大きな塊肉を美味しく焼くための独自のテクニック
塊焼きの肉汁をキープ!熟成肉の焼肉の新スタイル
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六本木「格之進R」「格之進R+」の人気メニューは、100g超の熟成肉の塊焼きです。
「格之進R」「格之進R+」は、無煙ロースターのテーブルを備えたいわゆる焼肉店ですが、通常の焼肉店のようにスライスしたお肉を自分で焼くのではなく、(塊肉やコース、特別な肉の場合)原則的にスタッフが焼きます。
それは、最高に良い状態の焼き加減で食べていただきたいのと、大きな塊肉を焼くので、少しだけテクニックが必要だからです。
お肉のおいしさは何と言っても肉汁。
お肉には、筋のように走る繊維があります。
この繊維は一定方向に走っていて、肉汁が走るストローのようなものです。
このストローの肉汁をいかに流れ出さないように焼くかが、おいしく仕上げるコツです。
また、ストローが長いほうが肉汁の流出を回避できるので、肉は薄切りより塊のほうがいいのです。
だから塊焼きなのです。
そして、そこで発見したのが、塊肉の水風船理論です。
では簡単に焼き方の解説をしていきましょう。
肉おじさんによる熟成肉の旨みを引き出す焼き方のコツ
1.まずは表面を焼いてフタをする
お肉の繊維が走るストローの断面を遮断するように(繊維が縦になるように)、両面をカリッと焼きます。
そうすることでストローにフタをします。
さらに肉の残りの4面を焼き、その後、様子を見ながらゆっくり火を入れていきます。
すると肉がパンパンに膨らんできます。
肉は加熱すると収縮するのですが、塊焼きなのでそれは表面だけ。
お肉の内部の温度は50〜60度くらいなのでさほど収縮しません。
2.加熱されて肉汁が膨張!
一方肉汁は、加熱されることで膨張し、お肉の内部で肉汁が動きまわりパンパンに膨らむのです。
ここで加熱しすぎてしまうと、ストローが壊れ肉汁が外に出てしまい、お肉も縮んで硬くなっておいしくなくなってしまいます。
このギリギリの肉汁パンパンの状態がベストなのです。
とはいえ、焼けたからと、膨れ上がったお肉にすぐ包丁を入れてはいけません。
3.しっかり休ませて肉汁を落ち着かせる
お肉の中で熱せられた肉汁がまだ暴れているので、水風船が破裂するようにお肉も爆発!
せっかくの肉汁があふれ出てしまうのです。
ですから、焼き上がったらしばらくそのまま休ませます。
火からおろしたお肉はアルミホイルに包むと熱が早く通りやすくなります。
そして、3〜5分すると、お肉の表面に汗をかいたように水分が出てくるので、そうしたら食べ頃です。
文字だけでは説明しにくいですが、膨らんだ水風船が割れないように(つまり肉を焼きすぎないように)、そして、中の水分(肉汁)がまんべんなく対流するようにすべての面をじっくり焼く、これが格之進の水風船理論です。
この理論は、ローストビーフの作り方のセオリーでもあり、肉を休ませながらじっくり焼くテクニックは、鉄板焼きにも通ずるものがあるかと思います。
けれど、日本の焼肉というとスライスしたお肉を炙り焼くのが普通で、塊焼きという発想はなかったと思います。
スライスされたお肉は、焼いているうちに肉汁がボタボタと落ちてしまいますが、塊肉で焼いてカットしたお肉は、肉汁がキープされているので口の中でじゅるじゅると旨味が広がり、至福の味を体験できるのです。
ぜひ一度体験あれ!
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