2022年5月26日 第8回乳乳学会の概要
「テーマは竹島!!」 〜チーズ侍 竹島英俊〜
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2022年5月26日
全日本・食学会
乳乳学会理事会
格之進Neuf
第8回乳乳学会のタイトルは『テーマは竹島!!』って乱暴なようだけど、水牛のチーズをメインにその神髄を追求する竹島英俊さんは、その佇まいが「チーズ侍」であり、生き方そのものが「チーズ」という印象なのです。なので、「テーマは竹島!!」というタイトルは妙にしっくりくるものがあります。竹島さんが勤める株式会社クルックフィールズは、音楽プロデューサーの小林武史氏が2018年に木更津市に創設した、食と農、自然をテーマにした「サステナブルファーム&パーク」で、農場内で生産した野菜、牛乳、卵などを販売・提供するショップやレストラン、宿泊施設を有する「テーマファーム」です。今日は、クルックフィールズ全体のマネージャーである飯田あずささんにもお越し頂き、クルックフィールズの全体像を伺いました。その面積は9万坪(約30ヘクタール)で現在は、SDGsの牧場を目指して一部整備中のところもあるが、概ね,循環型の農場が完成。その中の牧場部門では、段々畑のような放牧地で放牧されるブラウンスイスとヤギ、ヒツジの生乳を使用した乳製品を場内のショップやレストランで販売し、たぶん日本で一番、頭数が多いと思われる水牛の生乳から作ったチーズは、クルックフィールズのフラッグシップ商品となっています。
ブラウンスイスは3頭。ヤギが20頭弱、ヒツジは数頭というスモールな動物区画は、来園者が家畜のそばまで行けるようになっている(水牛舎は見学会などのイベント以外は立ち入り禁止)。それらの乳は、チーズ、ソフトクリームなどとなってショップ等で販売され、ブラウンスイスの乳は平飼いされている鶏の卵とともにシフォンケーキの原料になっています(シフォンケーキのショップは独立していてアートギャラリーのような建物内にある)
竹島さんのプレゼン
飯田あずささん
高岡顧問のご挨拶
水牛は、世界の温帯・熱帯地方の各地で飼育されており、水田耕作や荷役などで使われるほか、イタリアを中心にチーズの原料乳として使われている。水牛乳で作ったモッツァレラチーズ「モッツァレラ・ディ・ブッファラ」が有名です。
チーズ職人・竹島英俊さんは、10年以上前に宮崎県で水牛チーズの製造を始めたが、宮崎県で発生した家畜伝染病「口蹄疫」の余波により飼育していた水牛を全て殺処分するということになりました。その後、北海道でも水牛牧場に従事したあと、クルックフィールズでの水牛チーズつくりを行っている。竹島さんの水牛モッツァレラはかねてより多くのファンを有しており、クルックフィールズの水牛モッツァレラは製造が間に合わない人気商品となっています。
現在、水牛は40頭にまで増えており、以前よりは製造量も増加したとのことですが、その分、超多忙な竹島さんです。水牛は,汗腺がなく体温調節ができないので、暑い土地では水浴びや泥浴びを行うことで体温調節をしており、日本では、環境の良い牛舎を提供すれば泥浴び場を用意する必要はないので、クルックフィールズでも普通の牛舎以上に快適な住み心地の水牛舎を用意したそうです。
水牛の増頭・更新にあたっては、イタリアから輸入した水牛の精液を人工授精するそうですが、種雄水牛を2頭飼っており、自場で本交での種付けも行っています。水牛の乳量は牛の1/6くらいですが、成分が濃いのでチーズ生産にはぴったりとのこと。
水牛を乳製品用に飼っている牧場は日本で3カ所だけ。水牛と他の乳用家畜との違いや、制度上の取扱の違いなどを原田理事長から説明しました。
原田理事長のプレゼン資料
本日のメニュー
〇チーズプレート
水牛のブルー、羊のペコリーノ、水牛のゴーダ 、ダイワファームの柚子のクリームチーズ
〇水牛のモッツァレラとリコッタ
〇格之進のシャルキュトリ
〇ミルク山羊チョップの素揚げ
〇ミルク山羊もも肉のロースト
〇ミルク山羊肉とヴルストのクスクス
ミルクフェッド山羊(1ヶ月齢)
山羊もも肉のロースト