熟成肉の格之進

2023年7月4日 第62回肉肉学会の概要

SAMURAI COWBOY梶岡秀吉ブラウンスイスへの挑戦

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今回は、山口県美祢市・梶岡牧場の梶岡秀吉さんに来ていただきました。直前の豪雨で裏山が崩れるなど被害も出て、心配しましたが、ご自宅の断水が続いているものの(それも大ごとですが)、大きな被害はなかったとのことで、予定通り、出席してくださいました。感謝です。

プレゼンする梶岡秀吉さん

全日本・食学会高岡副理事長の挨拶

原田理事長や千葉社長も以前から存じ上げており、牧場へもお邪魔したことがある梶岡牧場は、1968年の創業。祖父からの農業経営で現在は秀吉さんが代表です。
肉用牛部門は、外部からの預託肥育(110頭)と自らの経営部分(「梶岡牛」ブランドで107頭)とがあり、今後は自社牛である「梶岡牛」を200頭程度に規模拡大していく計画だそうです。自社牛は黒毛和牛のほか、今日のテーマであるブラウンスイス、また、黒毛和牛の経産牛も「マザービーフ」としてブランド展開しています。レストラン部門である直営「ファイヤーヒル」には年間1万人のお客さんが見えますが、コロナ禍の間は大変でした。最近は外国人の旅行者がふらり、とお見えになるようなケースが増え、驚いているそうです。また、40年も続けている「良質堆肥」生産・販売は耕種農家の好成績にも繋がり喜ばれているとのこと。
「梶岡牛」の飼育には7割の飼料を国産とする目標をしており、稲ホールクロップサイレージ(WCS)、稲わら、酒粕や米糠発酵飼料を給与しています。飼料レシピは600以上開発したそうです。
また、ビタミンコントロールもしていないので、肥育後期ももりもり飼料を食べ続ける健康な牛に育っているとか。

 

肉おじさんはお肉に触っている時が一番幸せそう。

梶岡さんは、牛肉の旨さは、8割が飼料によるものだと考えていて、「牛は血統が7割、飼料が3割」という一般的な認識とは異なるアプローチで牛を育てています。もちろん、血統を軽視しているのではなく、サシに拘らない牛づくりに適格な血統を追求し、受精卵移植なども駆使しています。
梶岡牛の出荷月齢は30〜40ヶ月齢。先週は42か月齢の黒毛和牛を出荷しました。ブラウンスイスは30か月齢超まで飼うことで良さが引き出されるとの考えで、今回の牛は30か月齢の去勢ですが、ブラウンスイスとは思えないほど小サシの入った肉に仕上がっていました。
「梶岡牛」はドライエージングもしますが、長期にゆっくり牛を仕上げることで「樹上完熟のフルーツ」のようになることを目指しています。
そうした「梶岡牛」作りは、梶岡家で一家相伝の「梶岡牛メソッド」として練り上げたものです。
経産牛ブランドの「マザービーフ」は 1年間再肥育をしますし、ブラウンスイスは岡山県吉田牧場のブラウンスイスのオス(去勢)を全頭引き受けています。
それらの牛も「準国産飼料」で 和牛と同じ飼料で育てているので、別飼いもしていないそうです。
飼料は牛舎でロボット給餌。牛を見る時間を増やすための自動化で、牛の個体毎の管理のために「ファームノーカラー」を利用しています。
そのように、最先端のICTを利用することで、「農業を現場でロジカルに考える」ことが可能になる、との考え。また、受精卵ビジネスは、宮城県のノースブル社と連携するなど、様々な「ステークホルダー」との連携が素晴らしいですね。
もともと、預託経営からスタートした「梶岡牧場」は2001年の「BSE]、2011年の「口蹄疫」(預託元であった「安愚楽牧場」の倒産)、2012年の東日本大震災と東京電力福島原発の事故など、様々な災厄に見舞われましたが、その都度、諦めない「samurai spirit」で乗り越えてきました。
新しいプロジェクトも始動している「梶岡牧場」。これからも注目していきたいですね。

■梶岡秀吉さんのプレゼンの一部



■原田理事長のプレゼン「ブラウンスイスについて」の一部



白金豚の骨付きロース

本日のメニュー

〇 リブロースステーキ

〇 吉田牧場のチーズ「マジャクリ」

〇 グリーンサラダ

〇 ピリ辛ホルモンスープ

〇 すね肉の煮込み
〇 牛スジ入りハンバーク
〇 イチボグリル赤ワインソース

〇 ランプのローストビーフサンド

参考文献


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