ハンバーグの語源・由来は?日本に伝わるまでの気になる歴史を徹底解説
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食卓でおなじみのハンバーグ。その名前の由来や歴史をご存じですか?実はそのルーツはモンゴル帝国まで遡り、ドイツの港町・ハンブルクを経て、世界、そして日本へと壮大な旅をしてきました。
この記事では、ハンバーグの語源・由来から日本独自の進化まで、肉のプロ格之進が徹底解説!読めばハンバーグがもっと愛おしくなる、食文化の旅にご案内します。
ハンバーグの語源はドイツの港町「ハンブルク」
今や食卓の主役として愛されるハンバーグ。その語源はドイツの地名にあります。正式名称は「Hamburg Steak(ハンバーグステーキ)」といい、これは「ハンブルク風のステーキ」という意味です。
ハンブルクはドイツ最大の港町として古くから栄え、多くの船や人々が行き交う貿易の拠点でした。さまざまな文化が交差するこの場所で、ハンバーグの原型となる料理が生まれ、その名が世界に広まっていったのです。
ハンバーグの歴史を遡る旅!ルーツはモンゴル帝国にあり
諸説ありますが、ハンバーグの歴史を辿ると、その起源は意外なことにモンゴル帝国にまで遡ります。広大な草原を駆け巡った騎馬民族・タタール人の食文化が時を経て形を変え、現代のハンバーグへと繋がっていったという説が有力なようです。
ここでは、すべての始まりである「タルタルステーキ」が生まれた背景と、硬い肉を美味しく食べるための先人の知恵に迫ります。
すべての始まりは「タルタルステーキ」
ハンバーグの壮大な歴史の旅は、13世紀のモンゴル帝国にまで遡ります。当時、ヨーロッパを席巻したモンゴル帝国の騎馬民族タタール人は、移動しながら生活を送る中で、独特の食文化を持っていました。彼らが食べていたとされるのが、ハンバーグの起源ともいわれる「タルタルステーキ」です。
長距離を移動するための食料としていた硬い馬肉を、食べやすくするために細かく刻み、塩や香辛料で味付けして食べていたといわれています。馬の鞍の下に肉を敷き、移動中の圧力で柔らかくしていた、という逸話も残っているほどです。
なぜ生の肉を「叩いて」食べたのか?
タタール人が肉を細かく刻んだり叩いたりしていたのは、単に硬い肉を柔らかくするためだけではありませんでした。実はこれこそ、肉を美味しく食べるための先人の知恵なのです。
肉の繊維を物理的に断ち切ることで、口当たりが良くなるだけでなく、肉本来の旨味成分が引き出しやすくなります。この調理法は、現代日本で愛されるアジなどの青魚を叩いて作る「なめろう」や、生の牛肉を刻んで味付けする「ユッケ」にも通じるものがあります。
タルタルステーキの原点には、限られた食材を最大限に美味しく味わうための工夫があったということです。
タルタルステーキがヨーロッパへ|ドイツ・ハンブルクで「焼く」料理に進化
タタール人の食文化であったタルタルステーキは、ハンザ同盟による交易を通じて、ドイツの港町ハンブルクへと伝わりました。しかし、当時のヨーロッパでは生の肉を食べる習慣が一般的ではなかったそう。
そこでハンブルクの人々は、このタルタルステーキにひと工夫加えます。そのままでは硬くて食べにくい部位の肉を挽き肉にし、玉ねぎやパン粉などを混ぜて焼く調理法を考案したのです。
これが「ハンブルク風ステーキ」、すなわちハンバーグステーキの誕生でした。栄養価が高く比較的安価なこの料理は、港で働く労働者たちの間で瞬く間に人気となり、彼らの胃袋を満たす定番メニューとなったのです。
新大陸アメリカに進出!「ハンバーグ」から「ハンバーガー」が誕生
ドイツ・ハンブルクで労働者の味として親しまれたハンバーグステーキは、19世紀の移民の波に乗って新大陸アメリカへと渡ります。
アメリカの自由な空気の中でハンバーグはさらなる進化を遂げ、ファストフードの王様「ハンバーガー」を生み出しました。そのドラマチックな誕生の瞬間を覗いてみましょう。
ドイツ移民がアメリカに伝えた「ハンバーグステーキ」
