正しいお肉の知識を月に1度学ぶ、社内研修
お肉の勉強会 – 外もも編 –
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門崎では、社員一人一人がお肉の知識を身につけお肉に詳しくなるために、月に1度、部位別の解体方法やカット方法による見た目や食感、味の違いを学ぶ研修が開催されています。
その名も「お肉の勉強会」。
このコラムでは、研修での学びをご紹介します!
ぜひ皆さんも部位別の特徴を知って、お好きな部位を見つけてみてくださいね。
前回の「肩ロース」に引き続き、今回のテーマは「外もも」です。
研修は、上質な和牛の熟成肉と新鮮な海の食材を組み合わせた和製のサーフ&ターフを提供し、東京都六本木にて展開している熟成肉割烹店「格之進82」で行われました。
門崎のお肉に対する熱い想い
門崎は、「熟成肉」「薫格肉」「希少部位」などお肉に付加価値をつけ、熟成肉をさらに美味しく食べていただくために「塊焼き」という格之進独自の調理法を生み出しました。
このようにお肉のイノベーションを引き起こすことでお肉のさまざまな可能性を引き出し、お肉の価値をお客様に提供しています。
そんな門崎では、和牛の持つ繊細な味の違いを引き出すために、部位を82の分け方で考えています。
そのため、他ではなかなか味わうことのできない希少部位もご提案することができています。
それでは、今回の研修で学んだ外ももについてお伝えします。
外ももとは?
牛の中でも肉質が硬い部位です。
その理由は、牛の体を支える部位であり、大きな筋肉だから。
大きな赤身の塊で脂肪が少ないため、赤身の中でも硬い部位が好きな方にはぴったり。
ぎゅっと詰まった赤身の塊やコリコリとした希少部位など、さまざまな性質のある部位が集まっているため、個性の強い様々な楽しみ方ができるのが外ももの面白さです。
また一般的なスーパーなどでは、部位ごとに分けることなく、周りの脂を削ぎ落とし、すき焼きやしゃぶしゃぶ用に薄切りカットで提供されています。
外ももが5部位に解体されるまでのステップ
1,牛の骨と肉を繋ぎ止める部位「はばき」の解体
写真の右側の部分が「はばき」と呼ばれています。
「なか肉」という部位と膜によって繋がっているため、傷つけないよう丁寧に包丁を入れることがポイント。
↓手前にあるのが「はばき」
2,はばきの真ん中にある「千本筋」の解体
1で分けた「はばき」の真ん中に「千本筋」と呼ばれるたくさんのスジが集まった部位があります。
スジでくっついているので、包丁を当てて滑らせながら切り落としていきます。
すると細長い棒のような形に切り分けることができます。
(↓千本筋がはばきに包まれているよ、と再現している場面)
3,「しきんぼ」の解体
脂の塊と皮膜で繋がっているので、境目に沿って包丁を入れて切り分けます。
2つに分かれたうちの、細い部位が「しきんぼ」です。
4,「なか肉」の大と小の分割
まず、表面にびっちりついている脂を薄く残しつつ削ぎ落とします。
するとスジが見えてくるので、包丁を滑らせながら丁寧に分けていきます。
↓手前:なか肉小、奥:なか肉大
以上で外ももを5部位に解体できました。
最後に解体できた部位を、それぞれ食べる用にカットしていきます。
食べ比べしてみよう!
今回の外ももでは、先ほど紹介した解体方法から
1,はばき
2,千本筋
3,しきんぼ
4,なか肉小
5,なか肉大
の5部位を食べ比べしてみました!
1,ワイルドな味わい「はばき」
太ももの大腿骨に繋がっていて、水分が多いのでプリッと仕上がる部位。
また、外もものなかで肉色が濃く、鉄分がとても多い部位となっています。
スジはありますが丁寧に外すことで、焼き肉としても楽しむことができます。
前回の肩ロースのコラムでも紹介した順目と縦目のカット方法で食べ比べしてみました!
↓左:順目、右:縦目
まず普段食べることのできない、「順目カット」。
順目は水分が閉じ込められているようで、とってもぷりぷりしていました。
歯ごたえがあり、肉質がより硬め。噛み切りにくさがあります。
この部分は鉄分が多く、肉の味が強いのも特徴です。
続いて、普段お店で提供される「縦目カット」。
先ほどよりスジ感が少なく、柔らかい赤身という印象でした。
繊維を断ち切ってカットしているため、噛み切りやすさとジューシーさが1番の違いです。
しかし、社員の中で意外と順目が好きという声も…。
というのも、肉の好みによって人それぞれ印象が変わってくるようで、
順目好きの方:ステーキ
縦目好きの方:焼き肉
が好みである傾向のようです。
面白いですよね!
ちなみに私は硬すぎない程よい噛みごたえが好きなので、縦目カットの方がより美味しいなと感じました。
また、名前の由来は、、刀をしまう時にカチッと鳴り、繋ぎ止める部分の「?(はばき)」。
牛の骨と肉を繋ぎ止める役割であるため、名付けられました。
2,千本もスジがある?「千本筋」
千本くらいスジがありそうな見た目から、千本筋と呼ばれています。
一頭から2本しか取ることのできない希少部位。
スジがたくさんあるということで、硬そうだな、、と思った方もいるのではないでしょうか?
