スペイン&イタリア肉旅2017夏 世界最高峰のステーキと銘柄牛・銘柄豚を訪ねて〜3
世界一のステーキと賞賛されるホセ・ゴードン牧場へ視察
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とうとう来てしまいました。この日が来るとは!!!
フランスの肉匠イヴ・マリ・ル・ブルドネック氏がキュレーターとなっている映画「ステーキレボリューション」で、世界一のステーキと賞賛されたホセ・ゴードン氏の牧場です。
牛さん最古の畜種であるマヨレッサ、サラレッサ、マロネッサ等々約10種類の畜種が合計約150頭飼われています。
性別は100%去勢牛を飼育しており、最も大きい牛になると生体重量2,500kg(和牛の生体重量は約750kg)の牛もあり、17歳の牛が最年長だそうです。
とにかく驚いたのは柵の高さです。
日本の和牛の柵では考えられない高さでした。やはりそれだけ牛が大きいということ。
それに放牧なのに牛が人に寄ってくる…これだけ広い牧野なのに牛が寄ってくるということは、日頃から牛とのコミュニケーションが深い証拠です。
特にホセさんの牛の可愛がる様子や、牛の表情からも「いつもしてもらってまーす!!」って牛が顔で語っていました。
飼料は、牧場内の自生牧草と自生ハーブとどんぐりの実で、補助飼料として乾燥牧草と麦を中心とした配合飼料、それと共に地下水を汲み上げた水。
牛は3歳以上の去勢牛を購入して5歳から10歳ぐらいまで肥育。
畜種や肥育期間の詳細レギュレーションは無く、牛の性格や牛の体型を見て導入と出荷を決めるそうです。
一番大切にしているのは、大人しい性格の優しい牛を選んでいるということ。
この話を聞いた時に、馬喰郎(家畜商)をやっていた父親の言葉を思い出しました。
「喰いの荒い牛は、サシも荒いんもんだ。喰いの大人しい牛は、サシが細く入るもんだ…」とーー。
父が生前言っていた言葉を、まさかスペインで思い出すとは…。
とにかくこの牧場に来て実感するのは、ホセさんの牛に対する愛が溢れていること。
牛に対する愛…。
牛そのものが幸せかどうか…。
ちゃんと生ききっているかどうか…。
ホセさんの中で納得いくまで、1頭1頭に向き合い、それぞれの個性や能力が最大になったと感じた時がお肉になる時。
工業的な育て方ではなく、非効率だけれども、牛そのものに向き合った在り方に胸が熱くなりました。
私の牛に対する概念や向き合い方を深く再確認し、今後の事業での在り方を深掘りさせてもらった牧場見学でした。
是非皆さんも体感してもらいたいです。