たかがお肉、されどお肉
ミート・ライフ・バリュー (MLV)
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“ミートライフ”=お肉のある生活。
牛肉、豚肉、鶏肉‥‥など、人はお肉を食べて生きています。
その昔は、生きるためにお肉を食べていましたが、今はそれだけでなく、家族や友人、仕事の付き合いなど、コミュニケーションを取るためのツールとしても食べます。
焼肉、すき焼き、しゃぶしゃぶなどなど、人が集まるきっかけになるのもお肉です。
いわゆる“上がる”アイテムのお肉は、おいしければ盛り上がること間違いなしですが、それは一時的なもの。
お肉についてもっと知り、情報を共有することで、さらにお肉のある生活、ミートライフのバリューは豊かになる、と肉おじさんは考えます。
お肉を食べる時、このお肉の牛がどこでどのように育てられてきたか?
牧草をたくさん食べてきた牛、穀物をたっぷり食べてきた牛、食欲増進のためにビールや焼酎を時々飲んできた牛など、生産者によって牛は育ち方が違うのです。
その違いが味にももちろん反映されることは確かです。
また、お肉はカットの仕方でも味わいが変わります。
赤身肉は、厚切りでステーキ向き、脂の多いお肉は薄切りですき焼きやしゃぶしゃぶに向いています。
スライサーではなく、手切りした方が、お肉の繊維を潰すことがないので、おいしく食べられるとも言われています。
保存の仕方も、ただ冷蔵庫に入れておけば良いというものではありません。
0〜5度がお肉保存の適温。熟成もこの温度帯で行います。
そして、調理の仕方。レアがおいしい部位、煮込む方が味がでておいしい部位、お肉の表面を焼いて、肉汁を閉じ込める肉おじさんの“水風船焼き理論”や、海の幸の雲丹や牡蠣とお肉を合わせて食べる“うにく”など、お肉の表情は豊かで、味だけでなく食感や香りなど、おいしいには理由があるのです。
お肉の質を上げる生産者の思いや畜産会社のスキル、お店での提供スタイルなど、お肉が消費者に届くまでには、さまざまな人が関わっています。
そこで何が行われているか? を知ることで、日本の食について理解することができ、より味わいも変わってくると思います。
また、お肉のおいしさのロジックの知識があるだけで、家で食べる肉料理の味わいを豊かにできるでしょう。
そして、私がずっと言い続けている「食べることは、生産者への投資」であることもよくわかると思います。
今、おいしく食べているお肉は、お肉屋さんやスーパーにお支払いをしていますが、辿っていけばお肉の生産者の収益にたどり着きます。
お肉を食べてあなたが、おいしい、幸せ、有意義な時間が過ごせたなどなど、金銭ではなく、何か得るものができた! のであれば、それは生産者への投資した成果とも言えるのです。
また、和牛、国産牛を食べれば、日本の生産者を守ることになるのです。
お肉について知れば知るほど、みなさんの食卓が、Meat Life Valueの高い、豊かな食生活になり、人生の充実感を味わえると思います。
空腹を満たすだけお肉を食べるのではなく、お肉を理論的に知ることで食べる行為がもっと深く、クリエイティブにつながり、心身ともに豊かになるのです。
「人生を味わい尽くすためのお肉」。たかがお肉、されどお肉なのです。