実は、硬すぎない魅力的な部位なのです!
その理由は、このスジは火を通すとコラーゲン質に変わるため柔らかくなり、噛めば噛むほど旨味が出るから。
スジがあるのに柔らかい、見た目とのギャップが楽しめる部位となっています。
お肉の中ではスジがある方なので、硬めの肉質が好きな方にはピッタリ。
今回は、2種類の分厚さを食べ比べしてみました!
↓左:薄切り、右:厚切り
見た目が全然違いますね!スジが多いので、左の薄切りは縮んでしまいました。
薄切りは、より硬めで歯ごたえがありました。
スジっぽさはありますが、赤身の風味が強く特徴的でした。
厚切りは、コリコリしていて硬すぎない美味しさでした。
隠し包丁を両面に入れることで、美味しく食べることができます。
厚さによって、風味が全く異なりました!
千本筋は、生で食べたり、表面だけ焼いてたたきのようにポン酢をかけてネギと一緒に食べるのもおすすめ。
3,弾力があり肉肉しい赤身肉「しきんぼ」
外ももの中でも、より筋肉質の部位。
繊維を断ち切るように斜めに包丁を入れることで、美味しく食べることができます。
繊維の違いを知るために、こちらも2種類の厚さのステーキを用意してもらいました!
まずは、厚切りカットのしきんぼ。
噛み切るのが難しく感じる硬さですが、とても旨味が強いです。
肉らしい味わいで、赤身!って感じがしました。
続いて、薄切りカットのしきんぼ。
厚切りよりスジっぽさがあります。
薄切りの方が肉の柔らかい部分が少なくなるので、水分が飛んで硬くパサパサしているように感じます。
そのため、硬い部位だから薄くカットするのが美味しいとは限らない、と学ぶことができました。
格之進の店舗では、ステーキやローストビーフにして厚切りで提供しています。
表面に焼き目をつけて弱火でじっくり火を入れることで、しきんぼの魅力を最大限引き出すことができます!
名前の由来は、金の延べ棒の形に似ていること。
お店によって、「しきんぼう」と呼ばれることもあります。
また、関西では「まくら」と呼ばれています。
関東と関西で呼び名が違う部位は、たくさんあるみたい。
そこも牛肉の面白さのひとつです!
4,サッと火を通すのがポイント「なか肉小」
完全なる赤身で水分多めな部位。
しかし、脂感も感じられるため、カルビはきつい…という方におすすめ。
今回はお店で使用している割り下を使って、しゃぶすきにしていただきました。
(すきしゃぶ:すき焼きとしゃぶしゃぶのいいとこ取りの調理法。すき焼き用の割り下にくぐらせて食べるしゃぶしゃぶ)
赤身ですが、硬すぎず程よい噛みごたえと牛肉の旨味が最大限感じることのできる部位でした。
口に入れた瞬間、美味しすぎて自然と笑顔になってしまうような幸福感。
社員からも「美味しい!」と大好評でした!
すきしゃぶにする際のポイントは、火を通しすぎないこと。
ベストな火の通し方は、70度の割り下に5秒くぐらせる。
すきしゃぶはお肉の水分と脂がより残るため、なか肉に最適な調理法です。
5,火の入れ具合が重要「なか肉大」
とにかく歯ごたえがすごい部位。
火を入れすぎてしまうと、水分がなくなりパサついてしまいますが、
隠し包丁と程よい火の入れ具合で、美味しく食べることができます。
脂身が少なくヘルシーなため、女性にもおすすめの部位。
今回は、塊焼きで2種類の火の入れ具合を試食してみました。
まずは、火の入れ少なめ。(少しレアver.)
噛んだ瞬間に水分がジュワ〜と口いっぱいに広がり、とにかくみずみずしい!
写真からも水分の多さが伝わってきますね。
レアすぎでは…?と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、赤身の肉肉しさがダイレクトに感じられ、とても美味しかったです。
続いて、火の入れ長め。
先ほどより、外側と内側の食感が異なり、面白い歯触りでした。
外側は、焼き目の歯ごたえがしっかりと感じられ、
内側は、お肉のとろけるような食感。
塊焼きにすることでお肉の旨味や肉汁が逃げ出すことなく、ポテンシャルを最大限発揮できます。
ご自宅や店舗で部位別のお肉を味わおう
このように外ももだけでも、解体方法やカット・火入れの違いによって、見た目や味に変化があることを学びました。
門崎では焼肉やステーキなど、調理方法によって最適なカット方法にすることで、皆様により美味しいお肉を提供しています!
今回研修で食べ比べた千本筋やなか肉は、格之進オンラインストアで購入することができます!
ぜひチェックしてみてくださいね。
実際にお店でお肉を食べたい!という方は、
ぜひ格之進82へお越しください!
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みなさんも外ももの様々な個性を体験してみませんか?