熟成肉の格之進

試行錯誤を重ね、生まれた現在の手法

格之進の熟成肉誕生の秘話

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門崎熟成肉誕生への第一歩

格之進は、1999年に開業しました。当時、メーカーの営業マンをしていた千葉が、一関に1号店をオープンさせました。
仕入れは、千葉の実家である牧場から。兄が育てた牛を一頭の半分単位で仕入れていました。一度に150kgものお肉が入ってくるものの、時代はカルビとロースの全盛期。それ以外の細かな部位にはオーダーが入りません。開業したばかりでお客さんも来ず、潤沢な資金もありません。食事は毎日、お肉、キムチ、ご飯でした。

仕入れでは、ひとかたまり10kg前後のものが15種類の部位に分かれ納められます。それを、真空パックで冷蔵保存していました。あるお肉は頭のほうから食べ始め、次に仕入れたお肉はお尻のほうから使い始めました。そして、ある時ひとつのことに気付いたんです。

「同じ部位でも、屠畜してからの時間によって味わいがまったく違う!」

屠畜して1週間目のお肉よりも4週間目のほうがおいしかったんです。お肉の柔らかさ、甘さ、香りがまったく違いました。それは単なる個体差ではなく、屠畜してからの時間なのだと気付いたんです。

賞味期限と熟成肉

当時は賞味期限について今ほど厳しいルールはなく、お肉の熟成についても色々な実験ができました。しかし、大手食品メーカーさんの賞味期限偽装事件が起こり、状況は一変しました。賞味期限ギリギリのものが流通しなくなったんです。お肉も同じでした。

そこで、賞味期限について詳しく調べていくと、賞味期限は屠畜した日ではなく、骨から外した日から始まると分かったんです。
「骨から外さなければいいんだ」
そこで、枝肉の状態で30日間干しました。昔ながらの枯らし熟成です。その後、ウェットエイジングに切りかえてみました。ウェットエイジングに切りかえることで多少熟成は進むものの、理想の状態でお肉の熟成をとどめてくれることが分かりました。

色々な試行錯誤を重ね、生まれたのが現在の手法です。枝肉の状態で「枯らし熟成」を30〜40日間、その後、骨から外して真空パックにつめて「ウェットエイジング」を約20日間。
こうした熟成に耐えられるお肉のみに、「門崎熟成肉」というブランドを冠することができるのです。


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