19世紀になると、多くのドイツ人が新天地を求めてアメリカへと渡ります。「タルタルステーキ」が多くのドイツ移民と共に新大陸アメリカへ伝わり、「ハンバーグステーキ」として知られるようになりました。
ドイツの港町で生まれた労働者のための料理が、数世紀の時を経て、遠く離れたアメリカの地でも人々の胃袋を支える存在となったのです。
なぜパンに挟んだ?「ハンバーガー」誕生の瞬間
ハンバーグステーキがアメリカでさらに大きな進化を遂げるきっかけとなったのが、「ハンバーガー」の誕生です。その起源には諸説ありますが、1904年のセントルイス万国博覧会で、忙しい人々が手軽に食べられるように、焼いたハンバーグステーキを2枚のパンで挟んで提供したのが始まり、という説が有名です。
この画期的なアイデアにより、ナイフやフォークがなくても片手で食べられるファストフードが誕生しました。先に「ハンバーグ」があり、それをパンに挟んだものが「ハンバーガー」であるという関係性を知ると、食の歴史のおもしろさが感じられますね。
日本におけるハンバーグ独自の進化と歴史
はっきりとした記録が残っているわけではありませんが、ハンバーグが日本に上陸したのは明治時代という説が有力です。日本の食文化は、この西洋からやってきた料理を見事に受け入れ、独自の進化を遂げています。
ここでは、高級料理から家庭の味へ、そして白米に合う国民食へと成長を遂げた、日本ならではのハンバーグの歴史を紐解いていきましょう。
日本上陸は明治時代!当時は「ジャーマンステーキ」
日本にハンバーグが伝わったのは、西洋文化が積極的に取り入れられた明治時代のことだそう。しかし、当時はまだ「ハンバーグ」という名前ではなく、「ジャーマンステーキ」や「ミンチボール」といった名称で、主に洋食レストランで提供されていました。
牛肉自体がまだ庶民にとって馴染みの薄い高級食材であったため、ハンバーグ=特別な日に食べるご馳走という位置づけだったといいます。文明開化の象徴として、新しい時代の味を人々に伝えたのが、日本のハンバーグの始まりです。
家庭の食卓へ!「ハンバーグ」が国民食になった理由
ハンバーグが高級料理から家庭の味へと変化を遂げたのは、戦後の高度経済成長期。この時期になると冷蔵技術が発展し、それまでなかなか扱いにくかった挽肉が精肉店で売り出されるようになりました。これにより、多くの家庭でハンバーグが作られるようになったのです。
さらに、当時放送されていたアニメのキャラクターがハンバーガーを食べていたり、チルドハンバーグが発売されたりしたことも、国民食として定着する大きな要因となりました。
ごはんに合う「和風ハンバーグ」の誕生
日本の食文化の素晴らしい点は、海外の料理を独自にアレンジし、新たな価値を生み出す創造性にあります。
ハンバーグもその例外ではありませんでした。その代表格が、醤油ベースのソースに大根おろしを添えた「和風ハンバーグ」です。
デミグラスソースとはまた違うさっぱりとした味わいは、多くの人々の心を掴み、ハンバーグの楽しみ方をさらに広げました。ほかほかの白米に合うように工夫されたこのハンバーグは、まさに日本人の知恵と感性が生み出した逸品といえるでしょう。
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モンゴルで生まれたタルタルステーキが、ドイツの港町で焼かれ、アメリカ大陸でパンに挟まれ、そして日本ではごはんに合うおかずへと姿を変えていく??。
ハンバーグの歴史は、まさに世界中の人々の食文化が融合し、進化してきた壮大な物語です。硬い肉でさえも美味しく食べようとする人々の知恵と工夫が、この「ハンバーグ」というご馳走を生み出しました。
格之進は、このハンバーグが紡いできた歴史の集大成ともいえる一皿を、皆様の食卓にお届けしたいと考えています。厳選した素材、肉のプロがたどり着いた究極のレシピ、そして最高の状態でお召し上がりいただくための情熱。
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