お肉の通だけが知る赤身部位
独特の旨みを持つランイチ〜熟成肉図鑑 Vol.03
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ランイチとは、サーロインに接続する部位で、モモと呼ばれる部位の中では背中側に位置し、「ランプ」「イチボ」「ネクタイ」の3部位に大きく分けられます。
腰から臀部(お尻)にあるサーロインに繋がっている「ランプ」と、ソトモモのナカニクに繋がっている「イチボ」が重なりあった部位です。さらに、ランプに重なるように「ネクタイ」という部位がついています。
ランイチは黒毛和牛の部位のなかでも鉄分が一番多い部位であり、イタリアンのシェフがこぞってこの部位を好んで使用しています。
そこで今回は、黒毛和牛の特徴である様々な部位に注目をして、それぞれの部位の特徴や美味しさをご紹介していきます。
ランプ
ランプはモモ肉の中で一番の柔らかさを持つ赤身の部位です。
味わいが個性豊かで、ランプに似たような味わいの部位はなかなかありません。サシが少なく甘さは控えめ。
鉄分の強い味わいから、赤身の女王様で有名なヒレに対し、ランプは「赤身の王様」とも言われています。
オススメの食べ方
赤身の旨さが凝縮しているので、ステーキや塊焼きといった肉汁を逃さない調理方法がおすすめです。
焼肉スタイルで食べる場合は、厚めにカットすると美味しくお召し上がり頂けます。
イチボ
イチボは「ロース側」と「ソトモモ側」で、違った味わいを愉しむことが出来る部位です。
ロース側は柔らかく、サシが多く入っているため甘みの強い部位です。
ソトモモ側は筋肉質で歯ごたえがあります。赤身と霜降りの割合がちょうど良く、噛めば噛むほど旨みが溢れ出てくる部位です。
オススメの食べ方
ロース側は厚切りにカットして焼肉スタイルで。口いっぱいにジューシな甘みのある肉汁が溢れ出してきます。
ソトモモ側は、薄くスライスして焼肉がおすすめです。お肉を噛み締める度に旨みが溢れ出してきます。
ネクタイ
ネクタイはランプの上に重なっている、1頭から400gほどしか取れない希少部位です。
ランプに近い味わいではありますが、サシが強めでランプにはない甘みを感じることが出来る部位です。
オススメの食べ方
ネクタイも厚切りにして焼肉スタイルでお召し上がり頂くのがおすすめです。
次は、ランイチの魅力がさらに引き立ててくれるオススメのマリアージュをご紹介いたします。
ランイチを存分に楽しむためのマリアージュ
マリアージュ「焼酎のソーダ割り」
2000年頃から始まった空前の芋焼酎ブーム。今では飲食店で芋焼酎を置いていない店はないと言っても過言ではありません。作り手の新たな考え方による焼酎造りで、焼酎の販売量はウイスキーや日本酒を抜いて第2位になるまでに成長しました。
そして今回ご紹介する「焼酎の炭酸割り」は、食前、食中、食後酒としてさらなる焼酎ブームの鍵となる飲み方になると思います。
熟成肉にはどんな焼酎のソーダ割りが合うのでしょうか?私は芋焼酎との組み合わせが最高のマリアージュだと思います。何を割って飲むかはあなた次第です。
氷を入れた大きめのグラスに焼酎を注ぎ炭酸で割ります。
食前、食中は焼酎1:炭酸4の薄めの割合で、食後には焼酎1:炭酸2の濃い目がオススメです。
※製氷機の氷よりコンビニなどに置いてある氷の方がより美味しくなります。
※水道水は焼酎の風味を殺してしまいます。
※焼酎は甲類より、乙類が断然オススメです。
熟成肉図鑑と題して前々回から引き続き、美味しい熟成肉のさまざまな特徴とオススメの食べ方をご紹介しております。
今回は個性豊かな味わいを持つ「ランイチ」と合わせて、旨みを際立たせるマリアージュをご紹介いたしました。
お召し上がりの際は、ぜひご紹介したマリアージュと一緒に味わってください!