2024年6月20日 第72回肉肉学会の概要
「Eco-Porkユーグレナ」〜アニマルウェアと持続可能性に配慮した「養豚コラボ」誕生秘話〜
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2024年6月20日
@格之進F
肉肉学会理事会
全日本・食学会肉料理部会分科会
第72回肉肉学会のテーマは、『ユーグレナEco-Pork』〜アニマルウェルフェアと持続可能性に配慮した「養豚コラボ」誕生秘話〜です。
養豚DXを進める「Eco-Pork」は、豚管理支援システム「Porker」を販売して養豚農家での飼養管理の効率化を支援してきましたが、豚肉自体の販売にも一役買うことができないものか、と検討を進めてきました。そうした中で、「Porker」を採用している新潟県津南町の養豚経営「鬼や福ふく」が生産する「鬼の宝ポーク」の品質の良さ・美味しさに感動して、オンライン販売を始めたのが23年でした。実は、原田理事長は「鬼や福ふく」の前身「島田養豚」さんからのお付き合いがあり、この「Eco-Pork」が販売した「鬼の宝ポーク」をオンラインで購入した経験もあります。
更に、今日の学びである「Eco-Porkユーグレナ」は、「鬼の宝ポーク」チームに、「ユーグレナ」が組んで、製品製造の過程で発生する余剰ユーグレナの活用方法として、ユーグレナの飼料化に取組み、豚肉として製品化した新たなコンセプトの豚肉です。
島田さんと沼澤さん
高岡顧問の挨拶
バードランドの和田さんと肉おじさん
まずは、3者のタッグの誕生秘話を伺いました。
●島田福徳(鬼や福ふく代表)さん
「鬼や福ふく」は新潟県魚沼津南町で20代続く複合経営で、現在は、豚:鬼の宝ポーク、畑作:鬼もろこし、鬼の室にんにく、鬼の宝アスパラを生産している。特に鬼もろこしは20ha作っており、新潟県でも一番かも知れない。
【元気な豚から、美味しい豚肉】と考え、「飼育されている豚たちには、心地よく過ごしてもらいたい、人生(豚生?)を謳歌してもらいたい」という想いで、2009年にオランダからフリーストールを導入。自由に動き回るフリーストール飼いは、1頭、1頭の管理がしにくくなるけど、たとえ非効率でも元気に生き生きと育ってほしい。ストレスのない環境で育てば、お肉もより美味しくなるに違いないという思いで生産している。
豚の品種はLWD(三元豚)で飼料には通常の穀物のほか、エコフィードとしてお煎餅や柿の種の残渣なども配合していた。「鬼の宝ポーク」はオレイン酸も一般豚より多く(43%くらい)、赤身の旨みと脂の甘みを備えた豚肉だと思う。
最初にユーグレナを添加した時の現場の反応は、「効果があるのか?」という感じだったが出荷前に3週間給餌しただけで、豚が元気になることが分かる。人間に当たってくる豚の力が強くなり、出荷の際の板での追い出しが大変になるほど。そういう意味でも面白い商品だと思った。
●沼澤祐介さん(株式会社Eco -Pork)
エコポークは養豚DXの会社。経営管理支援システムPorkerは養豚のすべてを可視化するクラウドサービスで、各種IoTセンサーや豚舎環境コントローラーにより、養豚を自動化し、売上向上、コスト減、省力化などに寄与することで、養豚農家の持続可能化に貢献するというコンセプト。
そんなお付き合いのある養豚農家さんのお肉を直売するお手伝いをすることになった。
そこで出会ったのが「ユーグレナ」。自然食品としてのユーグレナは知っていたが、食品にできない廃棄されるユーグレナを分けてもらい、島田さんに使って貰った。豚房が緑色になるくらい(笑)。鬼の宝ポークはコクがあってジビエっぽかったが、ユーグレナを給与したエコポークは、軽やかな味わいになったと感じる。
●渡辺悠介さん(株式会社ユーグレナ)
ユーグレナはミドリムシとも言い、藻類の仲間だ。人の健康に良いものは豚の健康にも良いはずだと思い、どちらも健康になる未来を描いている。
プレゼン資料
本日のメニュー
●シャルキュトリー盛り合わせ
パテドカンパーニュ、モモハム、頭肉と豚足のゼリー寄せ
●とうもろこしとモルタデッラのグリーンサラダ
●シュークルート、ソーセージとモモ肉の煮込み
●ロース肉の低温調理ロースト、アスパラガスのソテー
●エコポークメンチカツ
●バラしゃぶ蕎麦
●肩ロースのガーリック豚丼
遠藤シェフとロース肉の低温調理ロースト
【遠藤シェフ】
火を入れないか、入れきるか、悩んだお肉だが、どっちも面白いと思い、低温調理も豚丼も作った。
エコポークは、良くも悪くもクセのない豚で、家庭での料理に向いていると思う。使いやすい豚肉だ。 鬼の宝アスパラが素晴らしく、鬼もろこしも冷凍ものなのに甘さに驚いた。
参考文献
鬼や福ふく (oniyafukufuku.com)
株式会社Eco-Pork
株式会社ユーグレナ | Euglena Co.,Ltd. | 公式企業情報
熟成肉の格之進 (kakunosh.in)