「肉のキャッチボール」を行なう目的とは?
ハンバーグを焼く前の手ごね=肉のキャッチボールについて
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空気を抜く
ハンバーグを作る時、捏ねた肉を両手間で受け渡しをして、空気抜きをするという方も多いのではないでしょうか。数多あるハンバーグのレシピにも、「片手から片手にキャッチボールの要領で…」などと書かれていますね。
つまり、加熱した際、中の空気が膨張してハンバーグが破裂するのを防ぐための作業が、この「キャッチボール」なのです。
つまり、加熱した際、中の空気が膨張してハンバーグが破裂するのを防ぐための作業が、この「キャッチボール」なのです。
脂が溶け出す
もちろん、格之進のハンバーグづくりでもキャッチボールは行われています。
しかし、空気を抜くということとは別の目的が他にもあるのです。
配合されたばかりの肉を人間の手で触るということは、肉の温度が上がるということです。
すると何が起こるかというと、肉の中の脂が溶け出していきます。
肉自体が変質をするまでには至らないにせよ、何より大切な肉汁の素が溶け出してしまうので、本来は見過ごすわけにはいきません。
しかし、空気を抜くということとは別の目的が他にもあるのです。
配合されたばかりの肉を人間の手で触るということは、肉の温度が上がるということです。
すると何が起こるかというと、肉の中の脂が溶け出していきます。
肉自体が変質をするまでには至らないにせよ、何より大切な肉汁の素が溶け出してしまうので、本来は見過ごすわけにはいきません。
肉のキャッチボールの意味
しかし、わたしたち格之進には、この点についての明快な考え方があります。
溶け出した脂はハンバーグの被膜になるというものです。
「キャッチボール」の次には「冷凍」工程が控えています。
家庭とは違い、成形の後、すぐに焼くわけではなく、ハンバーグは一旦、長い冬眠に入るので、毛布の一枚も用意してあげたいところです。
それが溶け出した脂の被膜です。
また驚かれるのは「必要十分な空気抜き=最適な被膜コーティングづくり」である肉のキャッチボール、多すぎても少なすぎてもいけないその工程の見極めは作業者の「感覚」だという点です。
もちろん、標準の「回数」は存在あります。
しかし、最後の最後は職人の感覚で、ハンバーグは仕上がりを迎えます。
標準化できない、こういった部分にこそ格之進の真髄があるのではと思います。