現在では「沖縄アグー豚」と言う名称で品種証明書が発行されている、ブランド名としても「沖縄アグー豚」が用いられているとのことだ。 高田さんが飼育する「今帰仁アグー」は最もアグー豚としての品質を残しているそうだが、石垣島等にはまだまだ「謎の黒豚」がいるそうで、沖縄県の在来家畜の奥の深さを感じることができる。 「今帰仁アグー」は離島に保存されていた沖縄在来種を維持しているもので、DNA分析では「アグー豚」と異なり、東アジアの豚の系統に入るグループとなる。 見た目の特徴としては ・全身が黒い毛で覆われていること ・背中が大きく凹んでいること ・後ろの蹄が地についていること などがあげられる。  アグー豚も西洋種に比べれば小型だが、今帰仁アグーは更に小型で、一般的な豚は生後180日で110kgほどになり出荷されるが、今帰仁アグーは出荷までに300~360日かかり出荷体重は80〜90kgとなる。一方で性成熟が早いため(一般の豚は200日、今帰仁アグーは100~120日)、肥育する雌は卵巣摘出をするのが通例となっている。  なお、骨格の違いも大きく、今帰仁アグーは背骨の数(頸椎と腰椎を足した数)が19本(イノシシと同じ)だが、西洋種は改良の結果背骨が伸びているので、その数は22~23本となっている。  もともと沖縄では、豚を食料としてだけでなく「犠牲用の肉」として神事に用いてきた長い歴史がある。このため、沖縄の豚は、「伝統的形質・形態」をもつ豚、つまり、毛が黒く(白はあの世の方角=西を指す)、イノシシと同じ背骨の数をもつ在来豚(背骨の数が異なるような非日常的な豚は使われていなかった)望ましいという歴史的な背景を大事にしてきたからである 沖縄在来豚の特徴を有する今帰仁アグーを維持していくことで、沖縄の伝統・歴史の中での豚の存在意義を確認したいのである。



続いて、原田理事長から、「豚コレラ」(現在ではCSF:Clasical Swine Fever、あるいは「豚熱」という名称に変更された)について、最新の報告があった。沖縄県での発生により、高田さんも大変、心配している状況になっている。また、脳裡水産省がイノシシだけでなく予防的なワクチン接種を認めるようになったため、各県での「ワクチン接種プログラム」の実施状況等についても説明があった。



本日の「今帰仁アグー」の枝肉



本日のメニュー

1 トマト麺の角煮蕎麦

2 フロマージュ・テット  &パテ・ド・カンパーニュ

3 アグーそぼろのミックスリーフサラダ

4 アイスバイン ドライトマト入りソーセージ

5 骨付きロースのロティ

6 角煮炊き込みご飯



参考文献


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