2025年7月25日 第85回肉肉学会の概要
世界初オーガニック黒毛和牛への挑戦「江田畜産の取組と軌跡に学ぶ」
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【第85回肉肉学会/世界初オーガニック黒毛和牛への挑戦】
〜江田畜産の取組と軌跡に学ぶ〜
2025年7月25日
@格之進F
肉肉学会理事会
全日本・食学会肉料理部会分科会
日本でもオーガニック農産物は普及してきていますが(欧米に比べるとまだまだ)、黒毛和牛では例がありません。
鶏だと配合飼料のみでも飼えるので輸入のオーガニック穀物給与での生産が可能ですし(コストの係増しはあるにせよ)、牛の場合でも乳牛によるオーガニックミルクは実現しています。
この場合、牧草地も有機認証をとり、有機配合飼料と合わせて飼うことが可能です。
牧草に含まれるカロテンは肉の脂肪が黄色くなりますが、乳牛の場合、牧草を給与して牛肉の脂肪が黄色くなっても、もともとサシがないこともあり牛肉の価値が下がるということはありません。
オーガニックの短角種などもサシを求めない品種なので同様です。

江田友輝さんと田中伶さん
しかし黒毛和牛の場合は、サシこそ命、真っ白い脂こそ命なので、肥育の前期以外は牧草を給与せず、カロテンのない稲わらを肥育後期に給与して仕上げていくことになります。これらの飼料確保が大変なのです。
江田畜産は、黒毛和牛の価値を失うことなくオーガニック認証をとるために、有機認証の飼料のみ給与する必要があることから、配合飼料は輸入穀物あるいは国内の有機とうもろこしや飼料米、粗飼料は、肥育前期は自家産のデントコーンや牧草、肥育後期は有機米の稲わら(宮崎では必要量の入手が困難)を給与させることで、黒毛和牛の素晴らしい肉質を活かした有機牛肉生産を目指しています。
有機飼料を自家生産するだけでも3年間の畑作り(この間は無農薬・無化学肥料)が必要なので2023年創業の江田畜産としては、オーガニック牛肉の出荷が2026年以降にならざるを得ないという訳です。
このようなオーガニック生産を実現する過程で、一般には宮崎牛としてJA出荷している黒毛和牛を自分達のブランドで出荷するために、無投薬(モネンシン=抗生物質フリー)など管理方式を変更してサスティナブルな黒毛和牛生産に切り替えているのです。

高岡顧問の挨拶
江田さんは宮崎県高原町(たかはるちょう)で4代続く和牛農家に育ち、畜産業の厳しさは知っていたので家業を継ぐ気はなかったけれど、海外で和牛の認知度・価値を知ることになったのです。
とはいえ、和牛にはサスティナブルや健康とは遠い存在と思ったところ、コンサル業をしていた田中さんや仲間と出会い、経営が厳しい中でも若い力でチャレンジしようと2023年に創業しました。
サスティナブルやオーガニックという文脈で「特選江田和牛(牛舎飼いでの有機JAS認証)」生産を目指し2026年から年間5-10頭程度の出荷を計画しています。有機認証を取得しない牛は「江田和牛」となります。
輸出やイベントに積極的に取組み盛り上げることで和牛農家の収支改善を図っていくことが目的であり、サスティナブルを起点としたブランド確立を目指しています。
収支改善後はDXツール導入や飼料費削減などの経営管理内容を指標化し、他の和牛農家と共同にブランド化していくフランチャイズ的な展開も考えているそうです。

本日の特別ゲスト
江田さんのプレゼンの一部


江田牛
本日のメニュー
○肩ロースステーキ サマートリュフバター

○ハネシタの湯引きとグレープフルーツの
Mixグリーンサラダ

○メンチカツ デミグラスソース

○ランプローストとハンバーグステーキ

○牛煮込みのチーズソースパスタ
サマートリュフかけ

○飲むかき氷「ローズストロベリー」
(四代目大野屋氷菓)
*来場者へのプレゼント

・江田畜産→江田畜産 / EDA-LIVESTOCK
・格之進→熟成肉の格之進 (kakunosh.in)
★肉肉学会のこれまでの歴史はこちら→肉肉学会の記録




ハンバーグ
メンチカツ
塊焼き・塊肉(部位別指定購入可)
ステーキ・骨付き肉
焼肉
すき焼き・しゃぶしゃぶ
白金豚
その他




















