2019年6月25日 第3回乳乳学会の概要
幸せな山地酪農チーズを求めて
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要約
「第3回乳乳学会」のテーマは「三良坂フロマージュ」。広島県三次市三良坂町から松原正典さんに来ていただきました。

高橋雄幸副理事長

人形町今半の高岡さんのあいさつ
松原さんは、アメリカで酪農研修を受け、オーストラリア最大の酪農場でも働いた経験をもつ「酪農家」。でも、そうした大規模酪農場での飼育方法に疑問を抱き、自らは「山地酪農」という自然の草木を活かし、牛や山羊の蹄で草を根付かせる(蹄耕法)により放牧酪農を行う道を選び、林業実習等を経て、故郷の三良坂町にチーズ工房を開設。里山を利用したヤギとブラウンスイスの放牧を始めた。チーズの製造技術は、フランスで学び、今では、「日本一、多く種類のチーズを作っているチーズ職人」とのこと。

松原正典さんのプレゼン

遠藤シェフと肉おじさん
山地酪農での牛や山羊の放牧酪農は、里山を切り開き、放牧のための牧柵や電気柵を設置し、冬期の貯蔵飼料にする牧草やわらを収穫し、牛・ヤギ舎と搾乳施設(パーラー)を作り(できるだけ安く)、そしてチーズをつくるといった作業の連続で、10年間は休みもなかった、でも毎日、牛や山羊の世話をし、チーズを作ることが嬉しくてしかたない、という松原さんなのだ。「幸せな牛・ヤギからいただいたミルクを無駄にしないでチーズを作りたい」というのが、松原さんの想いなのだ。
この日は、牛・山羊・羊のミルクを飲み比べたり、登場間もない「リコッタ3兄弟」が紹介された。松原さんが手塩にかけたホエーイノブタや山羊肉を素材にした料理も登場。「草の幸・山の幸」すべてが集結したような実りの多い学会となった。
学びの概要
1. 新規就農への道
 松原正典さんは昭和49年生まれ。大阪育ち。広島県農業技術大学校で酪農を学び、卒業後は国際農業交流協会の海外研修としてアメリカで酪農を学び、一端、帰国後、オーストラリアの大規模酪農場で働くことになった。3000頭もの規模を誇る豪州でも最大級の牧場であったが、そこでの作業を通じて、「牛を幸せにする酪農をしたい」と強く思い、帰国後は自然な状態で牛を飼う「山地酪農」という経営スタイルを目指して、高知の「斎藤牧場」を訪問。そこで、「まずは林業から学べ」とアドバイスを受け、2年間山師として林業に従事した!
その後、チーズを学びたいと、結婚したばかりの奥様の了解をいただいてフランスに渡りチーズ工房を視察、帰国後2004年に母の里、広島県三次市三良坂町でチーズ工房「三良坂フロマージュ」をオープンした。牧場がなかなか見つからず農業としての新規参入が難しかったので、チーズ工場からスタートしたが、牛も山羊もいないので、最初は原乳を仕入れてチーズを製造していた。
2006年山林を取得し最初はヤギのアルパイン種を(牛は価格が高かった)、次にブラウンスイスの子牛を購入して、牛や山羊が木や草を食べ、蹄で歩き回ることで山を切り開く「山地酪農」を開始することができたそうです。
2014年の工房開設10年目に、牧場そばに現在の工房兼ショップを移転し、現在に至っている。現在はブラウンスイス1を約10頭、アルパイン種のヤギ2を約30頭飼育して、濃厚飼料は与えずに放牧と自給飼料(貯蔵飼料)で飼育している。
2. チーズの特徴
 松原さんのチーズは、牛のブラウンスイスとヤギのアルパインの2種から得るミルクを使用していること、フレッシュからパスタフィラータタイプ、酸凝固タイプ、ソフト熟成タイプ、セミハードタイプ、シェーブルと様々なスタイルのチーズを作っていること、これに季節の果物を組み合わせた「季節限定チーズ」もあるのでご本人も曰く「日本で最も多種類のチーズを作っている工房」ということになるし、納得するところである。
こうしたチーズは、国内外の様々な賞を受賞しており、日本を代表するチーズ工房となっている。
ソフト・酸凝固タイプの「カレ・ド・ラヴァンド・シェーブル」でオールジャパンナチュラルチーズコンテスト金賞&外国人審査員賞、モンディアル・デュ・フロマージュでは銅賞を獲得。
「リコッタ・サラータ・インフォルナータ・フレスカ」(銀賞)、ウォッシュタイプの「じゅくし柿(大)」(銅賞)、「フロマージュ・ド・みらさか?シェーブル」(モンディアル金賞)、「フロマージュ・ド・みらさか(牛乳製)」(モンディアル銅賞)など。
 また、松原さんは受賞した定番チーズだけでなく、たえず新たなチーズに挑戦しており、日本トウガラシを使った「赤鬼」や「富士山、地元の鵜飼いの名を冠したシェーブル「三次の鵜飼い」、牛、ヤギ、ヒツジのミルクを使った「リコッタ3兄弟」などチェレンジ精神が魅力だ。
今回も、それらの新進のチーズのほか、フランスの一部地域にしかないヤギのフレッシュチーズ「ブルッス」(山羊乳をホワイトビネガーの酸で凝固させたチーズ)が飛び出るなど、三良坂フロマージュはあ、まさに「チーズのワンダーランド」と言える。
なお、松原さんも、前回の大窪さんと同様、チーズを作る際に副産物となる「ホエー(乳清)3」の有効活用として、自ら飼育した「イノブタ」にホエーを飼料として給与している。今回は800日間飼育した(普通の豚は半年で出荷される)イノブタも、山羊肉と合わせてお披露目された。
脚注
1 ブラウンスイス

2 ヤギの種類

アルパイン
アルプス原産の乳用種で茶色や黒・白など様々な色があり、背中にたてがみのような毛がついていまる。大きさはザーネンに近く、同様に季節繁殖で有角・無角どちらもいる・乳量はザーネンの2/3程度。

日本ザーネン
スイス原産のザーネンを日本で改良したもので、このヤギの血をひいた雑種も多く見られる。メスは60キロくらいに、オスは90キロにもなるものがある。ザーネンより乳量はやや少ないが、日本の風土に適している。
(参考)チーズについての基本

本日のメニュー

本日のチーズ。左から、フロマージュブラン。三次の鵜飼、フロマージュドみらさか、モッチーズ、スカモルツァ・アッフミカータ

1. 三種のミルク

牛乳、羊乳、山羊乳
2. ブルッス


3. グラスフェッドバター、バゲット、パテ

4. パテ・ド・カンパーニュ

5. 三次の鵜飼のフリットと花かごのリーフサラダ

6. イノブタばら肉のプティサレ スカモルツァ

7. プルドイノブタとフロマージュみらさかのオープン

8. 山羊肉のラグーのラザニア モッチーズ

9. リコッタ3兄弟とフロマージュブラン

参考文献
- 三良坂フロマージュHP
- HIROSHIMA GOOD THINGS
- 「うまいナポリピッツア」
 「今回のブログは、食べあるキングの食材探求プロジェクトシリーズで、国産チーズの魅力について探求する旅です。メンバーはフォーリンデブはっしーとあおい有紀さんとJaffaの3人でした。」
- フォーリンデブハッシーのブログ
- 格之進HP




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