熟成肉の格之進

2023年8月30日 第63回肉肉学会の概要

日本短角種経産牛放牧肥育〜SASAKIFARMの赤身肉への挑戦

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「第63回肉肉学会」は「日本短角種経産牛放牧肥育〜SASAKI FARMの赤身肉への挑戦」です。

高岡さんのあいさつ

稲見副理事長のあいさつ

佐々木さんのプレゼン

「SASAKIFARM」の代表・佐々木基さんは青森県十和田市出身の30歳のヤング・カウボーイ。生家は黒毛和牛の繁殖農家ですが、地元の農業高校を卒業後、東京農業大学で国際農業開発を学び(この時点では家に帰って牛飼いを継ぐ気はないということのようです)、卒業後は「国際農業交流協会」の海外農業研修で、念願の米国での畜産研修(1年半)にチャレンジしました。まず、カウボーイのように馬に乗って牛を追ってみたかった(実現します)そうです。そして、米国での経験や日本の和牛の飼い方にも疑問を持ち(輸入飼料に頼りながらも、サシを目指す)、「里山」での肉牛生産を目指すようになったそうです。
実家は繁殖経営で黒毛和牛を飼っていたのですが、放牧に適性のある日本短角種が、やはり青森の南部の土地には合うだろうと思い、3頭の日本短角を導入し、黒毛、短角、褐毛と3品種を飼育し、黒毛の子牛は販売、短角と褐毛は、黒毛の受精卵移植の借り腹にしたり、放牧地で肥育をしたりと品種・性別を使い分けて、繁殖主体に、短角経産牛をメインに肥育するというスタイルで始めたそうです。現在、主体の短角経産牛は、5〜8才をメインにしています。

就農に当たっては地元の畜産企業(黒毛・短角の一貫生産)で基本を学び、2020年に独立して「SASAKI FARM」を設立します。独立後は肉屋でバイトして精肉カットの技術も覚えたそうですが、飲食店での繋がりができていくと、月に1頭程度を肉にして、ロースなどロイン系は精肉として販売し、バラや挽材は地元のハンバーガー店で使ってもらっています(肉おじさんと牛おじさんは、佐々木さんの牛がいる放牧地で、このハンバーガーを食べることができました)。

「自分としては“風景を食べる”をモチーフに、風景資源を活かした畜産を展開していきたいと思っています」と語る佐々木さん。最近は若い移住者も増えており、移住者が増えれば自分が生産するような肉のニーズも増えると思う。このため、短角を食べるツアーや「陸奥八仙」の八戸酒造とのコラボなどにも取り組んでいます。

佐々木さんは、「旨い肉」を作りたい。放牧での肥育もするが、それだけでは個体差やムラもあるので、放牧で肉の基礎を作り、青森県内や南部地方の資源・副資材を使った発酵飼料や、稲WCSを利用して「菌で牛を作る」ことを考えているそうです。そのため、ベアレンビールやくずまきワインの絞り粕、三浦酒造の「豊盃」の酒粕の発酵飼料なども利用しています。
夏は放牧地で青草を食べた肉、冬は牛舎で発酵飼料を食べた肉、というふうに季節で味わいが異なる肉にもなるといいなと。

南部牛の血をひく『日本短角種』は、乳量も多く子牛を育てやすい。こうした特性を活かして、いずれ、放牧地で自然分娩させたい。
また、最近、「竹の谷蔓」の雌牛を2頭購入したので、古い但馬系の雄を付けて生まれた子牛を肥育したらどんな肉になるか、楽しみにしている。」と熱いトークが続きました。

今回のお肉は、2017年3月生まれの日本短角種の77か月齢の経産牛。岩手県生まれで、2018年10月に秋田県の黒毛繁殖農家に引き取られ、借腹用として夏は放牧地、冬は舎飼いという生活で最後の半年をSASAKI FARMで過ごし仕上げられたものです。

■佐々木さんのプレゼンの一部



遠藤シェフ

本日のお肉

本日のメニュー

〇 いわて野菜と短角牛のミートコロッケ

〇 サーロインステーキ

〇 MIXグリーンサラダ

〇 ランプ肉のロースト キノコソース

〇 すね肉丸ごと煮込み

〇 イチボグリル 夏野菜のロースト

〇 ミートソースパスタ

参考文献


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