日本古来から伝わる肉の熟成方法
枯らし熟成とは
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肉の熟成方法のひとつ「枯らし熟成」
現在、食肉の業界で行われている熟成方法は4つあります。
「枯らし熟成」「ドライエイジング」「ウェットエイジング」「乳酸菌熟成」です。
今回は「枯らし熟成」について分かりやすくお伝えしたいと思います。
「枯らし熟成」とは、1℃〜4℃に設定した冷蔵庫内で、屠畜したばかりのお肉を枝肉のまま吊るし、3〜4週間放置しておく手法のことです。庫内にはお肉にふさわしい菌が自然に繁殖し、それらが付着することで自由水がゆっくりと引き出されます。
実は、このような熟成方法は、今に始まったことではありません。日本では「熟成」という言葉がない時代から、鳥や鹿は吊るして熟成させておくという習わしがありました。
骨のフレームで、肉に負担をかけずに熟成させる
枯らし熟成における根本的な考え方は「お肉を骨から外さずに吊ってあげると、お肉にかかる負担が少ない」ということ。
では、なぜ、骨がついたまま干す方がお肉にストレスが掛からないのでしょうか?
それは、「骨」というフレームでお肉を守りながら重力を分散させているからです。骨からお肉を外すとき、つかんだり引っ張ったりしますから、その分お肉には負担がかかってしまいます。
お肉を骨から外さず、枝肉の状態で「枯らす」ことが、「枯らし熟成」の基本です。
格之進では、背骨の真ん中で半分にされた「半丸(はんまる)」または、肩、バラ、ロース、モモの4つに分けた「四分体」の状態でフックに吊るしています。
実はお店ごとに熟成方法を変えているのですが、それはまた別の機会にお伝えしたいと思います。