熟成肉の格之進

2020年2月29日 第39回肉肉学会の概要

エゾシカハンター岩松邦秀氏に学ぶ

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要約

「第39回肉肉学会」のテーマは、「エゾシカハンター岩松邦英氏に学ぶ」。

高岡さんの開会の挨拶。
高岡さんの開会の挨拶。

プレゼンする岩松邦英さん
プレゼンする岩松邦英さん

4年に1度しかない「閏肉の日」である2月29日。初めてのジビエとしてエゾシカを学びました。プレゼンターは肉おじさんとは大の仲良しの岩松さん。岩松さんは北海道浜中町の酪農家なんですが、酪農の仕事は息子さんに任せて、エゾシカハンターとしてエゾシカ肉などの事業化とともに、アウトドア活動の支援もするなどビッグネームです。木村拓哉主演で話題になったTVドラマ「グランメゾン」のエゾシカ肉のプロと言える存在です。

この日は、伝説のディアハンター(岩松さん)が獲った3歳の雄シカをいただきました。牛と比べればずいぶん「華奢」な印象のシカですが、岩松さんがクラシタ(背骨と肋骨周辺が含まれ部分でお肉はヒレ、ロースがとれます)とモモの解体をしてくれました。

ハントした後の血抜きがお肉の味を決める、ということで、その体制を整えている岩松さんの鹿肉は定評を得ているのですね。また、海に近い牧草地の広がる浜中町ならではの話は、潮風のミネラルをたっぷり吸収した牧草を食べている鹿だからこその美味しさ。でも、その牧草は、本来なら岩松さんたち酪農家が牛の餌として育てているのです。皆さん、一様に「鉄くさくない」「鹿肉らしくない」と仰る旨味の秘密です。

お馴染み徳子さんがプレゼンのヘルプ
お馴染み徳子さんがプレゼンのヘルプ

「総本家更科堀井」と「格之進」のコラボ企画「SHIKASOBA」は「鹿モモ肉」を焼いてお蕎麦に載せてます。モモ肉は脂がないけど柔らかい。鴨南蛮みたいな感じですが、まさに、総本家更科堀井の日本橋店で「鹿南蛮」を出しているそうで、日本橋店の味そのものだとのことです。

SHIKASOBAの堀井良教さんの挨拶
SHIKASOBAの堀井良教さんの挨拶

学びの概要

「第39回肉肉学会」については、新型コロナ感染拡大の影響もあり、直前に「エゾシカを愛する会」とタイトルを変えて開催したが、内容はまさに「肉肉学会」そのものなので、このまとめでは「第39回肉肉学会」として整理した。

「肉肉学会」では、以前から「ジビエ」を取り上げたいと思っており、エゾシカならこの人!と考えていたディアハンター岩松邦英さんを招いてのエゾシカ勉強会となった。
もともと2代目の酪農家である岩松さんは、父から継いだ酪農経営を変革、軌道に乗せつつ(現在は約80頭の搾乳牛を飼育する)牧草地の牧草を食べる「害獣」としてのエゾシカをどのように利用するか思案を重ね、システマチックなエゾシカの捕獲・解体・肉等の販売事業を立ち上げるまでになった。

地元の道東・浜中町に広がる広大な牧草地を我が物顔に走り回るエゾシカは、森林の下草、木の芽や皮を食べているエゾシカと異なり、牛のために酪農家が栽培している牧草、それも海に近い浜中ゆえに潮風のミネラルをたっぷり浴びた極上の牧草なのだから、ここのエゾシカはひと味違う、というわけである。「牧草育ちのエゾシカ」は、人気のドラマ「グランメゾン」でも取り上げられている。
「牧草育ちのエゾシカ」を美味しく食べるために一番、大切なことは、ハンティングの技術そのものであると岩松さんは仰る。なんと、エゾシカに「死んだことに気づかせない」秘技、なのだ(「お前はもう死んでいる」と教えるしかない)。

・首から上しか狙わない(ターゲットゾーンはとんでもなく小さくなる)
・絶対に苦しませない(苦しむと全身に血が回る)
・5分以内に血抜きを行い、処理場に持ち帰り、解体処理全てを死後1時間以内に行う
・HACCPに準ずる処理施設で作業を行う
と、ハントから処理までスピードと安全性が命のシステムである。

このシステムを築きあげた岩松さんは2019年度から「認定鳥獣捕獲等事業者」として環境省から認定を受け、現在1人で捕獲したエゾシカが年間1000頭、他のハンターからの買取ったエゾシカ1000頭、計2000頭のエゾシカを解体処理、出荷している。

エゾシカ肉の卸先は9割が東京のレストランである。
今回、試食をされた参加者からは
・鹿の臭みがない
・鉄臭さを感じることがない
・柔らかくあっさりしている
等の感想を多くきかれたが、これも「牧草を食べたエゾシカを、ストレスのないように仕留めて、すぐに血抜きをする」という処理の仕方に負うものが大きいと感じた。

また、料理の上では、あっさりした鹿肉を活かすために、「鹿しゅうまい」では、エゾシカ7:豚の脂1で脂を足したり、「鹿そば」ではモモ肉を焼いた脂を足すなどの工夫をされていた。
なお、「鹿ラグーのペンネグラタン 浜中町のチーズで」では、同町の松岡牧場のモッツアレラとカチョカバロが使われていた。

本日のメニュー

岩松さんが「クラシタ」と「モモ」を解体。
岩松さんが「クラシタ」と「モモ」を解体。

1. 鹿せんべい

2. 鹿そば

3. 鹿ソーセージとキノコ、レンコンの免疫力UPサラダ

4. 鹿しゅうまい

5. 鹿バーグ 浜中町の牛乳を使った生胡椒ソース

6. 鹿ロースト 鞍下肉とモモ肉

7. 鹿ラグーのペンネグラタン 浜中町のチーズで


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